『渾身の1枚』
これまで他人様のドキュメントをいっぱいみてきましたが、1ページに籠められている「魂」が薄くなってきた危惧を感じています。
「量」も確かに大事です。
巨額な投資の判断に必要な提案書がすごい薄っぺらいのは、確かに心証はよくない。
じゃ多ければいいのか。
枚数が多いと読むにも、説明するにも、それなりに時間がかかります。
自分の体験談で例示します。
一発勝負、提案依頼の打診から、提案プレゼン1回で全てを決めるというならば・・・それはもう、精一杯にたくさん言いたいことを盛り込んで、大量にドキュメントした提案書を颯爽と持参し、「ここまで細やかに考えて来ました!」とアピールします。
それでも、説明の時間が限られていれば、当日に説明するスライド以外は、あとで「読み物」としてキャッチアップしてもらうことにあいなります。
キースライドだけ、時間の範囲で説明します。
当然ながらキースライドはかなり慎重に丁寧に、しかも簡潔に言いたいことがスカっとアタマの中にバッチリ記憶してもらえるような印象付けの工夫をします。
・・・とすれば、時間がない、あるいは時間の制約のない場合は、別に量を求める必要はなく、上述でいうキースライドだけをきっちり書き上げて、他のパートを書き上げる時間を惜しんでさっさと説明なりプレゼンに出かけた方が、スピード重視であればあるほど、効果的だと思います。
最近は一般的なビジネスのスピードがどんどん加速しているので、我々の商売もスピーディに提案もデリバリもやってのける必要性が増しています。
ですから、効率的に「印象深い」スライドをさっさと構成してプレゼンしていった方が、結果として効率的だと思います。
そういう意味で、最近は「渾身の1枚!」と感動するようなモノに出会う確率が少なくなっていて、とても心配しています。
「トラパパさんの、あの『1枚』が決め手だったんですよねー」
そう言われて受注したケースもあります。
そういう「渾身の1枚」を、追求していきたい。
皆さんも、何でもいつでもはないでしょうけど、そんな効率を追い求めて欲しい、そんな業界であって欲しい、と最近切に思う次第です。