採用基準について。
人手不足の折、たくさんの採用面接をこなしていますが、不肖業界が何に着目して被評価者の能力(もちろんポテンシャル込)を診ているか、基本を最近理解していない人が多い気がしてきました・・・
評価基準をデジタルに語ることはさすがにできませんが、汎用例としてこういう点をアピールしてほしいな、という観点でキーワードを整理しました。コンサルタントへの転身を考えている人、評価する側の方々への少しでも参考になれば幸いです。
(注:黄金律とまでは保証しかねますのでご容赦ください)
1. Commitment
・ 自分が求められているミッションやロールを精一杯果たそうとする「姿勢」を示し、相手にそれを納得させる能力のことです。
・ 「コミット」をただ言葉で示すだけではなく、どういう言動をもってそれを実証するつもりか、あるいは過去の実績紹介ならばコミットしたことに対してどういう言動でそれに対峙し、結果プロジェクトにどれだけそのプロジェクトに貢献できたかを説明してもらいたいということです。
2. Dedication
・ 自分がコミットしたことに「献身的に」取組む人柄を実践で相手に解らしめる能力のことです。
・ 全てのプロジェクトで共通とまでは言いませんが、自分がコミットしてない周辺領域でおきた問題・課題に対して、自分がプロジェクトの成功のためにどこまでその境界線や隙間を埋める努力を惜しまないかを示せることが求められます。
・ もちろん、限度があるので、過度に示しすぎると「彼/彼女は重荷を背負いたがるから要注意だな」と逆効果になることもあります。
3. Expertise
・ 他者との差別化要因として、何が専門なのかを示すことです。
・ 1つの特定領域の「エキスパート」でもいいし、オールラウンダー的に立ち振る舞う「ユーティリティプレイヤー」でもかまいません。いずれにしても自分の得意な仕事スタイルを説明できることが重要かと考えます。
・ 大抵の(得意)領域には有効期限というか賞味期限みたいなものがあると考えます。ですから、1つの専門性に固執するのではなくて、スプレッド(違う領域への発展)についていかに将来のストライクゾーンを広く見せられるかがポイントだと思っています。
4. Ownership
・ 自分の仕事はポジション(職位)にかかわらず自分が責任者であるという姿勢を立証できることです。
・ 面接の会話や顔色、癖等から、面接評価者は被評価者が「苦境にたったときに責任放棄したりしないか」を、(意外に)冷静に診ているのです。
・ 成功事例はさも自分が大貢献したかのようなアピールをするのに苦労話は全て他人に責任転嫁するような話し振りの人は、このポイントで不採用にしています。
5. Functionality
・ 特定業界に一定の知識・知恵があるかどうかのことです。
・ なくてもいいのですが「順応性」は少なくとも求めています。不肖業界では普段の担当外の業界を担当することは十分ありえます。ただ、「学ぶ」姿勢のない人は基本的に不肖業界に向いてないと思っています。
・ 「銀行業なら任してください」と説明を聞くよりも、「リテールは得意ですが法人は基本知識レベルなら完璧にカバーします」みたいな具体性(メリハリ、ですかね)の方がよりウケがいいです。
6. Communication Primitives
・ コミュニケーションスタイルです。これは実はとーっても重要です。
・ 「聞き取り」「報告」「提案」「絵心」に不肖は分類しています。
・ どれもパーフェクトなんて期待はしていませんが、その人の「得意」スタイルを理解しなければ、当人にとっても、且つ弊社にとっても高利益なアサインメントポジションは提案しようがありません。ここは長短含めて自分の得意スタイルと(できれば避けたい)苦手スタイルを説明してもらうのがベスト。苦手を言ったから不採用になることはありえません(苦手があまりに多すぎれば別ですが苦手発言で短絡的に不採用にした企業があったとしたら、むしろその企業に能力が欠落しています)。
7. Technical Knowledge
・ 技術スキルのことです。なくても通用しますが、大抵不肖業界ではITに関する(多少の専門的)知見がなさすぎるのは正直苦労すると思います。
・ 何でもかんでも、という話ではなく、例えば「ネットワーク技術はそこそこ詳しいです」みたいなレベルでも十分だと思います。不肖担当業界では、最近IT専門家がコンサルティングを展開することに期待が高まっていますし、経営戦略や業務プロセス変革提案スキルももちろん重要ですが、バランスがとれていること(当人と採用側が正確に理解していること)が重要です。
8. Leadership
・ 率先して仕事を進めていく才覚のことです。
・ 若手の人ならEXCUSE(容赦)もありえますが、物事を率先して周囲を牽引しながら進めていける素養はコンサルタントにとって「必須の必須」です。
・ 過去の仕事経験を聞く際にも、多くは「どれだけ貴方がリーダーシップをとってその仕事を進めたの?」という点を、実はその結果以上に重要視して評価していることは多いと思います。
・・・あ、弊社へ誘致を目的で本エントリ書いたわけではありませんので念のため。あくまで不肖業界のクオリティ維持のために「心得」として整理したにとどめていますので・・・
(お前が言うな?・・・うー、スミマセン・・・<(_ _)>)