自分史を書くことは、自分にとっても社会にとっても有意義なこと
数日前に、立花隆さんが「自分史の書き方」という本を
出版されたことを書きましたが、
さっそく購入して読んでみました。
この本は、立花さんが立教セカンドステージ大学で、
2008年に行った講義「現代史の中の自分史」の内容をまとめたもので、、
本の中でも、受講生が書いた自分史を
ところどころで引用しながら解説しています。
受講生は団塊の世代が中心で、もちろん一般人の方々ですが、
企業戦士の方、キャビンアテンダントをしていた方、
メディア関係の方、学校の先生などいろいろバラエティに富んでいて、
仕事中心のものもあれば、男女関係を中心にしたもの、
親子二代にわたった家族史などいろいろで
それぞれにドラマがあって面白かったです。
昨日は、オルタナブロガーの忘年会に参加しました。
参加者の方々がそれぞれ近況の話をして、
それだけで約2時間半がたってしまいましたが、
IT業界の方が中心でも、やっていることはみんな違っていて、
いろいろな話が聞けて楽しかったです。
改めて、みんなそれぞれが、
かけがえのないオリジナルな人生を
生きているのだなと感じました。
立花さんが本の中で以下のように書いています。
人はみな死ぬ。一人の人の死とともに、多くのものが失われる。その人の脳の中にあった記憶が失われる。その人の記憶が失われるとともに、その人の記憶がつないでいた記憶のネットワークの当該部分が抜け落ちる。世界はモノの集合体であると同時に、同時代を構成するたくさんの人間たちが共有する壮大な記憶のネットワークとして存在している。この世界の主要な構成部分として壮大な全人類的な記憶のネットワークがあるのだ。一人の人が死ぬと、その人の脳がになっていた、壮大な世界記憶ネットワークの当該部分が消滅する。一人の人間分の穴があいた記憶ネットワークは、前と同じものではありえない。
みんなそれぞれユニークでオリジナルな体験をしてきているわけで、
そういった体験の記憶をきちんと文章などの形で表現して、
他の人に読んでもらえるようにして、記憶を共有できるようにすることは、
世界記憶ネットワークを補完していくという意味で
とても意義のあることだと思います。
立花さんは「セカンドステージのデザインになにより必要なのは、
自分のファーストステージをしっかりと見つめ直すことである。
そのための最良の方法は、自分史を書くことだ」とも書いています。
自分史をまとめてみることは、自分にとっても、社会にとっても
有意義だということです。
今後も、多くの方々に自分史を書いてもらえるように
自分史の魅力を伝え、活用法を普及していく活動に
力を入れていきたいと思います。