興味のあることに没頭しているときに、時間があっという間に過ぎ去ってしまうということは、多くの人が体験していると思う。人間の感覚はけっこういい加減なので、同じ時間が条件によって2倍に感じたり半分に感じたりする。かなり前に、「人間が受け取る情報量が増えるほど、時間の経過を長く感じる」という説を聞いた。それから、この説を思い出すことも多いが、あたっていることが結構多い。

たとえば、車を運転して、これまでに行ったことのない目的地に行くようなときには、往路の時間のほうが復路の時間よりも長く感じる。往路は、今走っている道が正しいかどうかの確信もなく、目に入ってくるものすべてが新しい状態で、目的地にたどり着くまでに大量の新しい情報の処理が行われている。これに対して、復路は、走っている方向は逆になるものの、回りに見えるものや距離感など、既知の情報を処理しているだけとなる。この結果、新しい情報の処理量が多い往路のほうが、処理量が少ない復路よりも、時間を長く感じるのだと説明できる。

別の例として、新しい土地に引っ越したときには、いつも時間感覚のずれを感じる。引っ越して1年目は、それ以降の年に比べて圧倒的に長い時間に感じるのである。これは、「新しい土地では、入ってくる情報すべてが新鮮なので、情報処理量が増えて時間の経過を長く感じる」ということになるような気がする。

こうして考えていくと、子供のころの1年は長かったけれども、今は1年があっという間だということにも説明がつく。子供は大人よりも、圧倒的に大量の、自分にとって新しい情報を受け取っているので、1年が大人よりも長く感じるのである。

さらに進めると、「常に環境が変わる中で、新しいものを追い続けている人は、毎日同じことを繰り返している人よりも(体感的に)長い人生を送ることができる。」ということにもつながる。変化に対しての拒否反応があるときには、この理論を思い出すと、重要な一歩が踏み出せるかもしれない。

Katsushi Takeuchi

Special

- PR -
コメント
t-aono 2008/07/09 10:47

以前、どこかで
1) 10歳での1年は、その人にとって 1/10
2) 60歳での1年は、その人にとって 1/60
と聞き、妙に納得したことがあります。
子供と過ごす時間の重要さ、という話だったと記憶していますが、
情報量という視点でみれば、確かにおっしゃる通り。

言い換えれば、チャレンジし続けることが若さであり、
そうすることで実際若くもいられるのかな、とも。

ようするに、若さと年齢に相関はないんでしょうね。

Katsushi Takeuchi 2008/07/10 13:53

Aono さん、コメントありがとうございます。
チャレンジし続けることで若さが保てるということが信じられるようになれば、社会が変わるかもしれません。逆に、いつまでたっても後進に道を譲ることのない元気な人が増えててくるのは問題かもしれませんが...。

吉田さん、トラックバックありがとうございます。吉田さんのブログに同じ内容のものがあったとは気づきませんでした。吉田さんの説明のほうがわかりやすいですね。


コメントを投稿する
メールアドレス(必須):
URL:
コメント:
トラックバック

http://app.blogs.itmedia.co.jp/t/trackback/77444/13057601

トラックバック・ポリシー


» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

詳しいプロフィール

最近のコメント
カレンダー
2011年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 富士通元社長の山本卓眞氏が残した次代へのメッセージ
富士通の社長、会長を務めた山本卓眞氏が亡くなった。哀悼の意を込めて、日本のIT産業界の大御所が残した次代へのメッセージを紹介しておきたい。(2/6)

news094.gif Facebook就活はもう古い?
約260人のブロガーが、ITにまつわる時事情報などを日々発信しているビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」。その中から今回は「就活」「都心の雪」「ソーシャルメディア」などを紹介しよう。(2/4)

news094.gif 東北をコットンの生産地としてブランディングしたい──リー・ジャパン・細川取締役
塩害に強い綿の生産で東北に新たな産業を作りたい。オーガニックコットンの採用など、環境負荷を下げるジーンズ生産に取り組んできたリー・ジャパンの新たなチャレンジとは──。(1/30)

news094.gif 東北から始まるイノベーション
企業のICTを活用と若手IT技術者による東北発のイノベーションが、中長期的な震災復興の鍵となる。(1/27)

news094.gif 貧困国の雇用を創出する印刷屋、丸吉日新堂印刷の挑戦
全国から約2万7000件の名刺制作を受注をする札幌の小さな印刷会社の成功の秘密は、地道な社会貢献にあった。(1/16)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。

Special

- PR -

サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ