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ソフトウェア製品開発現場の視点

飛行中の携帯電話の使用

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2,3年前に飛行中の飛行機の中から携帯電話を使えるようになるという記事の記憶があったので、その後どうなったか気になって調べてみた。

最初に見つけた記事は、アメリカの話で、アメリカでは検討を進めていたものの、2007年4月に検討が終了したようだ。高高度で携帯電話を使うと電波が届きすぎて、電波の干渉の問題が起きる可能性があるため、当分見送りとなったようだ。

一方ヨーロッパ側では、話が進んでいて、"航空機内で携帯電話 - 「OnAir」を欧州航空安全庁が承認" という記事をマイコミジャーナルで見つけた。これは、航空機内に GSM 方式の携帯電話のアンテナを置くようで、個々の端末と直接地上の基地局をつなごうとしたアメリカ方式とは違うので、干渉の問題はおきないし、基地局が近くにあって携帯電話の電波のパワーも絞られるので、より航空機への影響が少ないらしい。ただ、この方式は GSM 携帯電話にしか対応していないので、そのまま日本に持ってきたら使えるというものではない。

もし、技術的な問題が解決したとしても、多くの公共交通機関での携帯電話の使用が制限されている日本では、飛行機の中での携帯電話の使用も歓迎されないであろう。一部の人のモラル上の問題を避けるために、多くの人が不便な思いをする仕組みには個人的には反対である。特に飛行機は天候などによる遅れが比較的多い乗り物なので、技術的に可能ならば外部に連絡する手段をぜひ用意して欲しい。

アメリカでは、飛行中の携帯電話の使用はできないが、飛行機に搭乗した後もドアが閉まるまでの間、また着陸後はすぐに携帯電話を使用することが許可されている。一度、搭乗した後に離陸までにかなり待たされるという経験をしたが、誘導路脇に飛行機を停止させた後、携帯電話を使用してよいというアナウンスがあり、多くの人が出迎えの人に遅れを知らせる電話をしていた。一般にアメリカの航空会社のサービスは、日本の航空会社に比べてよくないと言われているが、こういった本質的なサービスにおいては、アメリカのほうが優れているものが多いと感じている。

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