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ソフトウェア製品開発現場の視点

ダイバーシティ

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この1,2年、ダイバーシティという言葉を多く耳にするようになった。直訳すると「多様性」という意味で、会社の中でマイノリティーの存在の人を活用していきましょうという話であるが、マイノリティーの存在の例として女性や障害者だけがあげられることが多く違和感を感じている。

5年余りアメリカに滞在した間は、自分自身がアメリカ人でも白人でもないマイノリティーであった。所属した IBM では、社員全員に年に1回のダイバーシティトレーニングが義務化されているほどダイバーシティが重要事項として掲げられていることもあって、文化背景の違うアジア人を公平に受け入れてもらい、感謝している。アメリカでは、会社だけでなく社会も外国人を受け入れるための仕組みが整っており、アパートを借りるときに差別されることなどないばかりか、小学校においては ESL (English as a Second Language) の先生が常駐して、特別な指導をしてくれるほどであった。

翻って日本は、外国人受け入れに対する体制がまだ整っているとは言えない。7月から新しく新入社員をアメリカから迎えることになって準備をしているが、アパートを借りることさえ本人だけではできないことがわかってきた。明確に外国人はお断りというわけではない場合でも、保証人は要求されるので、日本国内に親戚がいない外国人は、日本人のサポートが得られないと結果的にアパートを借りることさえできない。受け入れる責任としてそのあたりはクリアしていっているが、ダイバーシティという言葉の中に外国人も明確に含めて考え、会社だけでなく社会全体の理解が得られるレベルになっていくことを期待している。

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