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メールで言い争いが起きる理由 ──社会的手がかりの不足

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今日もどこかで言い争いが......

面識のない人とメールのやりとりをすることがある。はじめはお互いていねいなやりとりをしているのだが、何かのきっかけで攻撃的なやりとりに変わることがある。そのままメールを続けてもこじらすので、対面で話をしたり、電話をかけたり、生の声で話をするようにしている。そうすると、相手にもこちらが悪意がないことが伝わり、ていねいなやりとりに戻ることができる。

プロジェクトは知らない人ばかり

開発プロジェクトは多くの人が集まる。大規模プロジェクトになると1,000人くらいのメンバーになることもある。メンバーのなかには、自分と同じフロアで働く人もいれば、別フロアで働く人もいる。さらには、拠点が異なる人もいれば、地方や海外など遠く離れた場所で働く人もいる。だからプロジェクトには面識のない人が大勢いるのだ。そのような面識のない人とは対面でコミュニケーションすることが難しい。代わりにメールでやりとりすることになる。

面識ない人には乱暴なメールをしてしまう

面識のない人とメールでやりとりをしていると攻撃的なやりとりになってしまうことがある。顔を合わせたことがなかったり、口を利いたことがなかったりする相手とは、攻撃的なやりとりになりやすい。一方、頻繁に顔を合わせていたり、一度でも膝を突き合わせて議論したことがある相手であれば、そのようなことになることは少ない。

サイコロジー・トゥデイというアメリカの心理学系サイトで「フレーミング」に関する特集記事が組まれたことがあった。フレーミングとは、粗暴なふるまいや露骨な言葉で人を嫌がらせることである。その記事によれば、集団意思決定について調査を行ったところ、対面でコミュニケーションしている時にくらべて、コンピュータによるコミュニケーションをしている時の方が汚い言葉を使い、乱暴な対応をしたという。顔を合わせなかったり、声を聞かなかったりする時、人は相手の気持ちについて配慮を欠いてしまう傾向があるようだ。

乱暴になるのは相手に関する情報が少ないから

コンピュータを介したコミュニケーションは、相手の表情や声をつかみとることができないため、対面コミュニケーションに比べて過激な対応をしてしまう。スプロールとキースラーによると、メールでやりとりするテキスト情報だけでは「社会的手がかり」が少なくなってしまうという。社会的手がかりとは、コミュニケーションする相手に関する情報のことで、例えば、所属組織、肩書き、年齢、性別、関心事、趣向などのことである。社会的手がかりが少ないと、相手に対して配慮をしたり、社会人として礼節ある振る舞いをしたりといった意識が働かなくなってしまう。その結果、自己中心的な発言をしたり、意見が極論になったり、誹謗中傷などのフレーミングが生じたりするようだ。相手の声や表情がないため、人間と接触しているという実感に欠けてしまうのが原因だと考えられる。

顔を合わせよう、自分をさらけ出そう

メールでの言い争いを無くすためには、日頃から顔を合わせたり、どんな仕事をしていてどんなことに困っているかを共有することが大切だ。そうすればメールには書かれていなくても文脈から言外の意図や背景を理解してもらえ、好意的にメールに応じてくれるようになる。

また、こちらが普段どんな活動をしていて、どのようなことに頭を悩ませているのかを自己開示するとよい。自分の弱い部分を見せることで相手の心を開くことができるからだ。自分が本音で語らなければ、相手も殻をかぶったままになってしまう。何に困っているか、何を悩んでいるかを伝えることはコミュニケーションをする上でとても大事なことなのだ。

絵文字や顔文字で気持ちを伝えよう

ビジネスマナーとしての良し悪しは別にして、絵文字や顔文字を使って感情表現をするのもひとつの手段だ。「困ります(T_T)」と書けば遊び心が表現でき、困っているけども、まだ気持ちにゆとりがあることが伝わる。このように感情を伝えることも社会的手がかりを伝える方法のひとつだ。また、Gmailを使ってメールをしている人であればプロフィールの顔写真を表示することができる。自分の顔を見せることも社会的手がかりのひとつだ。

用件だけを伝えるメールはトラブルになる確率が高くなってしまう。そうならないためにも、周辺情報をできるだけ多く伝えるようにしよう。メールやSNSは便利なツールだが、災いを生み出す原因にもなるために気遣いが必要だ。

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