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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

父が瀕死の重体(4)ICU症候群から見事に復活、今は前向きに頑張っています。悪いニュースは私のiPhone4Sが身代わりにクラッシュしたことでしょうか…。

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多数の方々にご心配をおかけしてしまいました。

結論から言います。昨夕、父のお見舞いに行きました。父はICU症候群から水曜日の午後に復活して、今は一般病棟の個室に移り、車いすに座りながらリハビリを始めています。ちゃんと話ができる状態になっていました。トイレや食事なども時間がかかりながらも極力自力でやろうと全力で取り組んでいます。とても前向きに生きる姿勢になっていました。

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ICU症候群のときには暴れて大変な状態だったとのことです。看護師や医師なども手がつけられない状態であったために、手足をベッドに縛り付けていました。さらには、精神安定剤を投与して、父はICUにいたときにはひたすら寝ていたのです。

目が覚めても、見舞っている母や妹に「洪水がきた」とか「水に鯉が泳いでいる」とか「氷山がきた」とか「地震のニュースを見せろ」とか、わけのわからない言葉を口走っていました。

月曜日から3日目の水曜日午後、ICUで目が覚めた父が母に聞きます。

「おう、史郎、離婚したんだよね。
 それで、元の妻子はどうしているんだろうか…。
 かわいそうに。」

母はあまりの唐突な質問に戸惑いながらも答えます。

「史郎は離婚なんてしていませんよ。
 夢でも見ていたんじゃないの?」

その一言で、父は長いこと悪夢を見ていたことに気が付きます。

「えっ、あれが夢だったのか。。
 じゃぁ、2時間にも渡る地震が2回東京を襲って、
 大津波でマンションの4階部分にまで水が到達した、
 っていうのもなかったのか?」

そして、延々と見ていた夢について語り始めたのです。

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父が母に見捨てられて離婚されたこと。
史郎が離婚して、再婚した女性が看護婦だったこと。
その看護婦がとても気に入らない人で、インシュリンの注射を無理やり打とうとすること
インシュリンは受け入れないと、全力で拒否していたこと
父が上野でホームレスのような洞窟に住んでいたこと
東京が人類が体験したことのない2時間の地震に2回も直撃されたこと
その地震で地面が何百メートルもずれてしまったこと
大津波で水がマンションの4階部分にまで到達したこと
船に乗って逃げると、5階にいる看護婦に腕を掴まれ、インシュリンの注射をされそうになること
・・・

何度寝ても同じ夢の続きを見ていたそうです。余りのリアリティにすっかりそれが現実だと思うくらいだったそうです。推測するに、病院で処置をしようとする看護婦に全力で抵抗していたのはその夢との混乱があったのでしょう。糖尿病が末期になるとインシュリンを注射する必要があるのですが、父はインシュリン注射を受けないために、日々の運動や食事療法で頑張っていたという背景があります。

昨夕、自分がお見舞いに行った時も、同じストーリーを聞かされました。

ICU症候群なのでしょうか、脳の影響だったのでしょうか。前頭葉にもだいぶ強い衝撃があった痕跡がCTスキャンの結果出ていました。麻酔や薬の投与の影響などもあるのでしょう。本人は現実と混乱した悪夢にうなされていたのです。

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今の心配事といえば、折角のiPadも携帯も、大好きな新聞も、見えないというのです。遠くの視界はしっかりしているようなのですが、手元が良く見えないと。時間が解決してくれることを祈るばかりです。

左手小指の骨折もひびが入っているレベルだったそうです。それなので、頭以外は強い全身打撲の状態です。痛そうなものの、何とか自分で体を動かそうと頑張っています。車いすからベッドに移るのも10分程度かかる大プロジェクトです。昨年生まれた孫が徐々に匍匐(ほふく)前進しながら動いていた様子を思い出すと笑いながらベッドで体を徐々にずらしていました。

「12月10日の会社家族パーティーには何とか出席してね!」

3週間あります。たとえ車いすででも来られたら嬉しいと思いました。

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そして、いいニュースと悪いニュースは同時にやってくるのだなぁとつくづく思いました。

父の回復のいいニュースから、会社に戻るとさらにいいニュースが。先日プレゼンテーションしていたビジネスプランが入賞していたそうです。故に12月8日にはシリコンバレーに発表に行かなければならないと。悪いニュースとしては12月10日に戻ってこられるのか微妙なところになったことです。

そして、そのあと社内メンバーと飲みに行き、帰りの半蔵門駅のホームでつまずいて転び、胸ポケットからするっと飛び出したiPhone4Sが30センチほどの高さに上がってから、ペタンとホームのコンクリに着地。恐る恐る拾ってみると見事なクモの巣状のひび。

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いいニュースと悪いニュースは同時にやってくる。これは事実です。

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