父が瀕死の重体(1)住宅街での雑な営業バイク運転に跳ねられた
一昨日は肝を冷やしました。
月曜日は10時から全社での会議を、そして、11時半頃から「端末アプリケーション開発会議」をやっています。その途中、妹からのメールで父がスクーターに跳ねられて病院に搬送され、脳に出血、意識はあるが危険な状態にあるとのことを知りました。
父は78歳。糖尿病の悪化を防ぐのだと、毎日2時間くらいかけて1万5千歩くらい運動することを課題にしていました。そして45日に一度ヘモグロビンA1c(HA1c)という数値を病院で測定するのです。HA1cは過去三カ月の血糖値を一番よく表すそうで、ごまかしが効かないものです。
HA1cが0.1%でも下がると喜び、上がるとがっかりする。父はその数字をとても気にしていました。ある意味、ゲーム感覚で苦行を習慣化してしまっていたのです。そして、日々の運動の後は、iPadでの将棋やらを楽しみながら美味しくお酒と食べ物をいただく。そんなシンプルライフをエンジョイしていたのです。
月曜日はその運動中に事故に合ってしまったのです。
三輪バイクに鉢合わせ。営業で住宅街を走り回っている信用金庫のものでした。
旧来から、「足を痛めるとこの生活ができなくなる」。ことのほか、怪我をしないように注意をしながらいた人です。それがまさかの病院に搬入されるほどの怪我をするとは、余りのやるせなさに気持ちのやり場を失います。
そもそも頭の緊急手術が必要で、果たしてそのあと意識が戻るかは分からないとのことです。会社からタクシーで病院に駆けつけます。緊急手術の前に、意識のあるうちに会っておきたかったのです。
ICU(集中治療室)に入ります。
奥のベッドに案内されます。
満身創痍の父が目に入ります。
左目上部に大きな傷、口の中も切り傷で血だらけ。管をあちらこちらにつけられています。病状を聞くと、そ頭蓋骨が骨折していて硬膜というところとの間に血がたまって、脳を圧迫しているといいます。まずは急ぐ必要のある脳を処置すると。
さらには、首から下の怪我の度合いは検査しないとどれくらいひどいか分からないといいます。よく、怪我から寝たきりになってしまうという高齢者のケースを聞きますが、そのことが頭をよぎります。
意識のある父と話そうとすると何かつぶやいています。
「あんなに気をつけていたのに。あ~んなに気をつけていたのに。
なんでこうなるんだ。なんで。バイクがぶつかってきた。
悔しい。なんで。」と。涙を流しているのです。
普段から父怪我をしないように、足に毎日30分くらいかけてテーピングをして、運動に出向いていました。それほど気を使っていたと知っている自分としては、言葉が出ません。気の毒な思いでいっぱいになります。
何が励みになるかは分かりません。
普段から父は、この【朝メール】をとても楽しみにしてくれています。まるで自分の事業のようにこの会社の成果と発展を喜んでくれています。12月10日に会社で計画している家族会は皆に会えるととても楽しみにしていました。それも無理になったのかと、物悲しい思いになるのです。
闇雲に鞄の中にあった資料をつかみます。そして最近作成した会社業績の今年度の予測の入ったグラフを目の前に持っていきます。
「いよいよ楽しみになってきたんだからね!このグラフだからね!」
「ああ、わかった。資料、ターコ※に預けておいてくれ。」
(※母の呼び名です。)
そして手術までの時間を待合室で母と妹とで過ごします。
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以下次号。
※ちなみに父は驚異的な回復をしつつあります。このことをディスクローズできるくらい。