iPhone/Androidが圧倒。最新スマートフォン,多機能携帯電話のシェア動向
3月25日,米国モバイル広告配信会社であるAdmobから,2010年2月レポート「Admob Mobile Metrics Report Feb. 2010」が発表された。
まず,Admobの広告配信ネットワーク内での,スマートフォンのOS別トラフィック・シェア(販売台数ではなく,インターネット・トラフィック量のシェア)を見てみよう。
調査対象は全世界。iPhoneOSがモバイル・トラフィックにおいてすでに50%を占めていることかがわかる。またシェア2位のAndroidは24%だが,2009年2月が2%だったことを考えると,この1年でシェア12倍と驚異的な成長でiPhoneを急追している。
参考まで,6ヶ月前,2009年8月のトラフィック・シェアは次の通り。
6ヶ月間の変動を見ると,iPhoneOSが 40% → 50%,Androidが 7% → 24%と大幅にシェアを伸ばした反面,SymbianOSは 34% → 18%,RIM OSは 7% → 4% と大幅にシェアを落としている。トラフィック量から見ると,スマートフォンはiPhone/Androidの二強時代に入ったと言ってよさそうだ。
これらスマートフォンと,Feature Phones(多機能携帯電話),Mobile Internet Devices(iPodTouch,SonyPSP,NintendoDS等)のトラフィック・シェアを見たのがこのグラフだ。
2009年2月と比較すると,この1年間で,スマートフォンは 35% → 48%,Mobile Internet Devicesは 7% → 17% とトラフィック・シェアを伸ばしたのと対照的に,多機能携帯電話のシェアは 58% → 35% と大きく衰退している。ちなみにMobile Internet Devicesの93%はiPodTouchとのことだ。
なお,メーカー別に見たトラフィック・シェアの推移は次の通りだ。
メーカー別のトラフィックシェア・トップは,やはりAppleで40%。さらにNokiaの15%,Samsungの11%,Motorolaの8%,HTCの6%と続いている。
参考まで,3月26日に米国調査会社ニールセンから発表された米国におけるスマートフォンと多機能携帯電話の出荷台数を見てみよう。(これは「米国」,「出荷台数」である点に注意)
2009年Q4時点の実績では,多機能携帯が79%,スマートフォンが21%となっている。ニールセンは,2年後の2011年Q4時点でスマートフォンが逆転し,50%以上となると予想している。
あくまで米国データではあるが,日本においてもiPhoneは絶好調で,Admob調査によると2009年のiPhone伸び率は300%超と世界トップだった。このスマートフォンの世界的潮流が日本にも押し寄せてくると,日本の携帯ビジネス事情にも大きな影響を及ぼす可能性が高い。
右肩上がりで伸びてきた携帯コンテンツ,携帯SNS,携帯コマース等の成長が鈍化し,それに変わってiPhoneなどのスマートフォンが台頭してくるということだ。そしてスマートフォン上のトラフィックはゲームのルールが異なるため,現在の携帯ビジネスで大きな影響力を持つ国内キャリアや大手CP,大手SNSから,AppleやGoogle,Amazon等の世界的プレイヤーにパワーがシフトする可能性を示唆している。
【参考記事】
・ 「携帯・モバイル・タブレット」 カテゴリー記事集
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