5分でわかるモバイル・インターネットの今と未来 ~ 端末編
モルガンスタンレーから12月15日に発表された 「Mobile Internet Report」からの抜粋第二報を。
ちなみに第一報を含む記事はこちら
・ アプリが早くも2万本を超えたAndroid。iPhoneとの多面的な比較分析 (2009/12/16)
■ コンピューティング技術の進化
まず,10年毎のコンピューティング技術サイクルと主要プレイヤーを見てみよう。
2000年からのモバイル・インターネットのトレンドにiモードが掲載されているのは,日本が世界に先駆けて携帯コンテンツビジネスや3G普及を実現しており,先行市場としてモルガン・スタンレーが注目しているからだ。
さて次の図は,この5つの技術の中核をなすデバイスのユーザー数はどのくらいかをチャート化したものだ。
メインフレームから,ミニコンピュータ,スタンドアローンPC,デスクトップ・インターネット,さらにモバイル・インターネットと,デバイス数/ユーザー数の普及規模は1桁ずつアップしているとモルガンスタンレーは見ている。
また特に後半3世代にフォーカスし,各世代の前半と後半でユーザーインターフェースがどのような進化をとげたのかをまとめたのが次のチャートだ。
■ モバイル・インターネットの将来像
現在のモバイル・インターネットの特徴は,単なる携帯にとどまらない端末の多様性にある。
次のチャートは,そのうち,キーとなるプロダクト(Game Changing Products)をピックアップしたものだ。
携帯ゲーム機であるNintendoDS (普及台数113百万台),Wiiリモコンにより新しいゲーム体験を生み出したNintendoWii (56百万台),スマートフォンで圧倒的シェアを持つiPhone/iPodTouch (57百万台),各社のネットブック (39百万台),電子書籍リーダーの先駆け Amazon Kindle (1百万台),そしてVoIPの先駆け SkypePhone (1百万台)だ。
特に重要なのはプラットフォームがオープン化していることだ。
APIやAppStoreがオープン化され,誰でもアプリ開発に参入できるようになったことで,各端末に対応したアプリ数に大きな差がついた。10万本を超えるアプリが現在のiPhone圧勝状況をもたらしたといってよいだろう。
そして,OSまでオープン化したAndroidにより,競争はさらなる新次元に入っていく。
携帯電話だけでなく,タブレット,電子書籍リーダーなど多様なモバイル・インターネットのプラットフォームOSとして,AndroidはiPhoneとは次元の異なる普及を遂げる可能性が高い。
■ モバイル・インターネットの市場規模
先で見たとおり,デスクトップ・インターネットと比較してモバイル・インターネット端末の普及台数は10倍以上になると予想されている。
実際に,デスクトップとモバイルとのトラフィック量の伸びを比較しても,その成長性でモバイルが大きく上回っている。
これにより,モバイル・インターネットの市場規模は,少なくともデスクトップ・インターネットの2倍以上に成長するだろうとモルガン・スタンレーでは予測している。
この最後のグラフは,インターネット・ユーザー(16億人)とモバイル加入者(41億人)の比較表だ。
デスクトップ時代とと比較すると,北米市場のポテンシャルが大きく減少し,アジア市場の存在感が高まることが予測される。
また最も成長するであろうエリアは,アフリカをはじめとするROW (=Rest of World) のようだ。
【関連記事】
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