新旧メディアの投資効率比較 ~ 日本テレビ,読売新聞,Yahoo,Google,mixi,Facebook
1ヶ月ほど前に,「2009年最新データに見る 『テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・PC・携帯』6大メディアの接触時間」というタイトルで,新旧メディアの性年齢別接触時間や,前年比較のブログ記事を書いた。元になっているデータは,博報堂DYメディアパートナーズ社メディア環境研究所の「メディア定点調査」2009版である。
今回はその続き。マクロ視点およびミクロ視点で,これらのメディアを比較してみたい。
基礎資料は,前述の「メディア定点調査」に加え,毎年電通が発表している「日本の広告費」を組み合わせている。
まずは6大メディアの接触時間,広告費,単位時間あたりの広告費につき,2006年から2008年の情報を時系列で比較してみる。
■ 6大メディアのメディア接触時間,広告費,時間あたり広告費の推移
メディア接触時間については 前回ブログ で分析しているので参考にしてほしい。
広告費は,周知の通り,インターネット媒体のみが成長し,4大マスメディアは減少している。
時間あたりの広告費(媒体費プラス制作費)で見ると,紙媒体(新聞,雑誌)が高く,テレビはそれほどでもないのが意外な印象だ。またPCと携帯は接触時間と同様に,単位時間あたりの広告費も増加している点が注目される。
■ 代表的媒体における媒体単価の比較
さてもう一つ,マクロ視点ではなく,個別媒体から見た単価比較をしてみたい。
注1) ... CPM = Click Per Mille (1000回表示あたりの広告費)
CPC = Cost Per Click (1回クリックあたりの広告費)
CTR = Click Though Rate (クリック率)
注2) ... CPC値において黒字はクリック保証型広告を提供。グレーは不提供のため想定値
注3) ... Google社広告のクリック単価とクリック率は,2008年米国業種別広告比較/2009年TechCrunch記事から引用
注4) ... Yahoo / mixi / Facebook の広告単価については,各媒体最新資料から抜粋
注5) ... テレビ,新聞は,媒体の性質や広告コンテンツが全く異なるため,あくまで参考値として掲載
注6) ... 米国広告費(Google Adwords / Facebook US)は,1ドル = 94円として換算
表示単価(CPM)は,単純に1人に届けるための単価だ。テレビ,新聞は広告形態が大きくことなるためあくまで参考値としてほしい。
目につくのはソーシャルメディアの表示単価(CPM)の低さだ。ただし携帯は例外で,mixi内で比較してもPCの6.7倍となっている。
バナー広告で比較すると,Yahooとmixiのトップバナーで,広告サイズはYahooのほうが半分以下にもかかわらず,13倍の格差がある。一方インターネット系のクリック単価を見ると,Yahooバナー広告の割高感とmixi携帯バナー広告の割安感が目立つ。その差は約4倍である。
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