2009年最新データに見る 『テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・PC・携帯』 6大メディアの接触時間
1ヶ月ほど前に,博報堂DYメディアパートナーズ社メディア環境研究所より,恒例の「メディア定点調査」2009版が発表された。
この調査は,2009年2月に実施されたもので,東京・大阪・高知の三地域を対象として「四大メディアおよびインターネットのメディア利用の実態調査」を行なうことを目的に,郵送調査法で15-69才までの2204サンプルをベースに分析を加えたものだ。
サマリーは PDFファイルとして配布されており,こちらからダウンロードできる。
今回は,この調査資料(東京地区を抜粋)をもとにインターネット系メディアを中心に,注目点を考察してみたい。
まずはメディア接触時間の時系列変化について。
このデータは,一日あたり平均メディア接触時間(単位は分)をグラフ化したものだ。テレビはトップの座を維持しているが,ラジオ,新聞の接触時間は減衰傾向が強い。対して最も大幅にアップしたのがPCインターネットで,前回調査から8分ほどプラスさせている。
テレビ増加については「ながら視聴」の影響もあるだろう。総務省の2006年度「生活時間配分」調査によると,テレビ視聴時間は169分となっており当資料とほぼ一致しているが,内訳としては「主行動としてのテレビ視聴」は137分,「同時行動としてのテレビ視聴」は32分と,約20%が「ながら視聴」であるとの調査結果があるので,参考にしてほしい。
■平成18年社会生活基本調査 (このうち調査票B内に記載)
また,この調査の中でも特に興味深いのは,性年齢別のメディア接触時間で,性別や世代によって,メディア接触の差異が際立っている。
このうち,ネット系メディアにフォーカスしてポイントをあげてみよう。
まず顕著なのは携帯からのインターネット接続で,10代女性が圧倒的で98分/日,続いて10代男性が49分/日とあるが,それ以外の世代ではそれほど使用されておらず,全平均は 18分/日に過ぎない。
また10代女性と20代女性の携帯ネット利用に4倍近い差がある点も注目したい。仮説だが,10代で携帯電話中心だった女性も,20代以降はPCとの棲み分けができ,メインのネット端末としてはPCを利用しながら,即時情報は携帯で取得するといったスタイルが定着するのかも知れない。
一方,アクセス数では携帯サイトに押されがちに思われていたPCからのインターネット接続は,全世代でほぼ満遍なく利用されており,接触時間もテレビに次ぐ2位,平均で68分/日の利用となっている。特に20代男性ではテレビを抜き,PCが接触時間でトップとなっていることが注目される。
その他,この一年間の変化を見るために,2008年度版資料と比較した表を作成したので参考にしてほしい。
一番上の表が2009年版,真ん中の表が2008年版,一番下の表は2009年と2008年の差異を抽出したものである。また30分以上の接触は薄い緑ないしピンクで,60分以上の接触は緑ないしピンク,90分以上の接触は濃い緑ないし紫で表している。
20代,30代男性のPC増加,反対に30代,40代,50代男性のテレビ離れが目立っている。また10代女子でPC・携帯ともにインターネット接触時間が増加していることが注目される。
【追記】
Twitterにて,30-50代女性においてこの一年でテレビ接触が大幅に増えている点につきご指摘いただきました。私自身マスメディアは専門分野ではないため,もしこの原因を予想できる方がいらっしゃれば,コメントないしTwitterにてご指摘いただけると幸いです。調査期間は2009年2月6日から2月19日,調査場所は東京です。詳しくは 「メディア環境研究所 2009年度メディア定点調査 東京抜粋版PDF」 をご参照ください。
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