On Vox: 混戦模様の大統領選を語る元FCCのトップたち
今週初めに開催されたNCTA(全米CATV事業者協会)主催のThe Cable Showでは、大統領選挙についてのパネル・セッションもあった。
特に、初日のPresidential Politicsでは、元FCC(連邦通信委員会)の委員長や委員が集まり、それぞれが支持する大統領候補を代弁する形で議論が行われ、実に面白かった。
まず、オバマ候補を支援するのがビル・ケナード元FCC委員長(写真左から2番目)、そしてクリントン議員を応援するのがスーザン・ネス元FCC委員(右から二番目)、最後にマッケイン議員を応援するのがマイケル・パウエル元FCC委員長(写真左)という凄い顔ぶれだ。
興味深いのは、ネット中立性に関する議論に入ったときだ。
ケナード氏とネス氏はどちらも民主党候補なので、ネット中立性には積極的な立場(つまりCATV事業者や電話事業者に対する規制強化の立場)にある。もちろん、聴衆はCATV業界の人々だから、そうした規制強化は認めたくない。
ケナード氏もネス氏もそれまで歯切れが良かったが、急に勢いがなくなり「ネット中立性は非常に重要な問題で、ブロードバンド事業者は公平なアクセスを保証すべきだと思う」といちおう基本論は述べるが・・・・そこはワシントンで切磋琢磨されてきたお二人のこと「とはいえ、この問題は非常に複雑で、ネットワークをうまく維持するために様々な技術が必要なことはわかっている。十分に勉強する必要がある問題だ」と何となく逃げてしまった。
一方、パウエル元委員長は「マッケイン議員は『民間ベースで解決できる問題であり、既存の規制で十分に公平なアクセスは保証できる』と言う立場だ」と一刀両断。全体としては、弁が立つパウエル元委員長が、ほかの二人を圧倒した感じだった。
ちなみに小生、以前日本で開催されたNGNのセミナーで、マイケル・パウエル元委員長と一緒にパネル・ディスカッションをやらしてもらったことがある。そのとき、パウエル氏は打ち合わせのための昼食会で、TiVoファンであること、大統領予備選挙が予想以上に早く動き出したことなどを面白おかしく語りテーブルを盛り上げていたことを思い出した。
パネルが終わって、ちょっと立ち話を彼としたが、そのときの日本の思い出は大変良かったようだ。
小池良次(www.ryojikoike.com)
Originally posted on ryojikoike.vox.com