チームのコミュニケーションは、真っ暗闇でパズルを解くほど難しい
I Will Not Complain(IWNC)・・・大木さんが今いる会社の名前です。もともとは、創業者のイギリスの方が仲間と冒険に出たときのエピソードが由来になっているそうです。
創業者のWさんは、仲間のAさんとともに、砂漠へと冒険に出かけました。旅が佳境に差し掛かると連れのAさんは「疲れた。こんなところだとは思わなかった」とか、「寝床がきれいじゃない」とか「食事がまずい」とかいろんなことに文句を言い始めたのだそうです。その旅の終わりに、創業者Wさんは何を思ったかというと、「よかった、これでコイツから離れられる。」だったそうです。つまり、非建設的な文句ばかり言っていると、一緒にすごす楽しい仲間にはなりえず、早く離れたい仲間(?)と化してしまうのです。悲しいですね。
創業者のWさんは、チームビルディング、組織マネジメントのコンサルティングビジネスを起業するときに、このときのエピソードから編み出したフレーズを社名にしたのだそうです。創業当時は社名そのままの「I Will Not Complain」。電話をかけて自己紹介するたびに、「こんにちは。"わたしは文句を言いません。”」と名乗っていてなかなか意味が通じなかったこともあるそうです。w
今回は、この大木さんがオルタナティブブロガーズミーティングで講師を務めてくださいました。
てっきりいつもの座学かと思いきや、今回は上記のような自己紹介が終わるやいなや「さぁ、みんな立ってください。」の合図とともに、雰囲気は一変。二つのチームに分かれて、目隠しをする人を決め、ちょっとしたゲームの開始です。目隠しをした人たちは、中央から輪ゴムに結ばれて放射状に伸びる紐の端っこを持たされます。そして、目隠しをしていない人は、リーダーとなり、しゃべる、歩く以外の行為が禁止されたまま、口頭の指示だけで、あるパズルの完成を求められるのです。そのパズルの形状や方法などは目隠し側には一切知らされていません。すべては、リーダーの誘導のみで行うのです。
今回私はリーダー役を務めさせていただきました。皆が目隠しをした後に知らされた課題は、「お椀の上に、空き缶と、お手玉を縦に乗せること」でした。手でやれば、見えていればどうということのない作業ですが、目隠し隊とリーダーに分かれ、すべてをやっていただくのはかなり難しそうです。
さて、結論をいえば、できたわけですが、本当に難しかった。難しかったので、私なりに気をつけたポイントを、せっかくなので書いてみます。
1) 目的を明確にする
2) ブリーフィングを行い、情景イメージを促す
3) できるだけ具体的に話す
4) たとえ話を用いる
5) あきらめない
周囲には何があって、何をしたらどうなるか、どんなイメージで動けばいいのかなど、瞬時の判断ばかりでしたので、間違いや足りないところもたくさんあったでしょうけど、とにかくやってみました。そして、とにかくあきらめないことが重要であることを学びました。パズルが傾いてばらばらになりそうだったときに、正直心が折れそうになりましたが、チームの皆さんが、真剣に私の話を聞こうとして下さっているのをみて、なんとか持ち直したのです。
目隠しをした社長ブロガーやエンジニアブロガーが立場を超えて協力してくれたのは「この局面、頼れるのは私しかいない」という事実にほかなりません。チームが困難に直面したときに、リーダーはどのように振る舞い、行動を起こして目的を達成すべきでしょうか。その重要なアクションとは;
全体を把握して
徹底的にコミュニケーションする
これに尽きます。
リーダーには、情報を集めて、全体を把握するという力が不可欠であることを学びました。断片的な理解は力の不均衡を生み、チームワークができないからです。
徹底してコミュニケーションを行うことは不可欠です。私がチームメイトに次のアクションをお願いするときには、必ず、全員のお名前を呼び、個々のアクションを確認していました。これをすることで、私が俯瞰して把握した現状を結果に結びつけるためのアクションにすることができると考えたからです。
大小にかかわらず、成功とは、ポジティブな要因が積み重なって得られるものだと思います。そして、その成功の確率を少しでも上げることのできる王道があるとしたら、ちょっと面白いですよね。今回は、大木さんとそのチームの皆さんから、そのヒントを学んだ気がしてなりません。
ありがとうございました。