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AWS EC2 Dedicated Host と Dedicated Instance

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AWSが昨日発表したAWS EC2 Dedicated Host。あれ、以前からあったのでは? と調べてみたら、Dedicated Instance (Amazon EC2 ハードウェア専有インスタンス)とは別物であったので、簡単にまとめておく。

< Dedicated Instance と Dedicated Host の違い >

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出典:ココココをもとに作成

AWSは今回発表した Dedicated Host について、オンプレミスからクラウドに移行する際のソフトウェアライセンスの問題を解決できることが利点であると強調している。 Oracle Database や WIndows Server / SQL Server などの物理コアや物理サーバーのCPUソケット数をライセンス料金のベースにしているソフトウェアを利用している場合、物理サーバーや物理コアが固定されていない従来のパブリッククラウドへ移行する際に既に所有しているライセンスを持ち込めないという問題があった。 Dedicated Host は、物理ホスト(物理サーバー)を固定することが可能であり、コアやホストIDの情報を参照することができるため、物理コアやCPUソケット数をライセンス料金のベースにしているソフトウェアについても問題なく持ち込むことができるため、オンプレミスからクラウドへの移行がしやすくなるという。

Dedicated Host と Dedicated Instance のライセンス体系の違いは、Dedicated Host が物理ホスト単位の課金であるのに対して、Dedicated Instance は、物理ホスト料金に相当する「リージョン専用の料金」(※1) と起動したインスタンス毎の料金の合計金額の課金である。

ざっくり試算してみたところ、例えば x2large を4インスタンスを継続して利用した場合の月額費用は、Dedicated Instance の 3,036ドルに対して、Dedicated Host は1686ドルであり、Dedicated Host のほうが安くすみそうである。 (AWS利用料金の計算は初めてなので、誤りがあれば是非ご指摘おねがいします!)

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オンプレミス、プライベートクラウド、ベアメタル、様々なパブリッククラウドがそれぞれ進化することで、ユーザーの選択肢はますます多様化してきており、要件毎の最適な選択と組み合わせの幅が広がり続けている。 この辺りは、情報システム部門やクラウドインテグレーターの腕の見せ所といったところだろう。

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