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デザイン思考で "感動の苺" を創る

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最近、ビジネスフィールドでもたびたび耳にするようになったデザイン思考。 

2005年にスタンフォード大学にd.schoolが開設されており、日本でも慶応大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)においてデザイン思考とシステム思考、そしてマネジメント手法を取り入れた研究が行われておりビジネスマン学生も多数在籍している。 また、早稲田大学でも文部科学省のグローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)によるデザイン思考による協創型イノベーションの講座が多数開講されている。

このデザイン思考、米国シリコンバレーのスタートアップ企業や日本のワンマン創業社長のような 「ひとりの強力なリーダー」 によってイノベーションを起こすビジネスを牽引する場合には不要なのだろう。 おそらくはそのリーダーの頭の中で同様の思考が行われているのではないだろうか。 しかし、大企業や日本型の協調を重んじる組織・文化において、新規事業の検討、イノベーティブなプランを検討する際に、何名か集まって、イノベーティブな、尖ったアイディア出し、ビジネスプランニングをする際には、デザイン思考の手法が有効と考えている。 そんなこともあり、僕のところでもデザイン思考を取り入れようと、昨年も慶應SDMの Open KiDS (Keio innovative Design Schoolの公開ワークショップ) や早稲田大学で行われた米国Stanford大学のForesight and Innovation Workshopなどに参加し勉強させていただいている。

今年も、慶應の Open KiDS で「"感動"をシステム×デザインする」という公開講座が先週末行われたので早速参加させていただいた。 トヨタの関連会社にお勤めの社会人でありながら慶應SDMにて博士課程に在席している西尾未希氏。 彼女の研究テーマは「感動」だそうで、慶應SDMのTOPである前野隆司教授によれば西尾氏は世界で初めて「感動」の研究でドクターとなることになる予定とのことだ。 今回の講座はワークショップ形式で行われ、西尾氏の研究成果であるフレームワークを活用して感動を創出するという課題に取り組んだ。

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見ず知らずの初めて会う。年齢や性別、バックグラウンドが異なる受講者がランダムに3-4名のグループとなり、感動創出に取り組むこととなった。 僕らのグループのメンバーでは、最近感動したこと、最近の欲求を出し合いそれを吟味した結果、「苺」をテーマとすることにした。

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まずは、苺に対する欲求をブレストで数多くポストイットに書き出し、欲求の2x2マトリックスを用いて欲求を整理してみる。

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これを別のマトリックス(顕在欲求、潜在欲求、充足されているか、不足かの四象限)に再整理する。 イノベーションのシーズは、潜在欲求かつ不足の象限に配置された欲求にありそうである。

(続く)

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