ニッポンIT企業は「宮大工品質」で戦え!
日本のIT業界は海外勢、グローバル企業とどう戦うべきか?
昨日の八子クラウドでアプレッソ社長(セゾン情報に売却後、セゾン情報のCTOに就任)の小野和俊さんとのQ&Aが面白かった。
僕の質問は、グローバル競争下で日本のIT企業は何をすべきか? というものであった。
それに対する小野さんの回答に僕の解釈、補足を加えた超訳回答は以下の通り。
日本の企業は何故か、成功しているグローバル企業と自社を同じ尺度で比較し、我社はあれがダメだ、これがダメだ、と卑下してしまう。 派手に美しくマーケティングを行い成功している欧米企業と同じことを、奥ゆかしい日本文化の企業が真似しても意味がないし、互角に戦えないだろう。同じフィールドで戦うことに無理があるし、そんな努力は意味がない。
Zendeskというシリコンバレーのスタートアップがある。クラウドベースでカスタマーサポート(ヘルプデスク)ツールを提供するベンチャー企業である。 この会社、今はサンフランシスコ市内に本社を構えているが、元々はデンマーク発の会社である。デンマークの首都コペンハーゲンで2007年に3名で始めた事業が今では、3万社の顧客を抱える企業に成長した企業である。
(僕も今夏にZendeskのオフィスに訪問している。)
このZendeskのプレゼンテーションは非常にユニークだと言う。
製品・サービスの話題ではなく、まずはデンマークのハナシから始まる。 自然豊かで美しい文化のデンマーク。 そんなデンマークでカスタマーサポートの夢のシステムを創り上げた創業者のハナシ。 製品・サービスの話題になるころには、デンマークの素晴らしさが十二分にインプットされ、創業者の話に引き込まれてしまっている。そんな状態で製品・サービスの説明を聞くわけである。ファンになってしまう。
日本の優位性は「品質」である。馬鹿馬鹿しいくらいに品質が高い「過剰品質」である。 芸術的とも言えるほどの「品質」である。 日本のIT企業は欧米企業と同じ土俵ではなく、この「日本品質」で戦うのが良いのではないだろうか?
例えば「宮大工」。宮大工の技、宮大工の仕事、宮大工の品質を訴求する。これが「日本品質」の本質であると。 そんな宮大工品質、日本品質が生んだソフトウェア、クラウドサービスとして、ニッポンのITをグローバルに展開するのも一案ではないだろうか?