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アンゴラ滞在記 #2

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日本企業の海外進出IT支援のために出張しているアフリカ・アンゴラ滞在記 その2 です。

アンゴラについて、もう少しおさらいをしておきましょう。

<歴史>
1574年にポルトガルの植民地となって以降、アンゴラは同じくポルトガル植民地であったブラジルへの奴隷供給基地となった暗い過去を持つ。
1961年に独立戦争が起こり紆余曲折の末、1975年にようやくアンゴラの独立が確定した。
しかしながら、独立後は西側と東側の代理戦争の舞台となり、内戦が激化。以降なんと2002年までの長期間内戦状態が続いた。
独立戦争勃発から合計41年間、戦争状態にあったアンゴラは疲弊しきった状態であった。

<産業>
現在のアンゴラのGDPの85%は、石油関連事業から生み出されている。
アフリカでも有数の産油国であり、またダイアモンドや金、銅等の鉱物も豊富であり、掘って輸出すれば儲かる構図のようである。
一方で、戦争・内戦の傷跡は深く、特にアンゴラ国内に埋設された地雷の数は推定800万個とも言われている。 これらが、農業等第一次産業復興の障害となっており、食料および生活必需品の多くを海外からの輸入に頼らざるをえない構造の原因となっている。
また、産出される石油の大半が北部の飛地であるガビンダ州からであることは、アンゴラの大きな地勢学的リスクと言える。

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<経済>
豊富な石油、ダイアモンド、金などによって、貿易黒字は30億ドル以上。
2004年から2008年までの実質GDP成長率は2ケタ成長、最高20%弱となったが、2009年はマイナス成長、2010年にプラスに回復している。
しかしながら、石油資源による潜在的成長性は極めて高い国と言えるだろう。

経済を仕切っているのは政府が保有する石油会社であるソナンゴール社(Sonangol Group)。彼らは、銀行や不動産などあらゆる業界のリーディング企業を保有している模様で、実体としては政府が経済全体を仕切っている構図となっている。 それ故、一般市民からの批判や不満も少なくない様である。

通貨単位は、クワンザ。 ほぼ米ドルと連動しており、市中でも100クワンザ=1ドルと計算され、路上も含めて多くの場所でクワンザと米ドルの両方が使える。 何故かユーロは流通していない模様。
なお、アンゴラ国内で両替が可能な通貨は米ドルとユーロに限られているので、渡航前に米ドルに両替しておく必要がある。また、多くの商店は未だクレジットカードが使えないので、滞在中に必要なお金は現金で持っておいたほうが無難である。

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物価は非常に高く、世界一物価の高い国と言われている。 綺麗なレストランでは昼食で30ドル、夕食では最低50ドル。 ローカルが食べるような看板も出していないような簡素な店のローカルフードでも、昼食が少なくとも10ドル以上する。 庶民の給与レベルから考えると、食料や生活必需品の物価は異常なほど高い。 一方で、ガソリンは非常に安く、レギュラーガソリンが1リッター60クワンザ(=50円)、軽油は40クワンザ(=32円)である。

下のような超ローカルな店で

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下の料理が、ランチタイムで1100クワンザ=1000円!! 吉野家の牛丼や幸楽苑の中華そばが恋しい。

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