コンピュータに命令され、仕事をする人間
3月3日から6日までビッグサイトで開催されていたリテールテック2009、
小売業向けの様々なソリューションを各社が展示・紹介する最大規模の
イベントで、最新式のPOSレジやデジタルサイネージ、RFID、ICカード等
が多く見られた。
しかし、それらの店舗周りやソフトウェアとはちょっと違った『すごいモノ』
を発見した。
それは、『コンピュータに指示、命令されて、仕事をする人間』
頭にスピーカーとマイクが付いたヘッドセットを装着、
指には小型バーコードリーダーを装着された人間。
ヘッドセットからは、コンピュータが音声で人間に命令する。
倉庫の棚の番号や商品番号、数量などが指示され、
人間は、『はい』、聞き逃した時には、『もう一度』などと
コンピュータの『命令』に反応しなくてはいけない。
コンピュータの音声指示によって、”機械”では難しい柔軟な作業である
仕訳作業、すなわち棚に補完されている様々な段ボール箱から様々な
大きさ、形状の商品を取り出し、別の箱に詰めていく作業を人間が分担
する仕組みである。
詰め替え終わった後には、箱を配送待機場所まで運ぶ様に
『コンピュータから指示』され、
そこでまた『コンピュータから検品の指示』を受ける。
何もかも、コンピュータからの指示で人間が動き、働く。
この仕組み、米Vocollect社の製品で、 既に実用化されている。
アメリカを中心に世界各国の物流センターで既に稼動し、大きな生産性向上を
果たしているそうだ。
人間が指示書/伝票を未ながら作業するのと比べると、30%程度の効率アップ
(=作業時間短縮)が図れ、さらにミスも低減できるそうだ。
しかし、コンピュータからの合成音声に対して、人間が『はい』 と答えて、
作業を進めているデモを見ていると複雑な気持ちになった。
この先、 人間はコンピュータのIO機器(入出力機器)のひとつとなってしまう
のだろうか。