セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

海外投資ー意識をどう共通化するか?

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昨日は、アフリカ開発会議の関係で、COMESAという東部アフリカ、南部アフリカの諸国19カ国の共同体のメンバーと日本企業のトップの協力関係樹立のための会議に司会として参加した。

安部首相や甘利大臣を始め政界からも重鎮が参加され、相応の議論が出来たと感じている。ただ、やはり気になるのは彼我の意識の差だ。

現在わが国は成長戦略の一環として、例えば原子炉とか高速鉄道のような先進巨大プロジェクトを途上国に政府を挙げて売り込もうとしている。アベノミクスの中で、このような分野が注目を浴び、ちょうどBRICS、特に中国の成長の劣化と尖閣問題を発端とする両国関係の先行きへの不安が、これからの高成長地域であるアフリカに対する期待と相俟って、注目を浴びているものと思われる。

このような意識が、政府関係者や企業トップの発言の中に見え隠れするところが不安の要素だ。というのは、一方でアフリカ諸国は、これまでの日本の国際協力について、そのレベルからしてあまり評価しておらず、加えて中国の巨額な昨今の投資との比較において、日本を本格的パートナーと見る立場に達していないのだ。

つまり、日本は確かに協力してきたが、やはり日本のメインのターゲットはアジアであり、アフリカは遠い地域と思われているのではないか、という意識がアフリカの諸国にはあるのではと考えるのだ。一方で多額の投資はしてくれたが、資源確保という牙をむき出しにしている中国を手放しで評価しているわけでもない。では、日本の真意はどこなのか?というのがポイントだ。

一方で、やはり無償の協力に対する期待が強くあるのも事実。更に企業の進出や投資については、彼らは政府も、予算も、体制も整ってきているので、信頼して欲しいというスタンスであり、片や日本の企業は、そのあたりの保証(金銭的な意味では必ずしもないが)がないと難しいという、ある意味で定式的な対応となっているような気がする。

このあたりを、よりお互いに信頼し合える形に持っていく必要があるし、そのためには日本側も細かいことを言わずに思い切って決断すべき点が出てくると考える。もちろんアフリカは将来の巨大なマーケットだが、そのことだけに思いを致した、売上や収益だけを表に掲げた進出は危険だと思う。

それぞれの地域の人々に雇用を提供し、様々な地域インフラの整備に協力し、それぞれの地域社会の発展、生活の安定的な向上に寄与し、そして最終的にはそれぞれの地域が自ら自分たちの文化や風習にふさわしい成長への絵を描き、進んでいけるような形になっていくこと、これにどう日本の産業や日本という国が自分たちの持っている資源を使って貢献できるか、が我々に課せられた課題だ。

その意味で、まだまだ様々な試み、対話による相互の理解の更なる深化が不可欠だと改めて感じた昨日の会議だった。

最後に、全く異なる話を一つ。慰安婦発言で橋下市長の訪米が中止になったとのこと。気になるのは、出張手配のキャンセル料。報道によれば100万程度かかるとのこと。もちろん、当初は公務で予定していたのだから市の予算だろう。だが、それを公務かどうか分からない個人的発言によってぶっ潰したと考えれば、このキャンセル料を公費で負担して良いのか、という問題になる。もちろんそもそもキャンセルの理由をうまくほかの理由で説明すれば、こんな議論は起きないが、ちょっと気になっている。

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渡辺 一男

先週、パソフィコ横浜で開催されました「AFRICAN FAIR 2013」を見学しました。アフリカの49ヶ国のブースを見て廻りました。

展示内容は、各国共通で「自然の紹介」、「一次産品」、「二次産品(衣料品・工芸品・加工食品等)」が殆んどでありました。軽工業品は全く見られませんでした。 そこで考えたことは、

アフリカの発展には「軽工業を発展させること」が重要な鍵であります。そのためには、①自然エネルギー電力(燃料のいらない)、②物流輸送手段(道路・港湾・鉄道)、③通信手段(ケイタイ)④管理手段(官僚システム)⑤飲み水(衛生面の強化)、⑥食料生産、⑦教育(学問・生産技術)が必要です。

これらの支援は権力者にではなく、一般民衆に益となるものであります。政府の支援も多岐に亘りますが、地道な支援が必要だと思いました。

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