オルタナティブ・ブログ > 塞翁が厩火事 >

ITが無いと生きていけないのに、アナログな日々

SK-II メンの国内限定販売は、マーケティング戦略なのか?

»

528654_4742013347771_255303658_n.jpg普段、スキンケアにそれほど気を使っているわけではないのですが、海外旅行の際には、SK-IIメンをお土産としてよく購入します。それは、日本で売っていないからという希少価値にそそられてなのです。シンガポールや香港のデパートの売り場で、「これ、日本で売ってないんですよね」と店員さんに言うと、必ずびっくりされます。それもそのはず、パッケージも中身の瓶にも日本語が書かれていますし、製造販売はP&Gマックスファクターですけれど、日本酒を仕込む杜氏の手の白い美しさをヒントに酵母や発酵の研究に目を向け、またその開発に日本人が中心にかかわり、日本で製造されているのですから。もちろん、女性用のSK-IIは、日本のデパートはじめ多くの小売店で目にすることができます。しかし、男性用のSK-IIメンは、海外でしか購入できません。

そんな中、昨年の秋から国内でも販売開始、とのニュースがありました。しかし、販売する場所は、空港の国際線ターミナルの免税店。国内と言っても出国手続きをしないと入れない場所。結局、海外旅行に行かないと手に入りません。

SK-IIメンは、2011年にまずは韓国で発売されました。市場調査会社ユーロモニターの調査によると男性1人あたりのスキンケア商品の消費規模は韓国がもっとも高く、2位のデンマークの3倍だそうです。(6位の日本の5倍)なるほど、韓国で最初に発売されるのは頷けます。男性スキンケアの市場規模では、最近中国に抜かれたようですけど、人口比を考えれば、やはり韓国の美容にかける金額は圧倒的です。その後も、シンガポール、香港、台湾などで次々に発売されるも一向に日本国内では発売されません。何故なのだろうと、自分なりに考えてみました。

まずは、販路。女性の化粧品売り場は、デパートや小売店の最もいい場所にありますが、男性用の売り場は少ないです。東京や大阪には、百貨店のメンズ館 がありますが、女性の専用売り場に比べたら遥かに小さいです。シンガポールや香港では、女性用の化粧品ブースに男性用も置いてありますが、女性の買い物の付き合いか、よほどそれを来店目的にしないと普段はあまり立ち寄らないですよねえ?
最近は、Amazonで並行輸入した製品が購入できますが、男性 が立ち寄る場所に適当な売り場が確保できないというのもあるんではないでしょうか。おしゃれに気を使う男性は、気にせず立ち寄れるのでしょうが、一人で女性用の化粧品売り場に行くのは、ちょっと躊躇してしまう自分がいます。

そして、化粧品会社であれば、テストマーケティングは完璧にやっているはずです。結果が芳しくなく、国内販売に踏み切れないのではないでしょうか。スキンケア商品にかける金額の平均は、日本人女性は平均13,000円、男性は平均3,000円だそうです。SK-IIは、化粧水だけでも1万円以上します。ドラッグストアやコンビ二などで安価な化粧品も手に入る昨今、日本人男性でそこまでスキンケアにお金をかける人は多くはないのではと推察されます。企業側から見ても小さいマーケット規模にそうそう宣伝広告費をかけられないでしょう。

そこで目を付けたのが、海外に行くちょっとお金に余裕がある層。そして、私みたいに海外に行ったら、日本で売ってないものを欲しがる輩。「日本で買えないよー、限定だよー」の声に負けてしまう一派です。(笑) 

そして、この冬、そこを狙い撃ちされました。国内でも出国することなく、普通にお店で購入できるSK-IIメンが限定モデルで発売されました。クリスマスにあわせた限定デザインのボトルです。そして、購入するともれなく限定ポーチが付いてきます。限定の紙袋も用意されています。贈り物用に限定のメッセージカードもあります。期間限定、数量限定です。

というわけで、女性のお客さんがいない時を見計らって、銀座のデパートの化粧品売り場に潜入です。限定商品を購入しました。

写真.JPG

せっかくなので、いろいろ質問してみましたよ。
「これは、限定なんですよね?」
「はい、そうです。」
「これを機会にこれからは、通常商品も発売になるんでしょうか?」
「今のところその予定は聞いておりません。」
「今日買った限定商品を使い切ってしまったら、女性用のSK-IIを代用してもいいんですか?」
「男性と女性のお肌は違いますので、男性用をお勧めします。」
「女性用と男性用の違いってなんですか?」
「男性用には、べたつきや脂っぽさを抑える清涼成分が入っています。SK-IIの香りを気になさる方もいらっしゃるので、男性向けの香りにもなっています。」
「なるほど。では、なくなったらまた海外に行った時に買わないといけないですね。」
「来年の2月にまた別の限定モデルの発売が予定されておりますよ。」

ご案内をeメールやDMでお知らせしますとのことで、SK-IIお客様カードを登録して帰ってきました。もしかして、完全にマーケティング戦略にやられています?

Comment(2)