うつ病などの精神疾患に関して、世間ではまだまだ誤解が多く、また知られていないことが沢山あるように思います。そのことがうつの方を増やしている1つの原因になっているとも言えます。誰でも精神を患う可能性はあり、それは自殺にも至る恐い病気です。1人でも多くの方に理解して頂けるよう、医療・福祉・企業側のバランスよい視点を心がけて執筆していきます。

「うつ病からの再就職」

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こんにちは、リヴァの伊藤です。

今週月曜日よりNHKの取材を受けております。
うつ病からの再就職の現実を当事者にスポットを当てて伝えようとするもの。
今週土曜日(6/23)朝7時30分~8時のおはよう日本@首都圏で放映予定です。
ご興味ある方は、是非ご覧ください。

http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/ohayo20120623a.html


NHK取材光景(縮小).jpg

取材クルーの方々。とても丁寧な対応をして頂きました。


うつ病は誰でもなりえる病気です。
わたしは大丈夫と思っていた人でも様々なことが重なったり、環境が大きく変わることで発症する可能性はあります。

にも関わらず、一度うつ病になってしまうとそこから復帰するのは大変です。
離職してブランクがある場合は特に難しくなります。

 

なぜうつ病からの再就職が難しいのか?

企業側と求職者側からそれぞれ考えてみたいと思います。

■企業側
休職者の数、精神疾患の労災件数が右肩上がりであることも示すように、企業は体調不良者や休職者の対応で苦労されている場合が増えております。ですから何とか採用段階で見分けることが出来ないか目を光らせていると思います。

書類選考時にうつ病であることが開示されている場合は通しにくいのはもちろんのこと、面接時において表情が暗かったり、手が震えていたり、目がうつろだったり明らかに体調が悪いのかなと思う場合も難しいです。
本人が隠しても企業側としては、様々なリスクを考えてしまいます。また離職している期間に長いブランクがあったり、転職を何度もされている場合も、もしかしてうつ病だったことを隠しているのかな等を推測してしまうものです。

仮にうつ病であることを伏せた方を採用した場合、
その方の職場環境を配慮することは困難ですし、採用してもすぐ休職してしまう
または辞めてしまうというのは、困るわけです。


だからこそ余計に少しでも疑念がある場合は、採用しにくいという事情があるかと思います。


■求職者側
各人によって状況は異なりますし一概には言えませんが、弊社のうつ病からの再就職支援施設での支援を通じて、大きな要因を3つに絞ってみました。

1)そもそもまだ回復しきれていない
企業側でのお伝えしたように、就職活動するにはまだ早すぎる場合があります。
お金の面で焦るのも分かりますし、働きながら感覚が戻り、回復に向かうこともあるかと思います。
しかしながら例えば、弊社の施設に週5日の通所がなかなか安定しないまま就職がうまく通ったとしても、慣れない環境でストレスがかかって、場合によっては残業まである環境で就労を継続することは、かなりハードルが高いことだと思います。


まずは仕事をするのに適切な時間に毎朝起きられるかどうか、適切な睡眠時間を確保出来ているか、日中の活動量は増やせているか、

上記のことが安定しているようでしたら、
週3日位のバイトやNPOやNGOやボランティアなどで徐々にストレスをかけていけるといいかもしれません。
またそれらの活動や体調の変化の記録をつけておき、それをもとに医師に相談しながら
就職活動が進められるのが良いかと思います。

 

2)離職期間が長い、転職回数が多い
うつ病が長引いてしまった場合や再発をくり返してしまっている場合、ブランク期間が長くなったり、転職回数が多くなってしまいます。
すると書類選考が通りにくくなりますし、面接で質問された際に納得させられる回答が必要となってきます。

まずはハローワークの相談員や人材紹介会社のキャリアコンサルタント等に相談してみて、それをもとに例えば、面接での想定質問等をもとにご家族の方などにご協力頂き、面接のトレーニングを積むのもひとつのやり方です。その状況をビデオ撮影して、ご自身で見返してみると沢山の気付きが得られると思います。

 

3)30代~50代の方も多く内定がそもそも難しい
弊社で再就職を目指されている方には、前職ではバリバリ働いていた方も多くおります。結婚され、お子さんがいらっしゃる方もおります。そのため待遇面でも大きく下げることは難しいケースがあります。

またこれまでの経験、スキルを活かそうとするとハードワークになる可能性もあり、体調面で難しいケースも多いです。

でも、逆にハードルを下げようとするとオーバースペックや年齢などで難しいという現実にぶつかります。

とても難しい課題です。。


でも大切なことは、長期的な視点を持てるかどうかではないかと思っております。自分が今後の人生において何を大切にし、どうありたいのかそれを一度整理してみて、どこを妥協し優先するのか。
そのことを一度整理してみてはどうでしょうか。
次の就職が必ずしも終着点である必要もないと思います。第1ステップとして就職を考えてみてはどうでしょうか。

自分がどうありたいのかを明確にし、それを粘り強く外部に発信していくことで出会いやチャンスがくるかもしれません。

どうしても目の前の生活があると、視野が狭くなってしまいますが、短期視点ばかりにとらわれると更に状況が悪化する可能性もあります。お金の問題でしたら、各自治体の福祉課や障害者就業・生活支援センター等に相談してみてもいいかもしれません。


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うつからの再就職の場合、うつ病であることを伏せて就職活動をしている方は多いと思われます。

でも仮に、伏せたまま入社が出来たとしても環境の配慮がなく、入社直後から残業ということもあります。
これまでうつ病でブランクがある場合などですと、週5日勤務だけでも大変なのに、残業や最初からストレスのかかる仕事であった場合、誰にも相談出来ない状況だと就労継続が難しくなってしまうケースも考えられます。

大切なことは、就職ではなく就労継続です。

まだまだ現実的には伏せて就職活動をせざるえないことが多いわけですから、就労継続のための準備をしっかりとする必要があります。

弊社利用者の事例ですが、うつ病になってみて、自分を見つめ直しそこから多くのことに気付き、それをうまく自己PRにつなげて、うつ病だったことを開示して内定をとった方がおります。

もちろん必ずしもすべて企業に当てはまるわけではありませんが、うつ病になったことで気付いたことをうまく自己PRにつなげていけて、
それを企業が受け入れていくような社会にしていけたら今よりもっと生きやすい世の中になるはず。

ご本人もうつ病を再発させないようなトレーニングを離職中だけでなく就労後も積んで職場定着の努力をする。


本人も企業、そして社会もうつ病、うつ病からの復帰について
もっと理解が進むよう今後も出来ることをやっていきたいと思います。


長くなってしまいました。
最後までお読み頂きありがとうございます。

(※)HPリニューアルしました。(うつ病からの再就職支援施設ハビトゥスのご紹介

Comment(3)

コメント

そら

はじめまして。

今朝のNHKの放送を拝見しました。
放送を拝見し、大変共感をし
コメントしています。

自分自身がうつ病を発症し
再就職を経験してきた中で
自分らしさを取り戻してゆく
原動力となった考え、
将来の夢として考えていることが
実際に形となり
人が集まって動いていることが
とても嬉しく興奮冷めやらぬ状態です。

私は約4年前「抑うつ状態」と診断を受け
今も治療を続けています。
2年前に再就職をし
現在は順調に自分らしい生活を送っています。

再就職をするまでの過程は
家族、友人に支えられ
医師、産業カウンセラー、臨床心理士
地方自治体の職員など
多くの人との出会いを通じて
寝たきりの期間
生活リズムを整える期間
外に出る期間、などを経て
再就職活動、現在に至っています。

その中でこんな場所、人がいたらいいな
・・・というより
離職した人の場合、「何もない」
と実感していました。
だったらいつか作りたい。
そう思っていました。
それが原動力になったということは
なかなか理解されませんが
自分はそういう人間なんだと
それでよいと言ってくれた人に
感謝しています。

今は会計事務所で働きながら
自分らしい生活を過ごし
基盤を作っている状況です。

将来この先の夢は
人が自然体で自分らしい笑顔になっていく
そういう場にともにいられる
そんな仕事をしてゆきたいと
思っています。

とても心強く
嬉しい放送でした。

ありがとうございました。

そら

そらさん。コメントありがとうございます。
NHKの番組もご覧頂けたようでうれしく思います。

ご自身もうつ状態から回復されているのですね。
そして今は自分らしい生活をされているとのこと、素晴らしいですね。
そらさんのように、うつから回復をされ元気に活躍されている方が増えていくことが、
社会のうつに対しての認識を変えていけることだと信じております。

引き続き頑張りたいと思います。

伊藤

ニシヤマ

私もうつ病で2年近い無職を経て職場復帰して6年になります。馬鹿げた社会ですがうつ病で入院していたと履歴書に書くとそれだけでバツです。骨を折って入院したのとどう違うのだろうと思ったりします。昨年ですがリヴァに採用の登録をしました。採用に空きがあればということでお願いしましたが。。
私のうつ病体験と復職の経験がお役に立てれば嬉しいです。

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