ICPF(情報通信政策フォーラム)の第4回セミナー「デジタル・コンテンツ利用促進のための法制度について」に行ってきました。西村あさひ法律事務所の岩倉正和先生が主にネット法について、そして、中山信弘先生がフェアユースについて話されるという構成です。
ここでサマリーを書こうかと思いましたが、津田大介さんがTwitter上でかなりの再現度で実況をされていますので、ご興味ある方は津田さんのタイムラインを参照ください。
私の質問に関する部分だけちょっと補足しておきます。津田さんのタイムラインだと、
栗原「昔から心変わりした理由は?」
中山「心変わりではなく、情勢を見る目が変わった。学者の頃はベンチャービジネスへの認識が甘かった。今情勢を見るとネットの最先端を見れば、法的リスクよりも時間を選ぶ人がいるということがわかった」
となってますが、「昔から心変わりした」というのは中山先生の教科書『著作権法』では「フェアユースは日本の現行制度にそぐわないので、法律の迅速な改定で解決した方がよい」というような書き方をしてあったのに、今はフェアユース強力推進派なのはなぜですかという意味です。また、中山先生の回答では、上記のポイント以外に教科書では世の中の一般的認識を書かざるを得ないが、今は自分のポジションをかなり出せる立場になったという点もあるとおっしゃっていました。ちょっと失礼な質問ではと思いましたが、快くお答えいただき大変うれしかったです。
また、岩倉先生からは、ネット法について、ネット権者には公正許諾義務があり勝手な裁量で他者の使用を禁止したり、法外なライセンス料を請求したりすることがないよう担保する点、また、ネット権者はテレビ局等の既存権利者に限定されるものではないこと等の説明がありました。私も以前のエントリーでこの辺の懸念を表明しましたし、他にもネット世論では同様の意見が多かったと思いましたが、この辺はネット法提案者側の説明不足ということであったようです。
ということで、フェアユース、ネット法共にこれからもウオッチしていきたいと思います。
Special
- PR -| ゆきち | 2008/10/08 13:33 |
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以前もここで言ったかもしれませんが、やっぱり、フェア・ユースの議論で、ウィキペディアみたいなユーザーベースのシステムに付いては出てこなかったのですね。それだけは残念です。「良いか悪いか」を議論する前に、フェア・ユースが実際に利用されている例を見るだけで、全然違ったと思うんですけどね。 法律が変わってもすぐにはベンチャービジネスは動かないでしょうけど、ウィキやブログみたいなシステムは、あっと言う間に動きます。日本でフェア・ユースが試行された次の日から、日本語版ウィキペディアにゲームやアニメの画像がわんさかアップロードされる事でしょう(現在の日本語版ウィキペディアは日本法準拠のため、フェア・ユースを許容していません)。英語版ウィキペディアは、山のようにそうした画像がアップロードされており、それを使いたくて仕方ない人が沢山います。そうした現実に関する議論は無かったのは、当事者(?)として、この議論は少し残念でした。 | |
| 栗原潔 | 2008/10/08 13:42 |
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WIkipediaの話は出ませんでしたが、「たとえば、YouTubeで卒業式で合唱している動画を公開するとは当然フェアユースに入るだろう」というようなことはおっしゃっていました。中山先生はクリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事でもありますので、そのあたりの事情はよくご存じでしょう。 | |
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