ヨーロッパなんかでバスや電車に乗ると改札も検札もないことがよくあります。もちろん、これはただ乗りを許容するということではありません。たまにチェックが入ってただ乗りが見つかると巨額(どの程度巨額かは知りませんが)の罰金を取られてしまいます。
こういう仕組みによって改札の設備費や人件費を削減できますし(結果、運賃も安くできる)、全員の切符のチェックをするために乗降に時間がかかるということもありません。もちろん、一か八かでただ乗りしてしまう人はゼロではないでしょう(自分も、最初にフランスに行ったときに、よくわからなくて(検札の人から買えば良いと思ってた)結果的にただ乗りしてしまったことがありました)。ただ乗りをゼロにするためにその他の正規料金を払っている人に迷惑をかけるよりは、ただ乗りを充分少なくできるのであれば全員にとって効率的な方法を目指すというのは合理的だと思います。
こういうのを「信用乗車方式」というそうです。リスク管理的な考え方とも言えます(リスクをゼロにするために多大なコストをかけるのではなく、リスクとコストのバランスを考えた最適解を見付ける)。この方式の大前提として、ただ乗りに対してある程度抑止力のある罰金を科すことが必要となるでしょう(見つかっても運賃分を払えばよいだけであれば、ただ乗りがやり得になってしまいます)。
さて、DRMフリーの音楽配信、先日のEMIの件は破談になってしまったようですが、たとえば、Universal Franceが特定のアルバムをDRMフリーで配信するなどいろいろと動きがあるようです。DRMフリーで楽曲を販売するということは、(私的複製の範囲を超えて)コピーしたり、配信してよいということではありません(当然)。一部の違法行為を行なう人のために、正規のユーザーが不便を被らないようにしようという制度設計です。「信用乗車方式」と似ていると言えます。
そうなってくると、DRMフリー配信の推進とのバランスとして、特定のケースでは「信用乗車方式」と同様に著作権侵害を厳罰化するのの罰則強化もありかなという気もしてきました。ちょっと前に、演奏権の侵害で(執行猶予付きとは言え)懲役刑は重いのではないの(感覚的に)と書いたように、全体的には著作権侵害の厳罰化には賛成しかねるのですが。また、日本の法制度では懲罰的損害賠償という概念がないので立法的にどうするかという課題はあります。
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