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Apple vs Cisco iPhone商標問題のその後について

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数日前のエントリーでAppleがiPhoneの商標を使用できるようにするためにはどうすればよいかを分析したCNETの記事について紹介しました。その時点でのメディアでの情報で判断する限り、「Appleは勝ち目がないのに暴走した」としか見えなかったのですが、そうでもないかなと思われる情報がいくつか出てきました。CiscoがiPhoneの商標を適切に使用していなかったので、権利が消滅しているのではないかという説に関するものです。

たとえば、米ZDNetのブログでの情報ですが、写真に注目して下さい。これは、米国特許商標庁にCiscoがiPhoneという商標を使用していることを証明するために使用した写真の一部のようですが、iPhoneのところがシールになってます。箱そのものや製品本体にはiPhoneの商標は使われていません。また、製品添付のPDFマニュアルにもiPhoneという名称はなく、製品の元々の名前(Linksys CIT200)が書かれているそうです。

ということで、Apple側としては、CiscoはAppleがiPhoneという製品を出すのを知って、今まで使ってなかった商標を駆け込み的に使った、これは正当な商標の使用ではないと主張できそうだということになります。これが認められるかどうかは専門家でも意見が分かれているようなのでどうなるかわかりませんが、当初思われていたほどApple勝ち目全くなしという状況でもないようです。

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