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結構強力なOvertureのサーチエンジン広告特許

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"The Search"にも佐々木グーグル本にも載ってなかったですが、結構重要な話として、GoogleのAdWordsに関する特許問題があります。ちょっと昔の話なのでもう記憶にないかもしれませんが、GoogleのIPO直前にOverture社がサーチエンジン広告の特許でGoogleを訴えたという事件です(参考記事)。結局、Googleは和解によって四半期分の利益を吹き飛ばすという結果になりました(しかし、これによりAdWordsに関する永続的なライセンスを得ることができたわけなので、安い買い物だったとも言えるでしょう)

Overture社日本法人のサイトでは同社のサービスが特許で保護されていることについて記載されています。

オーバーチュア株式会社により提供される本サイトおよびサービスは、著作権並びに下記のOverture Services, Inc.の米国特許、日本国特許及び国際特許により保護されています:
米国特許  第 6,269,361 号
米国特許  第 6,078,866 号
日本国特許 第 3,676,999 号

「グーグルのソフトウェア特許攻勢」のエントリーで「Overture社の特許が日本で成立している」とのコメントがありましたが、それがこれですね(ネット系のソフトウェア特許の場合、日本で成立していなくても米国で成立していれば侵害が成立することもあるので、日本で成立していないから安心とは言えないのですが)。

特許の中身ですが、発明の名称は「コンピュータ・ネットワーク・サーチエンジンにより生成されたサーチ結果リスト上の位置に影響を与えるための方法及びシステム」となってますが、要は「広告主の広告料に応じてサーチエンジンの結果リストにおける表示位置を変える」というところがポイントです。AdWords的なことをやろうとすると必ず引っかかりそうな強力そうな特許です。

この特許の分析情報を書いてみようと思っていますが、結構細かい話になるのと量的にもそれなりになりそうなので、TVJPのWebサイトの方に書こうかと思います。以前、会員制コンテンツを充実させる予定と書きましたが、それの第一弾になるかと思います。たぶん、来週くらいには書ける予定です。

で、会員制コンテンツとは言え、しばらくは誰でもアクセス可能にする予定です。後のタイミングで、SNS的な招待システムを導入しようかなと思っています。その場合でも、コンテンツを有償化する予定はありません。コンテンツは無償で配布して、コンサルティングやカスタムリサーチで収益を得るという「オープンソース・リサーチ」モデルを想定しています。

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