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パソコン自分史(15) ワシントンポストの取材で悔しい思いをした

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1980年代の半ば、ワシントンポストが日本のパソコン事情について取材したいと言ってきた。日本人はキーボードを打つのが得意ではないと聞くが、ほんとうはどうかという質問だった。私はカタカナと英数字しか打てないこれまでのパソコンでは、一般の人はキーボードに触る必然性すらないのだから当たり前だ。欧米のように打った文字がそのままでいい社会とは違からといい、ただようやくATOKやVJEなどFEPが別売りされたり、日本語ワープロソフトが実用に耐えるようになってきたので、これから日本人はものすごい勢いでキーボードを叩きだしますよ。そして電子メールの普及でも、すぐに欧米に追いつきますよ、と言った。
しばらくしてワシントンポストが送られてきた。日本発の囲み記事には、私の主張はまったく書いてなく、面白おかしく、器用な日本人でもなぜかキーボードは苦手といった、茶化すような記事だった。しかも私の名前まで入っていた。私は憤りを感じた。書くことは決まっていたのだ、。取材先として私の名前だけが欲しかったのだ。それ以来、マスコミの取材には、どんな記事を書くための取材かを確認することにした。

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