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プログラミングでメシが食えるか!?

リーダー・マネージャーの仕事とプログラマーの仕事の両立は難しい?

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プログラミング経験のあるリーダークラスの人とお話しするたびに、「自分ではプログラミングの仕事はやらなくなりました」「よく自分でもプログラマーをやってますよねぇ」と言われます。ちょうどこのところ、自分でプログラミングしなければならない仕事を複数抱えている状態でしたので、リーダーの仕事とプログラマーの仕事の両立がなぜ難しいかを痛感しているので、書いてみます。

プログラミングの作業は非常に頭を使う作業です。ソースコードやアルゴリズムを頭の中に展開し、頭をフル稼働させてプログラミングしなければなりません。リーダークラスの人が自らプログラミングするものは、誰でもできるような簡単なものではないもので(簡単なものならメンバーに任せればいい)、集中して取り組みたいところです。

プログラミングをしていて一番辛いのが「割り込み」です。せっかく頭の中に展開できた様々な情報が、割り込まれると崩されてしまいます。頭の状態を再構築するのはかなり大変で、割り込みが何度か連続するとやる気をなくすものです。

組織の中で立場が上になるにつれ、「割り込み」が増えるのです。メンバーからの相談はもちろん、他の部署など社内での連携のため、さらに多くのお客さんとのコミュニケーションなど、割り込まれる要因は増えていきます。それこそ、「見積書に印鑑をおねがいします」だけでも集中が途切れるのです。しかも、そういうものは「後にしてくれ」とは言えません。

結局どうするかというと、会社では深い部分は作業せず、自宅や移動中にやることが多くなります。それでも急ぎの場合には会社でどっぷりプログラミングしますが、そんなときに「ちょっと相談が・・・」とか割り込みがくると、そうとうムスッとした顔で対応してしまっていることでしょう。

他にも、組織全体のことや将来に向けた準備など、立場が上になるにつれて考えなければならないことはどんどん増えます。その結果、プログラミングを自分ではやらなくなってしまう、いや、できなくなってしまうのでしょう。

私自身はプログラミングが好きなので、得意分野であるネットワークプログラミングは今でも自分でやっています。もちろん、大体目処がついたらメンバーに任せていきますが、当社の規模(プログラマーは10名くらい)では、私一人分が抜けるとかなりの戦力ダウンになりますし、私が自分でもやっているので、商談の際に強いということもあります。とはいえ、集中してプログラミングできる時間は年々短くなり、今ではいくつかの製品と、試行錯誤が必要な際のプロトタイプ作成などが中心です。

社長という立場からすると、プログラミングに精を出すより、経営に必要な財務などに力を注ぐべき、という考えもあると思います。しかし、私は財務面などは素人同然ですので、信頼できる詳しい人に相談すればよいと割り切っています。一方、ネットワークプログラミングは製品を作ったり、著書を何冊も書くくらいこだわってやってきましたので、明らかに私はプログラミングの方が得意なわけです。そんな人が社長をやるのがおかしいという意見もあるとは思いますが、社長は会社のリーダーであり、指導者・統率者です。技術の会社の方針は技術に詳しい人が舵を取り、技術のアピールは実際にできる人がやるのが一番であり、リーダーの仕事だと考えています。

私が中途半端に財務に詳しくても、プログラミングが中途半端だったなら、今のようにIT製品事業に注力したりする舵を切れなかったでしょうし、そもそも優秀なメンバーたちが集まってくれなかった可能性もあります。何でもかんでもリーダーがやるということではなく、リーダーが光るものを持っていることが大切だというのが私の考えです。従って私のプログラマーとしての価値があるのであれば、その道を磨き続けなければ私の価値も、組織の価値も伸ばせないと思っています。

平均的に何でもできる人もよいのでしょうけれど、私はやっぱり、「この分野なら任せて」という人の集まりが好きです。企画は企画が得意な人に、経理は経理が得意な人に助けてもらえばいいと思っています。もちろん全く無関心という意味ではありません。逆に私から光るものがなくなってしまったら、誰も応援してくれなくなることでしょう。

そんなわけで、今でも自分を光らせるために、プログラマーも続けています。そして、そんな仕事に魅力を感じて来てくれたメンバーたちもまた、光るプログラマーとして大活躍してくれています!

このところ頭の余裕がなく、ブログも内容が薄かったのですが、プログラミングの仕事の一つの目処がついてきたので、久々に熱い内容を書いてみました。

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