現代におけるハードワーク
妹尾さんが、近所の図書館の払い下げ品(をつい貰ってきてしまうこと)について書かれておられました(「本の手に入れ方~どうして読み切れない程存在しているのか?」)。
僕の住んでいる市の図書館でも、常設のリサイクルコーナーを置くようになりました。図書館に寄れば、やはり覗かずには帰れません。
先日は『窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人』という2003年の本を頂戴してきました。とにかく忙しいアメリカ人の話が満載の本です。流し読みするには厚すぎるので借りなかったような覚えがあるのですが、捨てられてしまうくらいならばと、鞄の中に入れました。その本からハッとした部分を引用します。
彼もまた企業の成功者で、二つの大手ハイテク企業で重要な地位を確保してきたキャリアを持っている。レナードにすれば高い給与と諸手当が欲しかっただけである。しかし、かなり長い間、彼の一日一二時間の仕事と経営上の責任とにともなうプレッシャー ―― それは過去一〇年のあいだ数多くのレイオフを指揮してきたことも含んでいる ―― のために、彼は成功者というより生き残りのような感覚を抱いてきた。
(p5、太字は引用者による)
しかし、ロングワーク必ずしもハードワークならず。Seth Godinは2003年の"A Brief History of Hard Work, Adjusted for Risk"という短いコラムで、現代における本当のハードワークは「見えているリスクを敢えて取る」ことであると指摘しています。
Today, working hard is about taking apparent risk. Not a crazy risk like betting the entire company on an untested product. No, an apparent risk: something that the competition (and your coworkers) believe is unsafe but that you realize is far more conservative than sticking with the status quo.
(太字は引用者による)
僕はこのコラムが好きで、拙著『リストのチカラ』でもその発想を借りています。下のリストの最後の項目にある「勇気」という言葉に、この「現代におけるハードワーク」をこなそうという意味を込めました。
- 仕事の成果を、"Productivity"だけでなく"Creativity"で測る
- 仕事の目標を、"Profitability"だけでなく"Sustainability"に据える
- 仕事の能力は、"Skill"だけでなく"Mind"を磨く
- 仕事のポートフォリオを作る
- 社会に果たしたい、自分のミッションを持つ
- 態度を選ぶ。そのための勇気を持つ
(『リストのチカラ』より。太字は引用者による)
(参考)