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mmbi社による日本初のスマートフォン向け放送局『NOTTV』の2012年4月開局およびNTTドコモからモバキャス対応端末2機種発表

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NTTドコモと、NTTドコモが60.45%の株式を保有する携帯端末向けマルチメディア放送(モバキャス)事業会社である株式会社mmbi(エムエムビーアイ)は、スマートフォン向け放送局『NOTTV(ノッティーヴィー)』の4月1日開局の詳細と、同放送に対応するAndroid搭載スマートフォンおよびタブレット端末の新商品を発表しました。(2012年2月16日)


NOTTVを運営する株式会社mmbi 代表取締役取締役 二木 治成 氏(左)
および 常務取締役 小牧 次郎氏(右)


NOTTV試験放送を受信するAQUOS PHONE SH-06D(上段)
および MEDIAS TAB N-06D(下段)

携帯端末向けマルチメディア放送は、昨年に停波した地上アナログテレビ放送(VHFのHiバンド)を活用するサービスで、KDDI陣営との競争に勝利したNTTドコモ陣営が認定事業者となり(2010年9月9日)、今年4月1日より放送サービスを開始するもので、一部コンテンツを除き、月額420円(税込)の利用料金です。

サービスの特徴として、「リアルタイム型放送」と「蓄積型放送」があり、前者は、従来のTV放送と同様なコンテンツをワンセグよりも高品質・高画質に提供するもので、後者は、シフトタイム視聴=リアルタイム視聴に関連したコンテンツの配信、時間をずらしての番組放送、雑誌・ゲーム・アプリケーションを放送するというものです。

モバイルデータ通信を利用しない放送によるモバイルマルチメディア放送は、ターミナル駅や、大人数が集まるスポーツスタジアムやイベント会場においても、昨今多発している通信障害の影響を受けることなく、受信・視聴が可能であり、従来のワンセグ放送よりも高画質・高品質であること、同サービスに対応したスマートフォンでの視聴が可能となことによるモバイルインターネットとの連携などが期待されており、2012年度に100万契約を目指すとしています。

一方で、テレビ放送の視聴者数減少や紙メディアの発行部数・購読者の減少などの旧来メディアが衰退し、携帯電話などによるモバイル端末でのインターネット利用が伸びているという現状があります。 そのような時代に、モバキャスがどのようなサービス・コンテンツを提供し、如何に旧来メディアから離れたユーザを獲得するかが、ひとつのキーポイントとなると考えられます。


nottvは何を放送すべきか?

具体的な配信内容としては、1. LIVE=生放送、2.ニュース、3.オリジナル番組、4.音楽、5.BSやCSの番組、6.調達番組、7.地上波テレビ番組との連動、8.蓄積型放送 および 0.災害対応 としています。

NOTTVが総務省に割り当てられた13セグの内、従来TV放送と同様なリアルタイム視聴用にその多く(3セグx3ch)を割き、ニュース専門チャンネルnottv NEWS、その他の番組を24時間放送するチャンネルnottv1、そして、20時間の放送と蓄積型放送枠4時間のnottv2となります。


 

災害対応(緊急地震速報や安否情報放送など)は、普及などの懸念があり、また、この編成で蓄積型放送・シフトタイム視聴という特徴は、十分に活かす事ができるのか、今後どのように展開可能なのか、明確な答えを得ることができず、今回の発表を見た限りでは、残念ながら従来のテレビ放送・BS・CS・ケーブルTVの延長が中心となり、月額420円という料金を支払うユーザをどれだけ獲得できるものなのか?という疑問を払拭する内容ではありませんでした。

放送を見ながらのネット利用自体は、一体化されていないものの現在でも可能ではあるが故に、リアルタイム視聴コンテンツが旧来放送と異なり、成功するには、キラーコンテンツとなる番組そのものの輩出と、新たなネット連動の機能が必要ということになると考えられます。
独自の番組だけではなく、多くの放送事業者からのコンテンツアグリゲーション(外部からの調達)による配信は、従来とは異なる点かもしれませんが、オリジナルの番組が従来放送よりも低予算で編成されることが想定され、質の高いオリジナルの番組制作や従来放送との差別化は容易ではないと考えられます。

昼間10時~17時までの7時間もの長時間生放送をMCのタレントが日替わりで放送という枠は、特徴的ではありますが、そのコンテンツが見たいから対応端末を買うというような、キラーコンテンツとして成立するための価値は、単なる情報・バラエティ番組かつ今回のキャスティングというだけでは、実現が想像できません。


NOTTVの番組MCとしての抱負などを語る敦士さん(中央)、押切もえさん(右)、加藤夏希さん
他に磯山さやかさん、宮地真緒さん、赤井沙希さんが登場

『キラーコンテンツは育てる』という観点であったとしても、視聴者の確保=端末の普及だけに着目するならば、仮に初年度目標100万人が達成したとしても、月額420円x100万人=4.2億円/月の収入で、実現しうるのか、疑問が残ります。

更には、放送エリアの狭さです。4月の開局当初は、東名阪および沖縄・福岡エリア(一部地域を除く)に限定され、12年度末で世帯カバー率73%、3年目の2014年度で91%ということで、実際の全国カバーには、5年を要する予定となっています。
災害対応も行うことを表明していますが、カバー率と対応端末普及率の両方が十分でないと、その機能も十分には活かすことができないものと思われます。

結果、スポーツ、ミュージック、エンタメ、アニメ、ニュース専門チャンネルの配信など、有料放送でも見たいというコンテンツが視聴者が少ない段階から、シッカリと制作・調達し、放送され、対応端末を買いたい層を地道に増やしていくということが、現実ではないかと考えられます。

一方で、モバキャスの配信に関するテクノロジーについては、興味深い内容が多く、リアルタイム型放送においては、ベースとなる規格がH.264/MPEG-4 AVC・Mainプロファイル、720x480(VGA+)、フレームレート30fpsと、ケータイ等でのワンセグ視聴と比べると、格段に、品質が向上しており、スポーツなどの放送であっても、十分に視聴に耐えうるものとなると想定されます。
蓄積型放送においては、更にスペックが高く、H.264/MPEG-4 AVC・Highプロファイル、1920x1080(HD)、フレームレート60fpsと、大画面のテレビにも耐えられるクオリティとなります。 残念ながら、今回発表となったnotttv対応端末2機種は、共にHDMIやDLNAなどでのモバキャスの出力は対応しない模様ですが、早々に権利処理などの問題を解決して、テレビなどとの連携を実現して欲しいところです。

また、従来のテレビ放送とは異なり、視聴者数が非常に少ないことからも、番組制作や機材に至るまで、予算上の制限が多いと思われますが、ロケやニュースなどの現地レポートを実現するために、Xi中継を行う事も発表されていました。


Xi中継システム

発表会では、詳細の説明がありませんでしたが、ソリトンシステムズが昨年に発売を開始した、モバイル回線でHDの映像中継が可能なSmart-telecasterHDを採用しているものと思われます。(イベントの発表資料と同様な写真がSmart-telecasterHD TypeIIの製品写真として掲載されています。)

  • Smart-telecasterHD製品情報
    http://www.soliton.co.jp/products/vod/smart_telecaster_hd/index.html
    ※ページ中段以下にSmart-telecasterHD TypeIIが掲載されています。
     
  • Smart-telecasterHDプレスリリース(2011年07月25日)
    『ソリトン、映像中継システムSmart-telecasterハイビジョン対応を発表 
    ~FOMA、Xiなどのモバイル環境に最適化された圧倒的な高画質伝送システム~ 
    報道・災害・医療などの分野で社会貢献』
    http://www.atpress.ne.jp/view/21746
    ※Smart-telecasterHD Type II:350万円

昨今、モバイル通信の障害が繰り返し発生していることから、中継放送をモバイルデータ通信のみに依存することは、中継できないというリスクを高めますが、中継に関するコストや、スピーディーな配備などを考慮すると、初年度で僅か100万加入という目標=低収益な状態で、ライブ中継を繰り返す事には最適であり、また、災害時などにおける機動力さえも期待できると考えられます。
また、不安定なモバイルデータ通信で、映像を中継するには、リアルタイムエンコード技術と、中継伝送のネットワークの状態で、自動的かつ可変なビットレートのコントロールが要求されますが、これら機材のスペックをみると、映像のエンコード(符号化)方式にはVP8=Googleが買収したOn2テクノロジーズの技術が採用されており(H.264を内包していると言われています)、必要十分かと思われます。

引き続き、NTTドコモ プロダクト部長 丸山誠治氏によるNOTTV対応商品として、Android搭載スマートフォン『docomo NEXT series AQUOS PHONE SH-06D』およびAndroid搭載Xiタブレット『MEDIAS TAB N-06D』の紹介がありました。


MEDIAS TAB N-06Dを手に商品を説明する
NTTドコモ プロダクト部長 丸山誠治氏

NTTドコモは、mmbiの数度の増資を引き受けて、シェア60.45%を保有する親会社となっており、このNOTTV開局に合わせた商品により、1.リアルタイム型放送を視聴しながらケータイでインターネット(ソーシャルメディア連携・番組とのインタラクティブ連携)、2.蓄積型放送で配信されたコンテンツをケータイでデータ補完、といった役割を移動体通信として提供することについての説明の後、2商品の紹介がありました。

各商品の詳細については、別途掲載致します。


docomo NEXT series AQUOS PHONE SH-06D


MEDIAS TAB N-06D

特集

  • mmbi社による日本初のスマートフォン向け放送局『NOTTV』の2012年4月開局およびNTTドコモからモバキャス対応端末2機種発表
    http://app-coming.jp/ja/articles/detail/152
     
  • モバキャスNOTTV対応Android搭載7インチXiタブレット『MEDIAS TAB N-06D』:赤外線・防水・おサイフケータイ(Felica)・ワンセグまでも搭載した全部入りPlus
    http://app-coming.jp/ja/articles/detail/153
     
  • モバキャスNOTTV対応Android搭載スマートフォン『AQUOS PHONE SH-06D』:赤外線・防水・おサイフケータイ・ワンセグまでも搭載した全部入りPlus
    http://app-coming.jp/ja/articles/detail/154
     

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