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『東急ストア、ネットスーパー事業に参入』というニュースと、ここ10年掛けて育ちつつあるネットスーパー市場

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『東急ストア、ネットスーパー事業に参入』
東急ストアは、インターネット経由で食品や日用品を販売するネットスーパー事業を10月1日から開始する。 [ITmedia]2009年08月04日

なんか、「イメージすると、事が起きる」ケースが良くあります。

先日のブログ『2009/08/01 明日も湘南ゴミ拾いに行くつもりです(が雨ですね)。 IY(イトーヨーカドー)の宅配スーパーが到着してからですが。

かいて2日後の8月3日のニュースですね。

楽天グループのネッツ・パートナーズ社「食卓.jp」活用による、新たな若い顧客層の獲得という話をした記者会見での映像が印象的でした。

結婚していない、あるいは子供のいない若い夫婦層が、ネットスーパーを利用するのだろうか?というところ、非常に興味があります。 1オーダーあたり、送料が無料になる金額が5,000円以上だったり、それ以下だと315円~525円ぐらいの送料が掛るので、意外にシビアなのではないかなぁと。コンビニが消費期限切れまじかを安売りすると、少量で済む層は、コンビニ買いのままになりそうな。

またノンPC層だとすると、ケータイでのネットスーパー購買を前提とした顧客誘導、買いやすい商品表示、ナビゲーションなどが求められそうですね。

 ※明日開催の当社セミナー「不況を乗り越えるモバイルWeb戦略!」で講演される内容にも関連していそうです。
  

時を遡る事2000年頃、バーコードリーダーをPCやケイタイに付けて、ネットを活用するというモデルが流行りました。

その1社のサポートをしていたことが懐かしいのですが、カシオの嶋さんや、ファンコミさんも、本件のプロジェクトでお知り合いになれたということで、良かったと思うのですが、その事業は、資金不足・時期尚早で、とん挫してしまいました。

当時、住友商事さまも、ネコ型バーコードリーダー(勿論、ネコ型ロボット ドラえもんではなく)CueCatを無償でばらまくという米国のDigital Convergence社(小型のバーコードを記事本文や広告に印刷して、サイトに誘導するというようなもの)に大規模出資をしましたが、ハッカーなどによる個人情報漏洩事件などがあったり、事業投資に見合う収益に至らず(とてつもないサーバやデータセンタコストと、とてつもないバーコードリーダーのバラマキコスト)、あっという間に消えてしまった記憶があります。(ハッカーの扱いを間違えたことからアンチDC社の人に、CueCatをリアルな銃でぶち壊される写真がネット上に流れるなど、イメージもどんどん悪化していた記憶も)

【参照】

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さておき、その当時、イトーヨーカドーの西葛西店(だったかと思いますが)が、ネットスーパーの実験を開始するというニュースが流れ、大前研一さんのエブリデイドットコムが、インフラで採用されたかと思います。

チラシに印刷されたマイクロバーコードをスキャンしてオーダーというものだったと思います。

そこから、10年、矢野経済研究所が6月に発表したリサーチ結果によると、2008年度は231億円にまで到達したとのことです。

この金額を多いとみるか、少ないと見るかは、個々の立場などにより異なるかと思いますが、エコ的観点からすれば、自動車で買い物に行っていた人が、宅配されることによるCO2排出抑制効果は、かなりあったでしょうし、市場は、これらも大きく拡大するものと思います。

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※市場規模の指標としてのご参考までに、同リサーチでは、「2008 年度の食品宅配の総市場規模は、1 兆5,844 億円」「自然派食品宅配の市場は635億円」とのことです。
ちょい話がずれますが、昔の会社の元社員・樋口くんがITから農業に転身し(元々、農業大学出身なので、目標通りなのですが)、創業した「お食事どっとこむ」もここに分類されるのかと思いますが、自前で農場も始め、リアルな店頭と楽天の活用で徐々に業績もアップしているようです。
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そうそう、東急ストアさんと同じ時期(2009年10月)に、住商ネットスーパーもオープンします。

私的には、住商グループ出身なので、この住商ネットスーパーが自分のエリアでのデリバリーを開始することを期待していますが、各社、首都圏かつ一部エリアから、実験的な取り組みで進んでいるので、より広いエリアへの対応が待ち望まれますし、競争が激しくなることで、消費者のメリットが拡大するかと思います。

IT業界側にいる者としてですが、楽天やエブリデイドットコムなどの外部プラットフォームを活用するするモデル、自前で大がかりなシステムを構築するモデル、そして恐らくですが、ECパッケージなどを活用するモデルがあり、それぞれの投下資本レベルの違い、システム的な独自色、集客・会員獲得・売上アップに向けた手法といった点についても、着目しなければいけないと思っています。

以下、軽めにネットスーパー関連のメモです。

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■大型・中型のリアルなスーパー店舗を有するネットスーパー(即日配達)

※マルエツ・紀ノ国屋・東急ストアは、楽天ネットスーパーモール 食卓.jp(http://www.shokutaku.jp/)への出店

■個人会員宅配・ネット専業系スーパー

■地域系スーパー

※阪急キッチンエール・オレンジライフ・フレスタは、エブリデイドットコム(http://www.everyd.com/shop/)の活用

■関連情報

■昔のバーコードプロジェクト関連

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