最近米国のthe e-tailing groupとInvodoが公開したレポートによれば、過去3ヶ月間にタブレット所有者の61%が自分の端末でプロダクトビデオを視聴しているとのこと。参考までに、スマートフォン所有者は49%となっており、タブレット所有者の方がスマート所有者よりもプロダクトビデオを視聴する割合が高いという結果が出ている。
今回の調査で、オンラインショッピング同様、ビデオの視聴においても消費者が画面の小さいスマートフォンよりもタブレットを好むことが明らかになったわけだ。タブレットは、間違いなくオンライン小売事業者にとって無視できない存在になっている。
そこで今回は、3月28日に開催したセミナーで使用したスライドをベースにiPadとビデオを活用した最新の活用事例を紹介したい。
【1】 タブレットとiPadに関するまとめ
① タブレットに関するまとめ
・2016年のタブレットの月間トラフィック量は4.2GBとなり、これはラップトップ/ノートPCの6.9GBに次ぐ規模のトラフィック量。
・2016年のモバイル全体の月間トラフィック量に占めるタブレットのトラフィック量は10%。
・5年間のユーザー数の年平均成長率はポータブルゲーム機の56%に次いで2位となる50%、トラフィック量の年平均成長率は1位の129%(2位はスマートフォンの119%)。
※ 情報ソース:CISCO
・2016年時点の全世界におけるタブレットの出荷台数は3億7千7百万台。
※ 情報ソース:GIGAOM
■ タブレットの世界出荷台数の推移
② iPadの出荷台数とマーケットシェアに関するまとめ
・発売から3日間で300万台売れたNew iPad。
・2012年の出荷台数は6千4百万台、2016年には1億7千9百万台に拡大。
・2012年のマーケットシェアは54.4%、2016年には47.6%にまで低下するが端末別ではトップを維持。
・OS別では2014年にAndroidがiOSを逆転。2016年のAndroid OSのマーケットシェアは49.0%。
※ 情報ソース:GIGAOM
・利用目的別では、2015年にコンシューマーとエンタープライズが並び、2016年はコンシューマーが45.0%でエンタープライズが55.0%となり逆転する。。
※ 情報ソース:Change Wave Research
■ コンシューマー VS エンタープライズに見るマーケットシェア
【2】 モバイルビデオに関するまとめ
① ビデオがモバイルデータトラフィックの70.8%を占める
・ビデオのトラフィックは、2011年にすでにモバイルデータトラフィック全体の50%を占めるまでに成長している。
・これが今後2016年までに平均90%の成長率で増え続け2016年にはモバイルデータトラフィック全体の70.5%を占めるまでに成長する。
・ビデオは、今後も間違いなくモバイルコンテンツの中心的な役割を担い続けることになる。
② 米国のオンラインビデオ視聴者の40%がモバイルを利用
・2011年時点で、4,500万人(米国の人口の14.4%)がモバイルでオンラインビデオを視聴。
・2011年時点で、オンラインビデオ視聴者数の28.5%がモバイルでオンラインビデオを視聴。
・2015年時点には、7,800万人(米国の人口の24.0%)がモバイルでオンラインビデオを視聴。
・2015年時点には、オンラインビデオ視聴者数の40.0%がモバイルでオンラインビデオを視聴。
③ ビデオだけが持っている力
・ビデオだけが持っている人間の感情を深く揺り動かす力がモバイルで増殖される。
■ ビデオだけが持っている人間の感情を深く揺り動かす力
【3】 iPad×Videoの活用パターン
① iPad×Videoの活用パターン3つのモデル
A B2C = 企業がコンシューマーに向けてビデオを配信(ウェブ)
● モバイルコマース:プロダクトビデオ、ショッパブルビデオなど
● モバイルマーケティング:広告ビデオなど
B B2C = 企業がコンシューマーに向けてビデオを配信(インストア)
● 接客用ビデオ
C B2E = 企業が従業員に向けてビデオを配信
● 社内広報:メッセージビデオを、ニュースビデオ
● 社内教育:教育ビデオ、接客ビデオ、モチベーション向上ビデオなど
② モバイルビデオはなぜ有用なのか
・モバイルビデオは、既存のメディアとの融合が可能である。紙、看板などの広告にQRコードを印刷し、QRコードをスキャンことでビデオにアクセス可能。
・モバイルビデオはディストリビューションの方法が多様。ウェブサイト、アプリ、QRコードなど、様々な方法でビデオを展開可能。
・モバイルビデオは店舗内での展開が可能。買い物に必要な商品の特徴、価格等の情報に店舗内からアクセス可能。
・イン・ストア・モバイル・コマースの登場
③ 実際の事例紹介
・シアーズ
・メイシーズ
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=ZMYIrQ3Wy80&feature=player_embedded
・バーニーズニューヨーク
⇒ http://thewindow.barneys.com/co-op-mens-video-spring-2012/
・スターバックスコーヒー
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=oS3dwhvG44E
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=8nvqOzjq10w
・さいたま県庁
⇒ http://movie.pref.saitama.lg.jp/
・アトムリビンテック
・ノバレーゼ
⇒ http://www.dougajin.jp/interview/2012/novarese.html
・ガリバーインターナショナル
⇒ http://www.dougajin.jp/interview/2012/gulliver.html
■ iPad×Videoの活用パターン
まだ朝晩は肌寒いものの、昼間はやっと春らしい陽気になってきましたね。なんと言っても嬉しいのは、桜の開花宣言が発表されたことではないでしょうか。今年は4月に入っても例年になく寒い日が続いたため、桜の開花もかなり遅れるのではないかと心配されていました。ところが、先週あたりから暖かい日が続き、蓋を開けてみれば東京でもわずか5日遅れだということですから一安心です。
今日は久し振りのブログ更新ですが、ビムーブからのお知らせとさせていただきます。今日(正式には昨日ですが)、企業の動画活用事例を紹介するメディアサイト 「動画人(dougajin)」が無事ローンチとなりました。以下、動画人の概要について簡単に紹介します。
1. 動画人について
動画人は、企業の動画活用だけにフォーカスした、ビムーブが独自で運営するメディアサイトです。企画、取材、動画制作といった全ての工程を自社で対応しています。
※ 動画人のURL ⇒ http://www.dougajin.jp/
2. 動画人の特長
動画人は、5つの特長を持っています。
①単なる事例紹介ではなく、動画を活用して課題解決に取り組んでいる事例を紹介しています。
②ビムーブのサービスをご利用いただいている企業だけではなく、広く動画を活用している企業を対象としている。
③必ず取材を行い、取材を通して得ることができた事実を独自の視点から記事として伝えている。
④コンテンツの中心は、取材時に撮影した動画と取材を基に書き下ろした記事の2本構成となっている。
⑤企業としての取り組みはもちろん、動画の導入に携わった企業担当者の動画に掛ける熱い想いにフォーカスしている。
ウェブマーケテイングやウェブ戦略を対象としたメディアサイトはよく見かけますが、動画だけを対象としたメディアサイトは日本ではあまり見かけません。しかも、単にウェブの情報だけを集めて記事にしているのではなく、全ての企業に取材を行い、そこから得た事実を記事にしているメディアサイトとなると、それこそ日本初と言っていいのではないかと思っています。
また、ほとんどの事例紹介に、インタビュー時に撮影した映像を3分程度に編集し直した動画が用意されているのも動画人ならではです。記事を読んでいただきたいのは当然ですが、動画についても必ず視聴してほしいと思っています。なぜなら、今回用意した動画には、企業を代表する動画人の動画に掛ける熱い想いが込められているからです。
3. 動画人の熱い想いは動画でなければ伝わらない
今回6社の企業を実際に取材してみてわかったことがあります。それは、動画人の熱い想いは、動画でなければ伝わらないということです。そのことを、動画人から教えられました。そして、動画の持つ力を改めて再認識させられたのです。
■ 動画人のインタビュー動画
⇒株式会社ノバレーゼ:
http://www.dougajin.jp/interview/2012/novarese.html
⇒株式会社ノジマ:
http://www.dougajin.jp/interview/2012/nojima.html
⇒アトムリビンテック株式会社:
http://www.dougajin.jp/interview/2012/atomlt.html
※ 記事のみになります。
⇒株式会社ビー・オー・スタジオ:
http://www.dougajin.jp/interview/2012/bostudio.html
⇒株式会社ガリバーインターナショナル:
http://www.dougajin.jp/interview/2012/gulliver.html
⇒タマホーム株式会社 :
http://www.dougajin.jp/interview/2012/tamahome.html
4. 動画人の今後
動画人は、今後も毎月1本以上の記事と動画を更新して行く予定です。記事に加えて、ソーシャルメディアやメルマガなどで関連した情報を発信して行くことも考えています。また、動画人を招いての動画人セミナー(仮称)の開催も計画しています。
動画人をどうぞ末長くよろしくお願いいたします。
ニューヨークに拠点を置く米国のデパートメントストアとして日本(※日本では新宿、銀座、横浜に3店舗を展開している)にもファンが多いバーニーズニューヨークが、若い裕福層をターゲットとしたコープライン用のショッパブルビデオをローンチした。このバーニーズニューヨークが新たにローンチしたショッパブルビデオ、今までのブランドが展開してきたショッパブルビデオとちょっと違った特長を持っている。
そこで今回は、バーニーズニューヨークがローンチしたばかりのコープライン用のショッパブルビデオが、今までブランドが展開してきたショッパブルビデオとどこか違っているのかを見てみたいと思う。
【1】 ショッパブルビデオの特長とメリット
バーニーズニューヨークがローンチしたショッパブルビデオを見る前に、ショッパブルビデオについて復習しておきたい。
■ インタラクティブビデオとショッパブルビデオの違い
ショッパブルビデオ最大の特長は、クリックエイブルだということ。ビデオのある部分をクリックすると、次のアクションが作動する仕組みになっている。この点については、インタラクティブビデオも同様の特長を持っている。インタラクティブビデオも、クリックエイブルになっていて、ビデオの決められた部分をクリックすると次のアクションが作動するようになっている。
では、インタラクティブビデオとショッパブルビデオの違いは一体どこにあるのだろうか。そもそも活用方法と目的が違っている。インタラクティブビデオは、どちらかといえばエンターテインメント性が高く、ゲームを始めとしたコンテンツとして提供されるものがほとんどである。目的は、消費者を楽しませることにある。
一方、ショッパブルビデオは、小売事業者やブランドが運営するオンラインショッピングサイトのコンバージョンをアップが目的の、極めてビジネス色の強いビデオである。内容は商品の機能や特長を伝えるものが多く、ビデオの種類としてはプロダクトビデオ(商品動画)に分類される。そして、クリックした次のアクションは、商品の購入ページにリンクされるのが一般的である。目的は、コンバージョンレートのアップである。
つまり、クリックエイブルなプロダクトビデオ、それがショッパブルビデオだ。では、プロダクトビデオをクリックエイブルにする意味とは何だろう。ショッパブルビデオには、販売する小売事業者側と購入する消費者側それぞれにメリットがある。
■ 小売事業者から見たショッパブルビデオのメリット
小売事業者から見たショッパブルビデオのメリットは、複数の商品を1つのビデオで見せられる点だ。たとえば、今回のバーニーズニューヨークのように、アパレルだったら商品を単品ではなくトータルコーディネイトで見せることができる。アパレルは、単品ではなくトータルコーディネイトで見せて始めて商品の魅力が伝わる。よって、頭からつま先まで、全ての商品をトータルコーディネイトで見せられるショッパブルビデオは非常に利用価値が高い。
小売事業者から見た2つ目のメリットは、コンバージョンレートのアップが期待できる点だ。米国の小売事業者では、プロダクトビデオを導入してコンバージョンレートが5~25%アップしたという成功事例がいくつも報告されている。しかし、プロダクトビデオはビデオから直接商品を購入させることができない。ビデオと商品購入の間にどうしてもワンクッション入ってしまう。しかし、ショッパブルビデオは、ビデオから直接商品の購入ができるようになっている。
ビデオを見て高ぶった購買意欲を抑えることなく、その購買意欲を保ったまま商品が購入ができるのである。これによって、プロダクトビデオ以上のコンバージョンレートが期待される。
■ 消費者から見たショッパブルビデオのメリット
消費者から見たショッパブルビデオのメリットは、使っていて楽しいと感じられる点にある。バーニーズニューヨークのショッパブルビデオもそうだが、やはり実際にアクセスしてみると楽しくなってくる。用意されているビデオ全てが見たくなるので、ウェブサイトに滞在する時間もついつい長くなってしまう。
⇒ 過去に紹介したショッパブルビデオ
【2】 バーニーズニューヨークのショッパブルビデオ
では、バーニーズニューヨークがコープライン用にローンチしたショッパブルビデオは、一体どんな特長を持っているのだろうか。
① ウェブサイトのベストポジションに配置されている
最も特長的なのは、ショッパブルビデオがウェブサイト最上部の一番目立つベストポジションに配置されている点だろう。バーニーズニューヨークのウェブサイトにアクセスすれば、すぐにコープラインのショッパブルビデオが見つかる。現在は、コープラインの春物商品のショッパブルビデオがメンズとウイメンズ別に左右に分かれて用意されている。
⇒ バーニーズニューヨークのウェブサイト http://www.barneys.com/
● バーニーズニューヨークのウェブサイトTOP画面
※ トップページの一番目立つ場所に配置されている。左側がメンズで右側がウイメンズ。
② iPadに最適化されている
次に目を引くのが、iPadに最適化されている点だろう。メンズとウイメンズどちらでもいいので、画面に表示されている再生ボタンをクリックしてみてほしい。すぐに画面いっぱいに再生プレイヤーが表示され、ショッパブルビデオの再生が始まる。
iPadを持っていれば、是非iPadでもアクセスしてみてほしい。QuickTimeが起動し、iPadでもちゃんと再生できるようになっている。今までのショッパブルビデオの中には、iOS端末に対応していないものが多かったので、iOS端末でもちゃんとビデオが再生できるのは消費者からすれば嬉しい。
● ビデオ再生プレイヤー画面
※ 画面いっぱいに表示される再生プレイヤー。iPadでもキレイに再生できる。
③ モデルの個性を活かしたシンプルな演出
実際にビデオを見ればわかるのだが、内容も今までのショッパブルビデオと随分違っている。今までのショッパブルビデオは、ストリー性のあるどちらかと言えば凝った演出のものが多かった。ところが、今回のバーニーズニューヨークのショッパブルビデオは、モデルがインタービューに答えるというだけの、モデルの個性を活かしたシンプルな演出が特長だ。
④ 購入できる商品が一目でわかるサイドバー
今回のバーニーズニューヨークのショッパブルビデオで感心させられたのが、再生されているビデオの左側に表示されているサイドバーだ。今までのショッパブルビデオは、ビデオの中でモデルが着ている洋服が欲しい場合、モデルを直接クリックするインタフェースが一般的だった。
しかし、このインタフェースだと、モデルの着ているどの商品が実際に購入できるかがわかりにくい上、モデルの動きが激しいと上手くクリックできないという問題点があった。しかし、購入できる商品を左サイドバーに表示することで、今までの課題を見事に解決している。購入できる商品が一目でわかる上に、動きがないのでクリックも簡単だ。
● ビデオ再生プレイヤーの左に表示されるサイドバー
※ サイドバーで商品を選ぶと、購入ページに移動してチェックアウトができる。
⑤ 別の商品購入ページにすぐに移動できるスクロールバー
ショッパブルビデオを黙って見ていれば自動的にモデルが切り替わる仕組みになっているが、好みの商品の購入ページに直接移動したい場合がある。そんな時は、ビデオ再生プレイヤーの下部に用意されているスクロールバーが便利だ。矢印ボタンをクリックして、お気に入りの商品を簡単に見つけられる。
● お気に入りの商品に移動できるスクロールバー
【3】 今回のまとめ
■ ターゲットが明確なバーニーズニューヨークのショッパブルビデオ
今回バーニーズニューヨークがコープライン用にローンチしたショッパブルビデオは、若い世代に完全にターゲットを絞っている点が特長だ。それは、シンプルな演出を見てもわかる。
新たにショッパブルビデオをローンチするに当たり、バーニーズニューヨークは事前調査をかなり重ねたらしい。そして、過去のキャンペーンの売上などの情報を詳細に分析した結果、今回のターゲットである若い世代には、従来までのメールや紙のカタログを使ったマーケティング戦略では効果がないと判断し、最終的にショッパブルビデオの導入を決定したという。
バーニーズニューヨークは、今回のショッパブルビデオがあくまでもコープラインがターゲットとする若い世代だけに向けたものであると割り切っている。よって、その他の層には、従来までのメールやカタログによるアプローチを継続している。
このバーニーズニューヨークのアプローチは正しい。今までのブランドが、どちらかと言えば、全方位的にショッパブルビデオを展開してきたのに対し、バーニーズニューヨークはターゲットを明確に定めている。そこが今までのブランドが展開してきたショッパブルビデオと大きく違う点だ。
そのこだわりはキャスティングにも現れている。今回のショッパブルビデオで起用したモデルは、ほとんどが地元ニューヨーク出身だという。
■ ショッパブルビデオの可能性
ショッパブルビデオを導入する企業は、果たして今後も増えてくるのだろうか?私は、ブランド、アパレル、小売事業を中心に、ショッパブルビデオを導入する企業は今後も増えてくると予想している。
理由は、オンラインショッピングサイトと非常に相性がよいことと、プロダクトビデオ以上のコンバージョンが期待できるからだ。また、アパレルに限って言えば、商品を単品ではなくトータルコーディネイトで見せられるのも魅力の1つである。また、消費者に楽しいと思ってもらえるショッピング・エクスペリエンスを提供できるのも、ショッパブルビデオならではの導入効果だと言えるだろう。
また、今回のバーニーズニューヨークのショッパブルビデオを実際に再生してみてわかったのだが、ショッパブルビデオはタブレットとの相性が非常に良い。ショッパブルビデオは、タブレットコマースにとってキラーコンテンツになりうる可能性を秘めていると言っても決して過言ではない。
今回のバーニーズニューヨークのショッパブルビデオがどんな効果をもたらしたか、結果がわかり次第報告したいと思う。
久しぶりのブログ更新です。先週金曜日(2月24日)、ソフトバンクモバイルさまとイシンさまと一緒に「動画×アイパッド:企業のためのアイパッド最新活用セミナー」を開催しました。私は、「モバイルインパクト -モバイル×ビデオの最新トレンドと活用事例-」というタイトルで、モバイルビデオの可能性と活用事例についてお話させていただきました。
今回は、私が話したセミナーの概要を簡単にレポートしますので、興味のある方は是非お読み下さい。また、最後にセミナーで使ったスライドも公開していますので、こちらも是非ご利用下さい。しばらくブログの更新が途絶えていたのは、このスライドを全て作成し直していたからです。それくらい力を入れて作成したスライドなので、少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
■ モバイルインパクト -モバイル×ビデオの最新トレンドと活用事例-
1. プロローグ:スティーブ・ジョブズ57回目の誕生日に
● アップルが1984年のスーパーボウルで公開したCM
最初に紹介したビデオは、後に「ブレードランナー」を生み出すことになる映画監督のリドリー・スコットが手掛けたアップルのCMです。このCMは、1984年のスーパーボウルで放映したもので、当時メインフレームでコンピュータ業界を支配していた巨人IBMに挑むアップルが、PC時代の到来を高らかに告げた歴史に残るCMとして有名です。
このCMが放映された1984年は、PCはもちろん普及していませんでしたし、インターネットもモバイルもこの世にまだ存在していませんでした。尚、このビデオを最初に取り上げたのには大きな理由があります。このセミナーを開催した2月24日が、モバイルイノベーター、スティーブ・ジョブズ氏57回目の誕生日だからです。
ハッピー・バースディー、スティーブ!
● ベスト・バイが今年のスーパーボウルで公開したCM
アップルが高らかにPC時代の到来を宣言した1984年から28年後の今年のスーパーボウル、アップルはもとより、PC関連企業が1社も広告を出稿しなかったことが話題を呼びました。代わりに増えたのが、モバイル関連のCMです。例えば、大手家電量販店のベストバイは、スティーブ・ジョブズの死をきっかけに、急遽セレブの起用をやめて(参考までに2011年はジャスティン・ビーバーを起用して話題になった)、モバイルの発明と進化に大きな功績を残した発明家へのレクイエムというべき内容のCMを公開しました。
それは、28年前にアップルが大型コンピュータ時代の終焉を告げたように、今度はベストバイがスティーブ・ジョブズの代わりにPC時代の終焉を告げているかのようでした。
2. モバイル新世紀
今、米国では、ソーシャルメディアと並んでモバイルへの関心が非常に高くなってきています。米国のニュースを見ていると、モバイル関連の情報を目にしない日はありません。それは、今まさにモバイル新世紀の真っ只中にいることを私たちに教えてくれているかのようです。そして、モバイルは、ソーシャルメディア同様、私たちの生活・仕事に大きな影響を及ぼすインパクトを持っています。
一方で、モバイルというキーワードに新しさを感じないと主張する人もいます。彼らはこう言います。「それはもう何年も前にバズワードになったキーワードだ」と。確かに、12年前にもモバイルブームが起こりました。では、今のモバイル新世紀と12年前のモバイルブームとでは何が違うのでしょうか。
⇒ モバイル新世紀と12年前のモバイルブームの違い
- 12年前のモバイルブームは日本が市場をリードしていた。ドコモのiモードがモバイルブームの火付け役になり、コンテンツ課金モデルが海外から熱い注目を集めるようになった。現在は、アップル、グーグル、韓国企業が市場をリードしている。一方日本は、ガラパゴス化して孤立する状態が続いている。
- 12年前はコンテンツがプア(待ち受け画像、着メロなど)だった。現在はリッチコンテンツ(ビデオ、ミュージック、ゲームなど)が主流になっている。消費者の心を掴んで離さない魅力的なコンテンツで溢れている。
- 12年前とは比べ物にならないくらいネットワークが高速化している。WiFiの登場、そしてLTE時代への突入と、ネットワークの高速化は止まることを知らない。
- 端末が進化している。スマートフォンとタブレットの登場により、端末はどんどんスマートに進化し続けている。
3. モバイルインパクト
バレンタインデーとYouTube7回目の誕生日を翌日に迎えた2月14、シスコ社からモバイルに関する衝撃のレポートが発表されました。
“Cisco Visual Networking Index: Global Mobile Data Traffic ForecastUpdate, 2011?2016”
という長いタイトルが付けられたそのレポートは、世界が今まさにモバイルの新世紀に突入していることを証明する衝撃のデーで埋め尽くされています。
① モバイルデータトラフィックは現在の18倍になる
全世界のモバイルデータトラフィック量は、2016年までに今の18倍にまで成長します。これは、1カ月あたり10.8エクサバイト、1年間で130エクサバイトに達する計算になります。
※130エクサバイトは、DVDで330億枚、MP3ファイルで4300兆件、テキストメッセージで81京3000兆件に相当する。
CiscoのバイスプレジデントSuraj Shetty氏のコメント。「2016年までに、モバイルユーザーの60%、世界中の30億人が、1人あたり1カ月に1Gバイトを超えるモバイルデータトラフィックを生み出す“ギガバイトクラブ”に仲間入りするだろう。これに比較して、2011年にこの条件を満たしたのは、モバイルユーザーのわずか50%程度に過ぎなかった」。
② モバイル端末の台数は全世界で100億台になる
モバイル端末の台数は毎年増え続けており、2012年中に世界のモバイル端末の総数が世界の人口を超えてしまいます。さらに2016年には、1人あたり1.4台のモバイル・デバイスを所有することになり、この時点で世界の総人口が73億人、機械間デバイス(M2M)を含めたモバイル端末の総台数は100億台に成長します
そして、2016年には、2台以上のモバイル端末を所有する割合が総人口の25%を占めることになります(2011年は8%に過ぎなかった)。
③ スマートフォンとタブレットでトラフィック全体の58.3%を占める
2016年までに、スマートフォンとタブレットがモバイルトラフィック全体の58.3%を占めるまでに成長します。フィーチャーフォンは、2011年に4.3MBだったトラフィックが2016年には108MBに成長するものの、トラフィック全体に占める割合は5.7%に下がります。
スマートフォンは、2011年に150MBだったトラフィックが2016年には2.6GBに成長し、全体に占める割合は48.3%にまで成長します。タブレットは2011年に517MBだったトラフィックが2016年には4.2GBとなり、全体に占める割合は10.0%に成長します。
モバイル新世紀は、スマートフォンとタブレットが間違いなく市場をリードします。
4. モバイルビデオ
① ビデオがモバイルデータトラフィックの70.8%を占める
ビデオのトラフィックは、2011年にすでにモバイルデータトラフィック全体の50%を占めるまでになっています。これが今後2016年までに平均90%の成長率で増え続け、2016年にはビデオがモバイルデータトラフィック全体の70.5%を占めるまで成長します。
ビデオは、間違いなくモバイルコンテンツの中心的な役割を担うことになり、ビデオはモバイルコンテンツの王様としての地位を揺るぎないものにします。
② アメリカ人の3人に1人(約1億人)が毎日ビデオを視聴している
comeScoreによれば、アメリカ人の3人に1人(約1億人)が毎日ビデオを視聴していると言います。2010年は約7,400万人だったことから、年々成長していることがわかります。また、2011年12月時点で435億本のビデオが配信されており、毎年44%増加しているということです。さらに、毎月平均239本のビデオが消費されており、4.8兆回ディスプレイ広告がアメリカのウェブサイトで表示されています。
アメリカ人のオンラインビデオ依存率は、直近でも勢いが衰えることがありません。comeScoreが公開した2012年1月の最新データによれば、1億8千1百万人のアメリカ人が1月中に400億本のビデオを視聴したということです。これは、アメリカのインターネットユーザの84%がオンラインビデオを視聴している計算になります。
③ 米国のオンラインビデオ視聴者の40%がモバイルを利用している
2011年時点で、4,500万人(米国の人口の14.4%)がモバイルでオンラインビデオを視聴していると言います。また、オンラインビデオ視聴者数の28.5%がモバイルでオンラインビデオを視聴しており、オンラインビデオを視聴する端末として、モバイルが欠かせない存在になりつつあることがわかります。
モバイルビデオユーザは年々増え続け、2015年には7,800万人(米国の人口の24.0%)がモバイルでオンラインビデオを視聴すると予測されています。また、オンラインビデオ視聴者数の40.0%が、モバイルでオンラインビデオを視聴すると予測されています。
5. モバイルコマースの台頭
2011年のホリデーシーズン期間中、モバイルコマースが台頭してきました。スマートフォンユーザの内、女性32%、男性25%がホリデーシーズン期間の半分以上をスマートフォンで商品を購入したといいます。さらに、タブレットユーザの内、女性35%、男性21%がホリデーシーズン期間の半分以上をタブレットで商品を購入したと回答しています。
端末別の利用率(商品購入率)は、ラップトップが94%、タブレットが75%、スマートフォンが58%と、タブレットの方がスマートフォンを上回っていることがわかります。OS別で比較すると、iPhoneユーザの71%、Androidユーザの64%が自分のスマートフォンから直接商品を購入しています。
また、タブレット所有者の50%以上が、他のオンラインショッピング、モバイル、店舗内でショッピングするよりもハッピー、ワクワク感を感じながらショッピングをしていると答えています。
このモバイルコマースの台頭は、2012年のバレンタインデーでより顕著になります。IBMによれば、2012年のバレンタインデー週間の小売事業者のオンラインショッピングによる売上の14 . 5 %が、モバイル端末からによるものだったと言います。参考までに、その前の週は10 .1 %でした。
商品別では、ジュエリーとアパレルが46.5%、ヘルス&ビューテーが15.1%となっており、特にヘルス&ビューテーは2011年の4%から大幅な成長を見せています。端末別のトラフィックでも、iPhoneが5.5%、iPadが4.9%、Androidが4.4%と、いずれも前年度を大幅に上回っています。
6. スポーツとモバイルビデオ
スポーツの世界でもモバイルビデオは急速に広まっています。2月に開催されたスーパーボウルでは、モバイルが視聴者にとって欠かせない端末であることを証明するデータが数多く公開されました。
まず、スマートフォンとタブレットを所有しているアメリカ人の45%が、テレビを見ながらスマートフォンとタブレットで試合を視聴したといいます。特に、10代は利用率が高く53%以上、55歳以上は逆に38%と年代で大きな差が出ているのも特徴です。
また、視聴者の13%が試合中にモバイル端末を利用することを好んでおり、視聴者の26%がコマーシャル中断中にモバイル端末を利用することを好んでいるという結果が出ています。
スーパーボウルのコマーシャルの検索に使われる端末の割合は、試合開始前はスマートフォンが25%で、デスクトップPCが75%。試合中はスマートフォンが41%でデスクトップPCが59%と、試合が始まるとスマートフォンへの依存度が高くなることがわかります。
また、ミレニアム世代は、試合中にスマートフォンでソーシャルメディアを利用する傾向が非常に高くなっています。ミレニアム世代の62%が、試合中にテキストメッセージの送信にスマートフォンを使用しており、57%が試合中にスマートフォンを使ってフェイスブックにアクセスしており、22%が試合中にスマートフォンを使ってツイッターにアクセスしているというデータが出ています。
スーパーボウルばかりではありません。ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の米国大手スポーツ専門チャンネルESPN(日本語ではイーエスピーエヌと発音する)のモバイル事業部門の責任者マイケル・ベイルは、2012年1月25日-28日に開催されたMedeiaPosts Mobile Insider Summitカンファレンスで、「モバイルが1番目のスクリーンである」と発言し話題になりました。
ESPNによれば、彼らの2011年のモバイルの利用時間は前年度より45%増えており、モバイルからの視聴者は2千万人を超えていると言います。また、15万人が常時モバイルに接続されており、モバイルなしでコンテンツを提供のは不可能になっているとのことです。
7. モバイルビデオの有用性と活用事例
モバイルビデオが有用であると考えられる理由は3つあります。
- モバイルビデオは既存のメディアとの融合が可能です。紙、看板などの広告にQRコードを印刷し、QRコードをスキャンすることでビデオにアクセスできます。
- モバイルビデオはディストリビューションの方法が多様です。ウェブサイト、アプリ、QRコードなど、様々な方法でビデオが展開できます。
- モバイルビデオは店舗内での展開が可能です。買い物に必要な商品の特徴、価格等の情報に店舗内からアクセスできます。この店舗内での活用方法は、イン・ストア・モバイル・コマースと言って、米国でもかなり注目されています。
nielsenによれば、スマートフォン所有者の29%がショッピング中に自分のスマートフォンを利用するとのことです。
まず、スマートフォン所有者の38%が、ショッピング中に価格を比較するために自分のスマートフォンを利用すると言います。また、スマートフォン所有者の38%がショッピング中に製品の情報を調べるために自分のスマートフォンを利用しています。さらに、スマートフォン所有者の34%がショッピング中に製品レビューを読むために自分のスマートフォンを利用し、そして22%が、直接商品を購入したり、価格や製品情報を得る目的でバーコードをスキャンするために自分のスマートフォンを利用するとのことです。
スマートフォンは、直接商品を購入する以外の部分でも、消費者の購買に大きな貢献をしていることがわかります。
● 活用事例①:シアーズ(Sears)
シアーズは、消費者にモバイル用のウェブサイトとアプリの両方を提供し、消費者が自分の好きな方法で買い物ができる利便性を提供しています。また、QRコードも積極的に活用しており、消費者はQRコードから必要な情報を簡単に見つけられます。
また、450店舗にiPadとiPod Touchを導入し、消費者が店舗内の情報、商品の在庫、商品の詳細情報などをタイムリーに取得することができるサービスも提供しています。これらの情報の中には、数多くの商品レビューや、商品を説明しているプロダクトビデオなどの有用なコンテンツが数多く含まれており、消費者は店舗にいながらにしてWiFiを経由してウェブの情報にアクセスできます。
● 活用事例②:メイシーズ(Macy's)
メイシーズは、モバイル用のウェブサイトを消費者に提供しています。スマートフォンとタブレットからPC用のURLにアクセスすると、自動的にモバイル専用サイトが立ち上がるわかりやすいインタフェースを実現しています。
メイシーズもまたQRコードを積極的に活用しています。消費者は、メイシーズから配布されたQRコードを印刷したバックステージ・パス(通行証)を使って、QRコードから最新のファッション情報にアクセスできます。この中には、有名デザイナーのビデオが数多く含まれており、2011年春のキャンペーンでは ボビー・ブランのメイクアップチュート
リアルビデオが視聴できるQRコードが最も数多くダウンロードされたのとことです。
⇒ メイシーズのQRコードを活用したイン・ストア・キャンペーンのビデオ
● その他
⇒ スターバックスコーヒーのバレンタインディーキャンペーンのビデオ
⇒ 地下鉄構内に出現した韓国Homeplus社のバーチャルショップのビデオ
⇒ アトムリビンテックさまのiPadに最適化されたプロダクトビデオ
⇒ さいたま県庁さまのiPhoneとiPadに最適化された”サイタマどうが”
スライドは以下からダウンロードできます。是非ご活用ください。
2月24日にソフトバンクモバイルさま、イシン株式会社の大木さんと一緒に開催するセミナー「動画×アイパッド:企業のためのアイパッド最新活用セミナー」 について再度告知させてもらいます。と言っても、単なるプログラムの概要ではなく、当日私が話しをする内容ついて簡単に紹介したいと思います。
ここ最近の私の関心はモバイルにあります。モバイルと言っても、どちらかというと従来までの携帯ではなく、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス系です。タブレットについては、PCに分類する考え方もあるようですが、私はモバイルに分類するのが適切だと考えています。
また、米国ではスマートデバイスという言い方よりも、モバイルという言い方が一般的になっているように感じます。そして、そのモバイルが、陳腐な表現になってしまいますが、いま米国で間違いなくキテいます。
そんな背景もあって、2月24日のセミナーでは以下について話をする予定です。
■ 予定しているコンテンツの内容
1. 米国における最近のモバイルの動向
・2011年末のホリデーシーズン期間におけるモバイルのショッピング動向
・2012年2月に開催されたスーパーボウルにおけるモバイルの利用動向
・モバイル広告の現状と成長予測
・モバイルコマース、タブレットコマースの現状と成長予測
2. 米国における最近のモバイルビデオの活用事例
・モバイルビデオの優位性
・クロスチャンネルモバイルビデオの活用事例
・モバイルビデオブランディングの活用事例
・モバイルビデオマーケティングの活用事例
・モバイルコマース、タブレットコマースでのビデオ活用事例
3. 国内における最近のモバイルビデオ活用事例
・CM配信活用事例
・アパレル業界のモバイルビデオブランディングの活用事例
・行政機関のコンテンツ配信活用事例
・ビデオ社内報活用事例
・営業支援ビデオ活用事例
4. その他
・モバイルビデオ導入のポイント
・モバイルビデオ導入コスト
最近は国内でも、企業や教育機関がiPhoneやiPadを導入した事例が増えています。中でも、ビデオはiPhoneやiPadと非常に相性が良く、人気のコンテンツの1つになっています。そして、iPhoneやiPadとビデオを組み合わせた事例もたくさん登場しています。そんな、企業のモバイルビデオの活用事例を、できるだけ詳しくたくさん紹介したいと考えています。
まだ多少空きがありますので、これからiPhoneやiPad+ビデオの導入を検討している、iPhoneやiPadを導入したものの上手く活用できていない、ビデオ始めたいけどどんなコンテンツしたら良いかわからないなどといった課題をお持ちの企業の担当者の方は是非ご来場ください。お待ちしております。
また、イシンの大木さんからは、国内のビデオ以外の事例や、導入当たって気をつけておきたいポイント等、役に立つ話がたくさん聞けます。
セミナーへのお申し込みは以下のサイトから可能です。是非早目にお申し込み下さい。
2月5日のスーパーボウルでのマドンナのパフォーマンスがネットで話題になっている。好き嫌いは別にして、マドンナらしい圧巻のパフォーマンスだったことだけは間違いない。同時期に公開されたマテリアルをセルフカバーしたミュージックビデオも、スーパーボウルがテーマになっていて面白い。
マドンナのミュージックビデオは、YouTubeに数多くアップされているので、お気に入りのビデオを探してみてほしい。今日は、最近公開されたばかりのユニークなミュージックビデオを2つ紹介したい。
2つのビデオは、出演しているバンドの知名度もビデオの制作手法も全く違うにもかかわらず、ビデオの持ってる独創性という点で共通点を持っている。どちらもチェックしておきたいビデオだ。
① レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ「Look Around」
● レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ:Look Around」
人気ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの新作ミュージックビデオ「Look Around」が面白い。ミュージックビデオには珍しいインタラクティブビデオのスタイルを取り入れているのだが、今までのインタラクティブビデオにはない、非常にユニークな内容になっている。
基本的には、視聴者がマウスとキーボード操作で、自由に画面上のコンテンツをコントロールできるようになっている。
★ 「Look Around」の簡単な操作方法
[↑] ズームイン(画面が大きくなる)
[↓] ズームアウト(画面が小さくなる)
[→] 右に移動
[←] 左に移動
右から2番目の「Show Hints」ボタン:次のアクションのヒントが表示される
右上の✖ボタン:前のアクション画面に戻る
絶対に試してみて欲しいのが [→]と[←]キーだ。押し続けていると、画面が少しづつ横に移動して、最終的にはシーンが切り替わってしまう。非常に珍しい新しい場面に切り替えるインタフェースだ。
■ 「Look Around」の操作方法<ズームイン&ズームアウト>
■ 「Look Around」の操作方法<シーンの切り替え>
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのような大物バンドが今回のようなインタラクティブミュージックビデオを公開したことで、今後他のバンドも真似してくる可能性が十分ある。実際に体験してみるとわかると思うが、自分のお気に入りのバンドの練習風景を自由に操作できるのは、ファンにしてみればこれほど嬉しいことはない。自然とビデオの視聴時間も長くなってくる、そんな完成度の高いビデオである。
② オーケー・ゴーの「Needing/Getting - Official Video 」
● オーケー・ゴー:Needing/Getting - Official Video
もう1本は、毎回独創的なミュージックビデオが人気のシカゴ出身の人気バンド、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」とは正反対のハチャメチャな演出で今回も楽しませてくれる。
圧巻なのは、何百台ものピアノとギターを車に取り付けたバーのようなもので鳴らしながら疾走するシーン。しかも、いつものようにちゃんと車内で歌と演奏もこなしている。普通のミュージックビデオでは考えれられないような独創的な演出で、今回も見る者を楽しませてくれる。
今回のオーケー・ゴーの「Needing/Getting」だが、驚いたことに自動車メーカーのシボレーがスポンサーについている。確かに、自動車をよく確認するとシボレーであることがわかる。自動車を使ったパフォーマンスが得意なオーケー・ゴーなので、自動車メーカーと相性が良いのは間違いないが、大手の自動車メーカーが独創的な演出を得意とするオーケー・ゴーのスポンサーになったというのはかなり画期的なニュースだと言っていいだろう。
参考までに、先日のスーパーボウル向けにシボレーが公開したビデオが、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」と同じモチーフで制作されており、比べてみると面白い。
● シボレー:Chevy Volt - Aliens (Super Bowl Ad 2012)
③ 今回のまとめ
今回紹介した2本のミュージックビデオを見て感じたのは、ミュージックビデオもコンテンツの中味が問われる時代になりつつあるということ。単にお金を注ぎ込んで豪華なだけのビデオでは、ファンは振り向いてくれなくなっている。ビデオコンテンツの企画力や中味が問われる時代になったと言っていいだろう。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」は、インタラクティブというミュージックビデオでは珍しい技術を採用して、ファンに新しい経験をもたらしてくれた。キーボード操作で画面をいろいろ切り替えていると、スタジオを自分がコントロールしているような錯覚に陥ってくる。
アーティストがファンとエンゲージする1つの方法として、インタラクティブミュージックビデオは今後注目されるだろう。なぜなら、間違いなくビデオの視聴時間が普通のミュージックビデオよりも長くなるからだ。
一方、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」は、技術的に全く目新しいものはないが、彼らの企画力の素晴らしさがコンテンツの全てだと言っていいだろう。独創的なビデオコンテンツを創造すれば、シボレーのようなビッグスポンサーの目に留まる可能性があることをオーケー・ゴーは証明してくれた。
なんだか、ミュージックビデオが面白くなってきそうだ。
⇒ ニュースソース:「Look Around" With The Red Hot Chili Peppers Interactive Music Video」
ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の米国大手スポーツ専門チャンネルESPN(日本語ではイーエスピーエヌと発音する)のモバイル事業部門の責任者マイケル・ベイルが、先月(2012年1月25日‐28日)開催された「MediaPost's Mobile Insider Summit」 カンファレンスで、「モバイルが1番目のスクリーンである」と発言したニュースが米国でちょっとした話題になっている。
モバイルが1番目のスクリーンだという発言は、モバイルがテレビとPCよりも重要な端末であることを示唆する、モバイルにとって非常に重要な意味を持つ発言だ。遡れば、グーグルの元CEOエリック・シュミットが、2010年2月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress」カンファレンスで、”Mobile First”という言葉で来るべきモバイル時代の幕開けを宣言してからわずか2年でそれが実現したことになる。
今回は、ESPNが最近ローンチしたアプリを参照しながら、ESPNのモバイル戦略とスポーツビジネスにおけるモバイルの可能性について考えてみたい。
【1】 ESPNのモバイル戦略について
ESPNにとってモバイルがいかに重要であるかを示す数字がある。まず、2011年にESPNのモバイルコンテンツの利用に消費した時間が前年より45%も増えているという。また、ESPNのモバイルからの視聴者は2,000万人を超えており、その上常に15万人が接続されているENPNにとって4番目に大きなネットワークに成長しているとのこと。
● 数字で見るESPN
① 2011年のモバイルの利用時間は前年度より45%増えている。
② モバイルからの視聴者は2千万人を超えている。
③ 15万人が常時接続されている。
ESPNにとって、モバイルはコンテンツ戦略の根幹を成すものであり、新しい番組を企画する場合でもまずモバイルへの対応を1番目に考え、その後にテレビ、ウェブ、印刷物への対応を考えるという。つまり、コンテンツの企画を考えるスタート地点がモバイルになっているというのだ。そして、こうした背景が「モバイルが1番目のスクリーンである」との発言につながっていく。
● コンテンツの企画はモバイルへの対応を1番目に考える
また、モバイルは視聴者を増やすためにも重要であり、特に海外市場を見据えた国際的観点から見た場合、モバイルは視聴者を増やすために欠かせないという。つまり、海外市場の観点から見ても、モバイルは最優先するべきメディアになっているということだ。
では、ESPNは実際にどのようなモバイル戦略を実行しているだろうか。ESPNが最近ローンチとしたコンテンツを見てみたい。
【2】 ESPNのモバイル戦略にとって重要なアプリ
ESPNのモバイル戦略を語る上で外せないのが、昨年から力を入れているタブレット用のアプリ開発だろう。
① WatchESPN
WatchESPNは、アップルストアから無料で入手ができるが、残念ながら日本ではダウンロードができない。よって、ウェブで調べた記事をベースに概要を伝えたい。
WatchESPNは、タイムワーナーケーブル、ブライトハウスネットワークス、ベライゾンFiOsテレビの会員であれば、iPadからライブイベント映像が見れることから、米国のユーザの間ではかなり話題になったアプリだ。日本で利用できないのが本当に残念。
現在はiPhone用アプリも提供されているらしく、WatchESPNでは現在以下のビデオコンテンツの視聴が可能だとのこと。
・NBAのレギュラーシーズンとプレイオフ
・メジャーリーグベースボール
・アメリカンフットボール
・マスターズ、USオープン、
・大学のフッボール、バスケットボール、バークレイプレミアリーグ
・テニスの4大大会他
これらのコンテンツは、全てライブストリーミング配信されており、会員は、お気に入りのESPN番組にアクセスしてライブビデオを視聴することができる。
尚、WatchESPNのコンテンツは、ウェブサイト上でも視聴することができるので、内容はこちらで確認してほしい。
● WatchESPNアプリのキャプチャー画面
② ESPN The Mag
ESPNは、WatchESPN以外にも有料・無料のアプリを数多くローンチしているが、日本でも利用できるアプリとして、ESPN The Magがある。ESPN The Magも無料で提供されており、特に会員登録などをしなくてもビデオコンテンツの視聴やマガジンのダウンロードができる。ESPNのコンテンツを手っ取り早く体験してみたいというユーザには持って来いのアプリだ。
※ ESPN The Magはアップルストアから無料でダウンロードできる。
● ESPN The Magのキャプチャー画面
ESPN The Magで一番お薦めのコンテンツはやはりビデオだ。スポーツファンの興味を離さない試合のハイライト、ダイジェスト、インタービューなどの高品質なビデオがたくさん用意されている。
ESPNがアプリに比重を置くのには理由がある。モバイルからコンテンツにアクセスするトラフィックを調査したところ、トラフィックの大部分がアプリからだったという。ESPNの場合、メインコンテンツはライブとオンデマンド両方の形式で提供するビデオになる。ビデオへのアクセスには、モバイル専用サイトよりもアプリが向いているということなのだろう。
ESPNによれば、今後もアプリ開発への投資は増えるだろうとのことだ。
【3】 今回のまとめ
ESPNにとって、モバイルは、大量のビデオコンテンツと消費者、そしてテレビ、ウェブ、紙媒体などのメディアを接続するゲートウェイの役割を果たしている。モバイルはESPNのクロスプラットフォーム戦略の中心として機能しているのだ。
ESPNは、テレビの視聴率を増やすためにも、モバイルへの投資は今後も欠かせないと判断している。ESPNにとって、モバイルとテレビは視聴率を奪い合うものではなく、お互いを補完し合う関係になっていると言っていいだろう。モバイルをきっかけにESPNを知ったユーザは、違う目的のためにテレビの視聴を検討するようになるのだという。
ESPNによれば、モバイルを中心としたクロスプラットフォーム戦略は、消費者だけではなく、広告主の企業にもメリットをもたらすという。ESPNの番組に広告を出稿したいが、テレビ、ウェブ、印刷物に出稿する予算がない企業にとって、モバイルはコストをあまりかけずにESPNのスポンサーになるベストな方法だという。
“Mobile 'First Screen‘(モバイルが1番目のスクリーンである)”は、現時点ではスポーツビジネスに限ったことなのかもしれない。しかし、スポーツ以外のコンテンツ、音楽、映画、アニメなどの分野で“Mobile 'First Screen‘(モバイルが1番目のスクリーンである)”が叫ばれるようになるのは、もはや時間の問題だろう。
最近のモバイルの勢いを見ていると、そう思わざるおえない。
今週末の日曜日(2月5日)、いよいよ全米が待ち焦がれているNFLスーパーボウルが開催される。今年は、ニューヨークを本拠地とするジャイアンツが4季ぶりに進出するとあって、ニューヨーカーの間でも関心がひときわ高いらしい。
このスパーボウルだが、米国内だけでも1億人がテレビ中継を視聴すると言われている。そして、期間中に放映されるテレビコマーシャルの価格が、世界で最も高額であるとして知られている。今年の30秒枠の放映料の平均価格は350万ドル(約2億7千万円)、1秒換算にすると約900万円だ。
ただ、価格がこれだけ高騰しても、注目度も桁違いであることから、世界的に名前が知られている企業がこぞって出稿することでも知られている。今年も昨年に引き続き、ゼネラル・モーターズ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、トヨタ自動車、ホンダ、現代自動車などモーター業界の出稿が多く、ハーフタイムはちょっとしたモーターショーが繰り広げられることになりそうだ。
そんな中にあって、飲料業界の巨人コカ・コーラは、昨年の11月から展開しているシロクマ保護キャンペーンを、今回のスーパーボウルとタイアップさせ展開すると発表した。しかも、今回のスーパーボウル用の広告は、テレビ、ソーシャルメディア、モバイルの3つのメディアをミックしたカタチで展開するらしい。
特に興味深いのが、コカ・コーラがキャンペー用に用意したビデオを、ソーシャルメディアを通して試合中に友達や家族にシェアすると、シロクマ保護基金に自動的に1ドル寄付ができる仕組みになっている点だ。
【1】 モバイル端末で簡単に1ドル寄付できるコカ・コーラのシロクマ保護キャンペーン
今回のスーパーボウルとタイアップしたシロクマ保護キャンペーンを説明する前に、コカ・コーラが昨年の11月に始めた本来のシロクマ保護キャンペーンについて説明しておきたい。
コカ・コーラとシロクマの付き合いは、実は1922年に遡る。シロクマの保護活動をするために、クリスマスシーズンにシロクマを起用した白い缶のコカ・コーラを発売したのが始まりである。1993年には、世界自然保護基金(WWF)と一緒に、シロクマとシロクマの生息地北極を保護するための活動を支援するためにパートナーシップを結んでいる。
そして、昨年の11月にコカ・コーラとWWFが共同で立ち上げたのがArctic Home基金だ。コカ・コーラはWWFに200万ドル(約1.5億円)を寄付し、さらに2012年3月15日までに消費者が寄付した額(最大100万ドル)を追加で寄付するとしている。キャンペーン期間は2011年11月から2012年2月までの4カ月間で、キャンペーンを記念して2頭の子熊を連れた母シロクマがデザインされた白い缶のコカ・コーラを発売している。
※ 残念なことにこの白缶、日本では発売されていない。
■ コカ・コーラのArctic Home基金キャンペーン限定の白缶
■ Arctic Home基金に関するビデオ
Arctic Home基金への寄付はモバイル端末から簡単にできる。白缶を買った消費者は、缶に記載されたテキストコードを、モバイル端末からArctic Home基金に送るだけだ。これだけで1ドルの寄付が完了する。寄付に必要なコードも、白缶かボトルのパッケージを買えばすぐに見つかるらしい。また、寄付した1ドルは、キャリアから毎月送られてくる請求書に自動的に加えられる。
寄付はもちろんPCからもできる。消費者はPC用のウェブサイトにアクセスして、クレジットカードで寄付ができる仕組みになっている。キャンペーンでは、消費者がArctic Homeプログラムについて学びながら寄付ができるiアプリも展開している。アプリをダウンロードすれば、消費者はゲーム、ポイント収集、勝者への挑戦権、タブレットのプレゼント応募、北極旅行のプレゼント応募などのコンテンツが利用できる。
コカ・コーラ側はこのArctic Home基金について次のように語っている。
「我々Arctic Homeの最初のゴールは、認知度の拡大とシロクマと生息する場所の保護を助けるためのファンドの創出である。Arctic Homeを通して立ち上がったファンドは、調査、現地の知識の集約、コミュニティベースの協力を通して、シロクマとシロクマの住んでいる北極を保護するWWFの活動を支援するために使われます。また、我々はファンとコミュニケーションができるいかなる方法でも試します。モバイル、店舗内、自宅の外、ウェブサイトなど。我々はこの360度アプローチが、効率的なマーケティングと認知度アップのための本質であると信じています」
中でも、簡単に寄付ができる利便性を消費者に提供している、モバイルがキャンペーンの中心であることは間違いないだろう。
【2】 専用のモバイルサイトからビデオをシェアして1ドル寄付できるキャンペーン
コカ・コーラは、さらなる寄付金集めのために、来るスーパーボウルとタイアップした巨大な広告キャンペーンを展開する。それは、このスーパーボウルのためだけに用意されたモバイル専用ウェブサイトを使った、大規模なシロクマ保護キャンペーンになる。
コカ・コーラのスーパーボウル用の広告は、テレビ、モバイル、ソーシャルメディアの3つのメディアを横断したカタチで展開される。公開されている情報によれば、試合の経過をリアルタイムに反映させ、3つのメディアに横断的に配信するらしい。
スーパーボウルの主役ももちろんシロクマだ。コカ・コーラは、今回のマルチチャンネルキャンペーンの顔に、例のシロクマを起用している。スーパーボウルの試合中、試合のために最適化されたモバイル専用サイトのURL、cokepolarbear.comを自分のモバイル端末のブラウザに入力してサイトにアクセスできる。そして、そのモバイルサイト上で、消費者は試合の経過によって更新されるビデオが視聴できる。
■ スーパーボウル専用モバイルサイトのキャプチャー
今回のキャンペーンのメインコンテンツは、どうやらビデオのようだ。その証拠に、寄付するのにビデオが使われている。寄付の仕組みも非常に簡単だ。
消費者が専用モバイルサイトで視聴したビデオを、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを通して友達や家族にシェアする毎に、コカ・コーラがシロクマ保護キャンぺーンに1ドル寄付するという仕組みだ。お気に入りのビデオをシェアするだけで、シロクマを保護する活動に参加できるのである。
今回のスーパーボウル用のキャンペーンでは、ビデオと並んでソーシャルメディアもかなり重要なポイントになっている。フェイスブックファンページはファン同士がコミュニケーションする場として、さらにビデオをシェアする場として活用されるだろう。また、ツイッターは#GameDayPolarBearsのハッシュタグを用意して、試合中簡単にツイートできるようにするらしい。
今回のコカ・コーラのスーパーボウル向け広告キャンペーンは、昨年の11月に始まった大規模なArctic Home基金のフィナーレを飾ることになるのかもしれない。また、コカ・コーラは、シロクマ以外の野生動物を保護する活動も支援している。2月5日の結果を楽しみに待ちたい。
【3】 今回のまとめ
試合を観戦しながら、ダイナミックに更新されるビデオをモバイル端末で視聴する。想像しただけでワクワクしてくる。モバイルは、スーパーボウルのような野外で行われるイベントと相性が良い。
日本でもサッカーの試合やアーティストのコンサートなどでの利用が考えられる。コンテンツは、すぐに理解できるビデオに尽きるだろう。時間も15~30秒くらいがベストだ。モバイルを活用したキャンペーンは手軽に始められることから、今後も面白い事例が増えてくる分野だと考えられる。
成功のポイントは、今回のコカ・コーラが実践しているように、ウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディアなどとミックして展開することだ。
⇒ ニュースソース:「Coca-Cola drives campaign donations via branded Super Bowl mobile site」
米国のZmagsから、1,500人のスマートフォンとタブレット所有者を対象に、2011年のホリデー期間中のモバイルコマースの現状を調査した非常に興味深い調査レポートが発表されている。そこで今回は、この調査レポートで明らかになったモバイルコマースの現状についてまとめてみたいと思う。
【1】 モバイルの所有者はアプリよりもウェブサイトを好む
2011年のホリーデーシーズン期間が記録的なセールスを記録したこと、そしてモバイルコマースが無視できない大きな存在になったことは、いろいろなレポートで報告されている通りである。例えば、その中のエピソードを1つだけ紹介すると、タブレット所有者の87%が昨年のホリデー期間中に自分のタブレットを使用し、平均325ドルショッピングしたという。
しかし、それ以上に興味深い今回の調査結果は、スマートフォンやタブレットのアプリを使ったショッピングを好む消費者が、たったの4%しかいなかったことである。この4%という数字は、ちょっとした衝撃を与えてくれる。
ショッピング用アプリの方が、ブラウザベースのモバイルとタブレットコマースの専用ウェブサイトよりも優先順位が高いと考えていた小売事業者が多いはずだからである。下のグラフを見てほしい。スマートフォン、タブレットともにアプリを使ったショッピングを好むと回答した所有者はどちらも4%しかいない。一方、専用ウェブサイトでのショッピングを好むと回答した所有者は、タブレットが9%、スマートフォンが14%となっている。
Point-①:
アプリを使ったショッピングを好むモバイルユーザはわずか4%
■ 消費者が好むショッピングのスタイル
アプリがスマートフォンとタブレットの所有者に好まれていないのではない。あくまでも、ショッピングの目的で利用する際にアプリが好まれないというだけだ。ゲーム、ビデオ、音楽の利用では断然アプリの方が人気が高い。
ショッピング利用にアプリが好まれない理由について考えてみたのだが、一番の理由は、PCのウェブサイトで使い慣れた使用感から離れたくないからだと考えている。アプリの種類にもよるだろうが、アプリのユーザーインタフェースはお世辞にも使いやすいとは言えないものが多い。あのYouTubeでさえ、PCの方が断然使いやすい。
スマートフォンはまだしも、タブレットはスクリーンサイズもノートPCにほぼ匹敵する大きさを実現している。ショッピングにPCと同じ使用感を求めるのは当たり前のことだろう。ウェブサイト並みの使用感を実現したアプリが登場してこない限り、この差はなかなか埋まらないような気がしてならない。
参考までに、下のグラフは、米国の小売事業者のモバイルコマース用のアプリを提供している割合を表したものである。モバイルコマース用のアプリを提供済みの小売事業者はまだ19%に過ぎない。ただ、消費者のニーズとは反対に、今後提供する小売事業者が増えてくることは間違いなさそうだ。
Point-②:
モバイルコマース用アプリを提供している小売事業者はわずか19%
■ モバイルコマース用アプリを提供してる小売事業者の割合
【2】 タブレット所有者はカウチポテトを好み、ハッピーとワクワク感を感じている
Zmagの調査結果によれば、タブレット所有者の約3分の1が自分のタブレットでショッピングするのを好むという。また、2011年のホリデー期間中にタブレットでの購入が多かった分野は、電化製品、洋服、おもちゃ、ラグジュアリーで、特にタブレット所有者の半分以上が、自分のタブレットで洋服を探すと回答している。
タブレット所有者の38%が自分のタブレットを通して商品を購入している。また、タブレットでブラウジング&購入されている割合は、玩具がブラウジングが43%で購入が38%となっており、何人かのタブレット所有者は、ダイヤモンドの指輪、時計、ブレスレットなどの高額商品を自分のタブレットを使って購入したという。
興味深い調査結果はそのショッピングスタイルだ。タブレット所有者は長時間ソファに寝転びながらショッピングするカウチポテト派が多いという。タブレット所有者の50%が、ソファの上がショッピングする一番好きな場所であると回答しており、それ以外に20%がベット、キッチン、ショッピングモール、コーヒーショップ、交通機関の中でショッピングすると回答している。
このショッピングスタイルは、タブレットコマース特有のものだと考えられる。今までのイーコマースのように、PCの前に座ってショッピングだけを楽しむのではなく、何か他の作業をやりながら、ついでにショッピングを楽しむのがタブレットコマース流ということになる。
Point-③:
タブレット所有者の50%がカウチポテトスタイルのショッピングを好む
もう1つ興味深い調査結果が、タブレット所有者のショッピングの際に感じる感情の種類だ。タブレット所有者の50%以上が、他のオンラインショッピング、モバイル、店舗内でショッピングするよりもハッピー、ワクワク感を感じながらショッピングしていると回答している。
この感情を感じる割合は男性よりも女性に多く、ハッピーと感じているのは男性が51%で女性が57%、ワクワク感を感じているのは男性が36%で女性が46%。しかし、2011年のホリデー期間中に自分のタブレットで201~500ドル消費した割合は、女性の37%に対して男性は52%という調査結果が出ており、ハッピーとワクワク感は感じていても、財布の紐は固いという女性の特徴がよく出ている。
Point-④:
タブレットは消費者をハッピー&ワクワクさせる
最後に、2012年の予測として、スマートフォン所有者のシッピング率は19%、タブレット所収者のショッピング率は49%という数字が出ている。この数字は、スクリーンサイズの大きなタブレットの方がショッピング向きなことを示している。よって、2012年以降のモバイルコマースの主役が、今まで以上タブレットになることはまず間違いないだろう。
【3】 参考情報
②「87 Percent of Tablet Owners Using Tablets for Holiday Shopping, Finds Zmags Study 」
eMarketer から、米国のモバイル広告市場が急成長しているという調査報告が発表された。eMarketerは、2011年9月にも同じ調査報告を発表しており、今回は前回の修正予測になる。会社の決算報告に例えるなら、予想以上に数字が伸びそうなので、慌てて上方修正したというところだろうか。
今回eMarketerから発表された修正予測は、前回の予測をかなり大きく上回っており、モバイル広告への投資が、米国の企業にとって重要なポジションにあることを証明する結果となっている。
⇒ eMarketer:「US Mobile Ad Spending Soars Past Expectations」
【1】 eMarketerの2011年9月と2012年1月の市場規模予測の違い
まず、eMarketerが2011年9月に発表した予測と、今回発表した最近の予測がどれくらい違うのかを見てみたい。下のグラフは、eMarketerが公表しているデータを私が1つのグラフにまとめたものである。
グリーンが2011年9月に発表された予測データ、ブルーが2012年1月に発表された予測データだ。去年の米国のモバイル広告の支出を、当初は2010年の7億4千万ドルから65%アップの12億3千万ドルと予測していたが、これを今回、89%アップの14億5千万ドルに修正している。
2011年だけを見れば、たかが2億2千万ドルの差にすぎないこともあり、大きなインパクトはない。問題は2012年以降の差だ。今年の予測データを、2011年9月時点では、前年度から47%アップの18億ドルと見ていた。ところが、この2012年の支出予測を、今回は80%アップの26億1千万ドルに大幅修正している。ここですでに8億ドルもの差異が出ている。
そして、2013年以降はこの差が年々開く一方になる。3年後に当たる2015年の数字を見てほしい。当初44億ドルと予測されていたのに、今回は約2倍の87億ドルに大幅修正されているのである。それだけ、モバイル広告が当初の予測を大幅に上回る勢いで伸びているということになるのだが、それにしても凄い数字だ。
■ eMarketerによる米国モバイル広告費の市場規模予測差異
■ eMarketerによる米国モバイル広告費の成長率差異
まだ半年も経たないうちに大幅に予測を修正せざるおえなかった理由はなんだったのだろうか。eMarketerは、米国のモバイル広告市場において以下の要因があったことを指摘している。
① グーグルのモバイル検索エンジン広告の急速な拡大
② タブレットとスマートフォン向けディスプレイ広告の急速な成長
③ グーグルのAdMob、アップルのiAdをはじめとしたモバイル広告ネットワークの成長
つまり。スマートフォンとタブレットの急速なシェア拡大が、モバイル広告費の市場を予想を超えたスピードで押し上げたと考えていいだろう。また、eMarketerはもう1つの要因として、リサーチ会社や大手広告代理店から最新の調査データを入手できたことをあげている。複数のデータをまとめて、より精緻な予測を行なった結果が、今回の修正に反映されていると見ていいだろう。
【2】 米国のモバイル広告費に関する各種調査比較
モバイル広告費の市場規模予測については、いろんなリサーチ会社や広告代理店が調査レポートを公開している。それぞれのレポートが、どれくらい差異があるのか、eMarketerのデータを参考にして表にまとめてみた。
一番上がeMarketerが2011年9月に発表したデータ、その下が今回発表したデータである。それ以下は各リサーチ会社や広告代理店などが発表したデータをそのまま引用している。
■ 米国のモバイル広告市場規模予測の各種データ比較表
この表を見てもわかるように、市場規模予測のデータほど当てにならないものはない。これだけバラバラだと、どの調査レポートを信用していいのかわからなくなってくる。今回のeMarketerの市場規模予測データは、フォレスター・リサーチのデータに一番近い。両方のバランスを見るのが、正しいアプローチなのかもしれない。
eMarketerも、今回これらの調査レポートを参考にしたことを認めている。そう言う意味では、かなりビジネスの実態に合った調査報告だと考えていいだろう。
【3】 米国モバイル広告費のフォーマット別シェア
次に、モバイル広告費がどんなフォーマットに分類されるのか、フォーマット別の広告費の支出額とシェアの成長率を見てみたい。eMarketerは、モバイル広告のフォーマットを、検索エンジン広告、ディスプレイ広告、メッセージング広告、ビデオ広告の4種類に分類している。
下のグラフは、eMarketerが発表したデータを元に、2011年から2016年までのモバイル広告のフォーマット別の広告費の支出額と、全体に占めるそれぞれぞれのシェア率をまとめたものだ。
■ 米国のモバイル広告費のフォーマット別支出額
■ 米国のモバイル広告費のフォーマット別シェア
① 検索エンジン広告
今回のeMarketerがモバイル広告費の市場規模予測を修正するきっかけになった背景には、モバイル検索エンジン広告の急速な成長があると言われている。
eMarketerは、2011年のモバイル検索エンジン広告費を、前年の2億5千万ドルから3倍近くアップした6億5千万ドル、そして今年2012年は前年の約2倍である12億8千万ドルと予測している。その後の成長率は鈍化し、2016年のモバイル検索エンジン広告費は53億ドルとなる。
モバイル検索エンジン広告は、モバイル広告費のフォーマット別で、6年間に渡り首位の座を守り続ける。しかし、全体に対するシェアは2011年が45.0%で、2014年の50.3%をピークにその後は低下し続けることになる。結果的には、2011年から2016年までの6年間でシェア率は3.5ポイントしか伸びていない。
長いスパンで見ると、わずかではあるが、シェアは低下傾向にある広告フォーマットだと考えられる。
② ディスプレイ広告
eMarketerは、2011年のモバイルディスプレイ広告費を4億5千万ドル、そして今年2012年は前年の2倍近い8億6千万ドルと予測している。その後の成長率はモバイル検索エンジン広告ほどではないものの、やはり鈍化し続け、2016年のモバイルディスプレイ広告費は40億ドルとなる。
モバイルディスプレイ広告は、モバイル広告費のフォーマット別では6年間に渡り検索エンジン広告に次ぐ2位の座を守り続ける。シェアも2011年の30.7%から毎年増え続け、2016年には2011年から7.7ポイントアップの37.0%となる。
広告費の支出額だけではわからないが、モバイル広告費全体に占めるシェアを見ると、将来性は検索エンジン広告よりもディスプレイ広告の方が高いことがわかる。2011年の両者のシェアの差は15.7%あったが、2016年にはこれが11.5%にまで縮まっている。
③ メッセージング広告
eMarketerは、2011年のモバイルメッセージング広告費を2億8千万ドル、そして今年2012年は3億2千万ドルと予測している。その後の成長率も前年を下回ることはないものの、急成長することもなく、2016年のメッセージング広告費は約5億ドル。
メッセージング広告は、モバイル広告費のフォーマット別で2013年までは3位に座るが、2014年にはモバイルビデオ広告に追い抜かれてしまう。シェアも2011年の19.6%をピークに、その後は毎年下がり続け、2016年には2011年から15.1ポイントダウンの4.5%%になってしまう。
モバイルメッセージング広告は、広告費の支出は下がることがないものの、モバイル広告費全体に占めるシェアは急速に存在感を失い、将来性があまり期待できないモバイル広告フォーマットだといえる。
④ ビデオ広告
Marketerは、2011年のモバイルビデオ広告費を6千8百万ドル、そして今年2012年は前年の2倍以上1億5千万ドルと予測している。その後の成長率は全フォーマット中ダントツの勢いを見せ、2014年にはメッセージング広告を追い抜き、最終的な2016年のモバイルビデオ広告費は11億ドルになる。
モバイルビデオ広告は、全体に占めるシェアでも2013年にメッセージング広告を抜き去り、2011年に4.7%しかなかったシェアは2016年に10.0%にまで上昇する。ポイントだけで見れば6年間で4.3ポイントのアップに過ぎないが、シェアを2倍以上も伸ばしているのは、全フォーマット中モバイルビデオ広告だけだ。
モバイルビデオ広告は、今後最も成長が期待できるフォーマットとして、広告代理店や広告主である企業から注目されている。2011年時点では6千8百万ドルと1つだけ桁が違っているが、LTEやWiFiといったインフラが整備されれば、今回の予測を大幅に超える可能性が残されている唯一のフォーマットだと考えられる。
【3】 今回のまとめ
今年の1月19日、同じeMarketerから米国のオンライン広告費に関する市場規模予測も発表されている。
⇒ eMarketer:「US Online Ad Spend to Close in on $40 Billion」
2012年のオンライン全体の広告費は395億ドルで、初めて旧メディア(新聞、雑誌など)の338億ドルを上回るという。2012年は、オンライン広告にとって歴史的な1年になりそうだ。
さて、2012年のモバイル広告費が26億ドルということは、上方修正したとはいえ、オンライン広告費全体から見れば、そのシェアはまだ6.6%しかない。しかし、ここで注目したいのは、オンラインビデオ広告費の成長率だ。
オンラインビデオ広告費の2012年の成長率はすでに23.3%しかない。一方、モバイル広告費の2012年の成長率は80%もある。つまり、オンライン広告全体で見ればさほどの成長率はもう期待できなくなっており、今後の成長はモバイルの肩にかかっているのだ。
下のグラフを見てほしい。2012年に6.6%に過ぎなかったモバイル広告費のオンライン広告費全体に占めるシェアは年々増え続け、2016年には17.5%にまで上昇する。オンライン広告の未来がモバイルにあると言っても決して過言ではない。
■ オンライン広告費とモバイル広告費の支出額
■ オンライン広告費とモバイル広告費の成長率とモバイル広告費のシェア




































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