内田裕也がぶっきらぼうに「ノーコメント」。ゼクシィの新しいCMがいい
先週の金曜日からテレビで放映されている、結婚情報誌「ゼクシィ」の新しいCMがいい。個人的に一番気に入っているのが、大胆なキャスティング。なんと、ロック歌手の内田裕也(71歳)と女優の樹木希林(68歳)夫妻が揃ってCMに出演している。夫婦揃っての共演は、1973年の結婚以来初めてのこと。結婚39年目にし初共演だというから、ちょっと驚いた。息が合っているんだかいないんだかわからないような、二人のやり取りが絶妙である。
CMの内容はと言えば、コンセプトにもなっている「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く)」が表しているように、結婚して夫婦になること、家族を作ることの良さを伝える内容になっている。CMは全部で17パターンもあって、それぞれで内田裕也と樹木希林の掛け合いが見れる。二人とも和装で、紋付きはかま姿にサングラス姿の内田裕也の存在感が際立っている。内容はこんな感じだ。
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樹木希林 「結婚の良いところってなんでしょうね~」と問いかける。
内田裕也 「ノーコメント」とぶっきらぼうに返す。※「ROCK'N ROLL」というバージョンもあり。
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内田裕也に言わせている台詞が、味わいがあって実にいい。ぶっきらぼうでありながら、結婚、夫婦、家族の良さがちゃんと伝わる内容になっている。控え目な樹木希林と、男は多くを語らずの内田裕也のコントラストが、年を重ねて生きて行くことの意味を見る者に語りかけてくれている。そもそも、今回の結婚39年目にしての初共演も、「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く」というコンセプトに二人が共感して出演を決めたということらしい。そういう意味では、二人も相当の思い入れがあって、出演をOKしたのかもしれない。また、このCMの撮影自体も今回の震災の影響を受けていて、本来は3月末に千葉の九十九里浜で撮影されるはずだったのだが、震災の影響で急遽ロケが取りやめとなってしまい、川崎市内にセットを用意しての収録に変更して完成にこぎ着けることができたということらしい。
バックには結婚したい男性芸能人NO1福山雅治(42歳)が書き下ろした新曲「家族になろうよ」が流れるのだが、この曲もCMのコンセプトに合った心温まるバラードに仕上がっていてとてもいい。この「家族になろうよ」だが、震災の影響でツアーが中断になった間を利用して書き下ろしたということで、福山雅治は「大切な人を思い聴いていただければと思います。明るい未来を心より願いつつ、門出の歌としてそばに置いてもらえたらうれしいです」とコメントしている。また、4月22日には着うた配信も始まっている。新しいウエディングソングの定番になることは間違いない。
ちょうど震災後ということもあるのだろうが、このCMが伝えようとしている「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く)」というコンセプトが、見る者の胸にズシリと響いてくる。今回の震災では、「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く)」を願いながら、その願いを叶えることなく亡くなっていった多くの夫婦、家族がいる。その願いを叶えることができなかった人々のためにも、残された人間には、「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く)」ことを全うしなければならない責任が有るのではないだろうか。また、このCMを見て、結婚式を挙げることを自粛しているカップルが、「Get Old with Me(一緒に年を重ねて生きて行く)」ことの意味を考えて、是非結婚式を挙げてほしいと思う。
CMは以下のサイトですべて視聴することができる。iPhoneとiPadにもちゃんと対応していて、iOSユーザもちゃんと視聴できる嬉しい動画配信サイトになっている。