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読むウェブから使うウェブ(アクション・ウェブ)へ

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最近B2C向けのウェブサイトを運営している企業から、SNSを導入したいのだが何か良い提案はないかという相談を受けることが増えてきました。そうした背景には、どの企業も読むウェブから使うウェブ(アクション・ウェブ)への転換をはかりたいというニーズがあるようです。

そこには、自分たちのウェブサイトをもっとユーザーに使ってもらうことでユーザー満足度を高める、ユーザーの要求・意見を理解するという狙いがあるようで、そのソリューションの一つとしてSNSが検討されているようです。

この傾向はECサイトにも見られます。商品を購入するというアクション以外に、商品を使った後の感想や評価を書き込んでもらうという次のアクションをユーザーに期待してSNSの導入を検討しているパターンが多いようです。

ただ、最近は単に日記を書いたり友達を作ってコミュニケーションをするだけではユーザーも満足しなくなっています。使うウェブに転換するためには、やはり使ってもらうためのそれなりの工夫が必要です。たとえば、フォトアルバムや動画投稿機能を付加したサイトなどは良い例です。最近のSNSをベースにしたウェブサイトでは、フォトアルバムと動画投稿機能に対するニーズが非常に高い。

最近ではこの動きが、企業内SNSにも飛火しているような気がしています。SNSの導入を検討しているという企業担当者の方と最近話していて強く感じるのは、企業側がただ読むだけのウェブに対して限界を感じ始めているということです。

ここで言う読むウェブとは、イントラネットやグループウェアのことを指しています。企業側が社員に対して一方的に情報を伝えることが目的の読むだけのウェブでは、本当の情報共有は実現できないということに気づき始めてきたようです。

企業側は、自分たちの発信する情報に対して社員からの反応を期待しています。また、社員が自ら情報を発信することを期待しています。ただ、今までの企業中心のイントラネットやグループウェアではそれを実現することは難しい。そうしたジレンマが、企業内SNSの導入に拍車をかけているのは間違いがないようです。

この読むウェブから使うウェブ(アクション・ウェブ)への転換というニーズは、ここしばらく続くのではないかと感じています。あとは使ってもらうための斬新なアイディア、それを期待したいところです。

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