社内SNSにも炎上ってあるの?
以前からずっと不思議に思っていたことがある。社内SNSにも炎上ってあるんだろうか。不思議でたまらない。「社内SNSなんだから炎上なんて気にする必要もないだろう」ってこっちは思うのだが、導入を検討している企業側は意外なほど気にする。
「伊藤さん、コミュニティが炎上したらどうすればいんでしょうか」って、何人の担当者に聞かれたことか。社内SNSの場合、ユーザーはどう間違っても自分の会社の社員なんだから、多少不適切な発言があったとしても、どうにでもコントロールできるはず。炎上する前にいくらでも防止できると考えるのが普通だ。
最近も、ある企業の社内SNS導入プロジェクトの担当者から相談をもちかけられたのだが、やはり炎上が起きた時の対応方法をやたらと気にしている。よく話を聞いていると、どうやら経営層が気にしているとのこと。SNS自体を使ったこともない経営層にしてみれば、炎上だけ気になるのもしかたがないことなのかもしれない。
ところが、実際に社内SNSを導入した企業の担当者に話を聞いてみると、今度は炎上どころか利用する社員が少なくて困っているという相談を受けることが多い。いくら会社の方で利用するよう働きかけても、一向に利用率が上がらないのだという。
これは、社内SNSを導入している企業の成功事例として紹介されたこともある企業の社員に聞いた話だが、実際は言われているほど利用率は高くないということだった。理由は、今の若い社員は、ミクシィをはじめいくつかのSNSに登録している上、外でブログもすでにはじめているため、監視されていることがわかり切っている社内SNSになんか、今さら興味を示さないのだという。
同期や仲の良い社員との連絡は、ミクシィや自分達で簡易版のSNSを立ち上げてやり取りしているため、今さら社内SNSなんて必要もないということも言っていた。「炎上?議論しているカキコミさえあまり見かけないですね」
社内SNSの導入を検討しているのなら、起こる可能性の低い炎上を気にするよりも、事前に社員に使ってもらうための施策を考えておいた方がよさそうだ。