SNSエバンジェリスト(自分で勝手につけた名称。怪しすぎる!)として活動していて気がついたある変化。それは、ことSNSの導入に関しては、不思議なことにユーザー部門が決定権を持っているケースが多いということ。打合せに情報システム部門の担当者が出てくることはまずまれだ。問合せてくる相手も商談の相手も、経営・事業企画、広報、人事、営業など、SNSの導入を実際に検討しているユーザー部門の担当者がほとんど。

過去にもいろんなソリューションやサービスを扱った経験があるけど、商談の相手は大抵が情報システム部門の担当者。ユーザー部門の担当者が直接関与してくることなんてほとんどなかった。そんな過去の経験があるだけに、商談の度にユーザー部門の担当者が出てくることに対して若干の戸惑いがあったというわけ。

ある講演会の懇親会で、ブログとRSSのサービスを提供している企業の方と話す機会があったのでこの疑問を投げかけてみたところ、やはり同じことを感じていたという。ブログとRSSの導入に関しても、情報システム部門の担当者が出てくることはめったにないという。ということは、Web 2.0系の導入に関しては、ユーザー部門が主導権を持っていると考えることができる。

そうなった理由として、二つのことが考えられる。一つは、SNSをはじめWeb 2.0系のサービスは、企業の基幹システムと連携する必要がほとんどないため、情報システム部門の出る幕がないということ。もう一つは、ユーザー部門がWeb 2.0系のサービス導入に関して、情報システム部門に相談しても無駄だと感じているということ。

2番目の理由は深刻だ。そして、これは単なる想像ではなく、実際に企業の担当者数人から聞いた事実。彼らの話を総括すると、情報システム部門はWeb 2.0に関してどちらかといえば否定的で、真剣に取り合ってくれないということだった。

これに関連した話題をもう一つ。去年の後半、誰でも知っている大企業のSNS導入プロジェクトに何件か関わった。面白いなと感じたのは、名前の知れているSIerを経由してではなく、社員数十人規模のベンチャーに直接依頼してくるという点。

これも実際にある大企業の担当者の方に聞いた話だ。最初は取引のある大手SIerやコンピュータメーカーに相談したのだが、期待していたようなまともな回答が返ってこなかったという。「SNS?これから勉強します」。そんな程度だったということだ。

Web 2.0は、依頼する側と提供する側が直接やり取りする構造になりつつあるということだろうか。もしそうだとすれば、Web 2.0は情報システム部門やSIerに大きな課題を投げつけていることになる。付加価値を提供できない「中抜き」はいずれ存在意義を失うということだ。

Web 2.0は、スピードとユーザーインターフェースがカギになる。ユーザーの要求がよりシビアになることが予想される中、プログラムが書けない上、新しい変化にも目を向けない情報システム部門やSIerに果たすべき役割はあるのだろうか。手遅れになる前に、考え直す時期に来ているのかもしれない。

情報システム部門やSIerに身を置いたことがある人間として、切実にそう思う今日この頃でした。

itoman

Special

- PR -
コメント

コメントを投稿する
メールアドレス(必須):
URL:
コメント:
トラックバック

http://app.blogs.itmedia.co.jp/t/trackback/77444/6722222

トラックバック・ポリシー


» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

ビムーブ株式会社代表取締役。
青森県弘前市出身。太田区蒲田在住。動画配信の事例を紹介します。

詳しいプロフィール

最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2012年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29      
カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 富士通元社長の山本卓眞氏が残した次代へのメッセージ
富士通の社長、会長を務めた山本卓眞氏が亡くなった。哀悼の意を込めて、日本のIT産業界の大御所が残した次代へのメッセージを紹介しておきたい。(2/6)

news094.gif Facebook就活はもう古い?
約260人のブロガーが、ITにまつわる時事情報などを日々発信しているビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」。その中から今回は「就活」「都心の雪」「ソーシャルメディア」などを紹介しよう。(2/4)

news094.gif 東北をコットンの生産地としてブランディングしたい──リー・ジャパン・細川取締役
塩害に強い綿の生産で東北に新たな産業を作りたい。オーガニックコットンの採用など、環境負荷を下げるジーンズ生産に取り組んできたリー・ジャパンの新たなチャレンジとは──。(1/30)

news094.gif 東北から始まるイノベーション
企業のICTを活用と若手IT技術者による東北発のイノベーションが、中長期的な震災復興の鍵となる。(1/27)

news094.gif 貧困国の雇用を創出する印刷屋、丸吉日新堂印刷の挑戦
全国から約2万7000件の名刺制作を受注をする札幌の小さな印刷会社の成功の秘密は、地道な社会貢献にあった。(1/16)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。

Special

- PR -

サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ