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ネットが供給するコンテンツと既存メディアの関係

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昨日は、久しぶりに一日中家でゴロゴロ。おかげで疲れが完全にとれました。体内のアルコールも抜け、体調は完璧。なんだか今週は、前半からガンガン飛ばしていけそうな予感がします。こんな時は、周囲の人間を火傷させないように気をつけないと。。。

ところで、今日は既存メディアとデジタルコンテンツの関係について考えてみたいと思います。というのも、最近レコード会社と出版社に勤める業界人と話をする機会があったのですが、両者とも同じような危機感を口にしていたからです。それは、デジタルコンテンツに既存のメディアが支配されてしまうのではないかといった不安です。

たとえば、レコード会社に勤めるAさんは、音楽配信サービスで楽曲をダウンロードして聴くことが主流となり、CDやDVDといった既存メディアが売れなくなってしまうのではと心配しているし、出版社に勤めるBさんは、電子書籍やブログがこのままの勢いで増えてくれば、誰も本なんか買わなくなってしまうんじゃないかと本気で心配しているわけです。

こうした、デジタルコンテンツに既存のメディアが取って代わられてしまうという意見は、もう随分前からささやかれ続けていました。ここには、何の目新しさもありません。ただ、AさんとBさんに言わせると、今まではそうした警鐘が鳴らされていても、直接既存のメディアに代わるサービスを目の当たりにしたことがなかったため、業界全体が、「そんなことはまだ遠い先のことさ」くらいにしか思っていなかったと言うのです。

ところが、音楽配信サービスやブログなどの既存のメディアを脅かすようなサービスが実際に登場したことによって、今まで潜在化していた危機感が一気に爆発。どうやら、そうした背景があるようです。AさんもBさんも、自分たちの働く場所である、レコード会社も出版社もいらなくなってしまうんじゃないかと本気で心配していたわけです。

私は、AさんとBさんに言いました。「CDも本もなくなることはない思う」と。ネットが供給するコンテンツだけが生き残るなんてことは、絶対にありえないと私は考えています。私も、よく音楽配信サービスを使って楽曲をダウンロードするし、こうやってブログも書いたり、他のブロガーの記事にもよく目を通します。でも、本当に欲しい紙ジャケCDはお金を出して買うし(買い損ねた紙ジャケCDはヤフオクで探すこともしばしば)、本も毎月10冊以上は買います。

音楽配信サービスでダウロードした楽曲を、通勤途中にiPodで聴くこともあれば、スピーカーの前に座って、紙ジャケを眺めたりライナーノートをゆっくり読みながら聴くこともあるわけです。J-POPやヒップホップなどの音楽であれば、音楽配信サービスだけでも十分なのかもしれませんが、私が好きなジャズ、ソウルミュージック、ボサノバ、60~70Sロックなどは、ジャケットやライナーノーツも音楽の一部となっています。楽曲だけあればそれでいいというものではありません。

ブログも、リアルタイム性と臨場感では新聞や本などの紙メディアよりも勝っていますが、質と信頼性の面ではまだ新聞や本などの紙メディアには勝てません。私は、他人のブログを読むのと同時に、新聞や本もよく読みます。新聞や本は、ブログが今まで以上に増えていっても、決してなくなることはありません。ブログの記事をもう一度整理し直した本が売れているのも、そのことを証明しています。

そういう意味では、業界の人間が危機感を持ってくれだしたことはいい傾向だと言えるかもしれません。ネットに負けないような質の良いコンテンツを供給しようとするはずですし、もっとユーザーのことを真剣に考えようとするはずだからです。

ネットが供給するコンテンツと既存メディアは、お互いに補完していく関係にあると思います。ただ、本物しか残らなくなることだけは間違いありません。今までのように、CDや本が大量生産されるような時代ではなくなると思います。音楽配信サービスやブログは、ユーザーに本当によいものだけを伝えるという役目を持っているのかもしれません。

※ 昨日の夕方、小学2年生の娘を連れて蒲田の有麟堂書店に出かけました。娘がどうしても欲しい本があるというから、買いに出かけたんです。結局、寝るまでに読み終わり、次の本をねだられてしまいました。娘にとっては、NINTENDO-DSもインターネットも本も同じ興味の対象のようです。今日は一日中雨が降ったり止んだりだそうです。出かけるときは傘をお忘れなく!

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