最近お気に入りの雑誌にIDGのComputer World誌があります。少し前まではコアなトピックが多いマニア向けの媒体ではないかと思っていたのですが、実は違ってました。どこがお気に入りかというと、特集のテーマや記事がワクワクさせるのです。月刊アスキーが販売部数を落とし、ビジネス誌に衣替えするというニュースも記憶に新しいですが、一昔前にくらべITをとりまく”ワクワク”感が減っているように感じます。それは業界が成熟してきたことに伴う避けられない宿命なのだろうかと思っていたところ、ふと昨日手に取ったComputer Worldをながめていて、やっぱそうでもないかも、ということで何が起こっていて、それがどうしてなのかというあたりを考えてみました。(まあ、最新号の特集はSaaSなんで、なんでそれでワクワクするんだよ?という声も聞こえてきそうですけど・・・(^^ゞ)

それはさておき、

2000年問題の収束とともに、いわゆるIT業界の3文字略語ブームが静かに退場していきました。そう、クライアントサーバコンピューティングの台頭と呼応してか、1980年代終盤から90年代にかけて次々と新しいキーワードがなぜか3文字略語として登場しては、業界を騒がせていました。

有名なところでいくと、MIS、SIS、ERP、SCM、CRM、BPRなんかでしょうか。もちろん、SISやMISのように今では聞かれえなくなったものもありますが、ERPや、CRM、そのほかにもEDI、CMS、CTI、PLM、ERM、EAI、SOA・・・などは引き続き存在しています。

しかし、やはり90年代が3文字略語の時代であったという感覚を持つ人は多いのではないでしょうか。
次から次へと新しいコンセプトが3文字略語というかたちをとって世に送り出され、ベンダーだけでなくユーザもメディアもみんなが、テクノロジーになにか魔法のような希望を持っていたのかもしれません。今から考えると、ムーアの法則が証明されていくのを目の当たりにし、、コンピュータにできるのはどこまでなのか、ということについて無限の可能性を感じていたとも言えるでしょう。そういえば、ちょうど99年頃だったと思いますが、持ち込み企画でIT業界最新キーワード解説!というような連載を雑誌に掲載していただいたことなんかもありました。

ところが、2000年代に入ると同時に、あっという間に市場を席巻する(認知としてですが)ようなキーワードがあまり聞かれなくなりました。先述のように今でも数多くの3文字略語があるにはあるのですが、あの頃のような爆発的な勢いというか、なんだか皆が期待をもって取り扱っているような雰囲気ではなく、「略さずに言うと長くてめんどくさいから略しちゃえ」的なそれではないかと思います。

ハイプ曲線の流行期形成に影響を持つ各種媒体(雑誌やネットですね)の記者さんたちも、2001-2002年頃には、「最近はマーケットをリードするような3文字略語が出てこないのでつまらない」とか、さらには「ITはもはやコモディティ化してしまったのだろう」というようなことを言っていました。
(ハイプ曲線でググると栗原さんのITmediaの記事が1番にランクされているのは、いずれも流石です(余談))

確かに、テクノロジーとしてのエンタープライズITがコモディティ化してきたというのはひとつにあるかもしれません。しかし、よく考えてみれば技術は進化しているわけだし、エンジニアをとりまく環境が落ち着いてしまっているかというと、そうでもありません。

どういうことなんだろう?
このあたりを少し考えてみて、ふと思い当たったのことがあります。

”ソリューション”という言葉の台頭。

文字通り、ソリューションとは課題解決策ですね。ベンダーによる技術先行のトレンドから、顧客志向というか企業サイドのビジネス上の課題を解決する手段としてのITという切り口でプロダクトやサービスを訴求しようとするのが一般化してきたことと、3文字略語がその威力を削がれることとなったことに関連があるのではないだろうか。というところです。

長くなってきたので、また次回。

(つづく)

余談、

そういえば、冒頭でとりあげたCW誌のSaaS特集のPart1でも栗原さんが登場されてます。今やいたるところでという感じで、すごい。

とはいえ、裏を返すと彼のようにキチンと情報を整理してそこに的確な分析を入れた話をしてくれるアナリストといってすぐに名前が挙がる人はまだ少ないかも。ITという分野のボリュームや社会的な影響力を考えると、もっとたくさん有名人がいてもいいはずなので、今後このあたりがどうなっていくのかも興味ありです。(アナリストというテーマではまた追って別エントリーで書いてみたいと思います。)

isojima

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