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IBMが衝撃的なライセンス課金体系を発表

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2週間前のニュースになりますが、IBMが衝撃的なライセンス課金体系を発表しました。それは「プロセッサ・バリューユニット」という単位を基準に料金を設定するというものです。

http://www-142.ibm.com/software/sw-lotus/services/cwepassport.nsf/wdocs/pvu_licensing_for_customers

CPUのマルチコア化が一般化するにつれて、従来のソフトウェアライセンス体系を維持することは難しくなりました。

例えば、CPU単位でライセンスを設けているソフトウェアは使用CPUの数によって料金が変わりますが、1CPU=1コアと定義した場合、デュアルコアのCPU上で動作させると2倍の料金がかかります。

ですが、デュアルコアが持つ各コアは、シングルコアと比較して処理パワーに劣ります。にもかかわらず、シングルコアCPUを2つで動作させたときと同じ料金が発生するというのは、ユーザにとっては納得できるものではありません。

では、いくらコアを積んでいようとも1CPUと考えてはどうかという意見も出るでしょうが、そうすると今後確実となるマルチコア時代において、ライセンス収益が激減することは明白ですから、多くのベンダーはとうてい承服できないでしょう。

※ちなみに、マイクロソフトはコア単位の課金は行わないようですね。ちょっと意外です。

このような状況でIBMが出した解が、「プロセッサーバリューユニット」なのです。

簡単に説明すると、CPU(コア)の処理性能に応じて料金を変えるというものでして、CPUの性能が高まれば料金も比例して増えるというものです。

最終的には、ペイパーユースのユーティリティ・コンピューティングモデルへの移行を考えているとIBM広報担当がコメントしており、あくまでも一時的なものであることが伺えます。

CPU性能の定義は外部の調査会社が発表している標準的な性能テストに基づいて決定するということですが、ユーザからしてみれば、なんだかよく分からない、というのが正直な感想だと思います。

CPUは今後も高速化が進みますから、そうなるとライセンスも高くなる一方で、もしかすると、ライセンスを抑えるためにあえて遅いCPUを選択する、ということが起こるかもしれませんね。

Comment(4)

コメント

mohno

似たような話が、栗原さんのエントリでも取り上げられていますね。
http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2005/12/post_c551.html
将来のハードウェアリプレースまで余裕をもったスペックのマシンを使おうとすると、ソフトウェアライセンスは、その分を先払いするような形になりますね。まあ、その分、ベースの値段が安ければ問題ないんでしょう。:-p
基本的には、各社のシェアとか需要で値段(ライセンス体系)も決まっていくのだと思いますけどね。

おお、栗原さんのエントリには気がつきませんでした。

シェアを見据えて戦略的な料金を設定するのはマイクロソフトが得意とするところですね。あ、どちらかというとバンドル戦略か。

IBMの提案が業界に一石を投じることになるのか、どのベンダーも暗中模索ですから、今回の動きは非常に注目されます。

デュアルコア登場によるソフトウェアライセンス体系への影響はあまり気にしていませんでしたので面白く読ませていただきました。

 ただ正直、衝撃的な課金といえばアクセンチュアさんの成功報酬型のコンサル課金のほうが当時の私には非常に衝撃的でした(^^)成功報酬型ってある意味非常に理にかなった課金だと思うのですが、実際にところどうなのでしょうか?
 いつかその辺りの話をお聞きしたいと思っています。是非よろしくお願いします。

成功報酬型コンサルというのは、もしかして昨年発表した某案件の話でしょうか?

実はコンサル領域でも成功報酬課金というのは、グローバルでは結構事例があるんですよ。たしかに日本ではまだ数が少ないです。

こういったモデルが増えれば、「コンサルは虚業」と考える人も減っていくんじゃないかなと思いますが、ビジネスという側面で言えば、色々と考えなければならないことが多いですね。お茶を濁した言い方になってしまい恐縮です。

ちなみに、コンサルは成果物報酬型が多いですが、逆にベンダーさんと一緒に仕事をするときに、彼らにもそれをお願いすると、大抵営業さんにいやな顔をされるようです(笑) 領域によってカルチャーが違うのは当然として、それを乗り越えて新しい価値を提供するというのは大変なものですね。

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