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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

タブレットの功罪  その① 違和感

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タブレットの功罪  その① 違和感

iPadを使い始めて1年ほど経った時に、何か違和感を感じた。
何か調子がおかしい。iPadのことではない。私の執筆活動に違和感を感じたのだ。私の執筆の調子がおかしくなっている。執筆量が減っているのだ。


なぜだろうと考えて、分かった。iPadを使い始めてから、執筆量が減り始めたのだ。
私は元々ノートにすべて書き留め、書いたノートを見直して、パソコンに入力して、完成したエッセイや本の原稿を溜めていく。今までは、ほぼいつもパソコンをカバンに入れて、持ち運びしていた。
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   (第一世代のIPad)

私は以前から使っている普通の携帯電話には、メールは転送せず、かっては、時間があれば、ノートPCを開き、メールを読み、返事を入れていた。せっかく開いたパソコンだから、同時に書きかけのエッセイや文章を少しずつでも書き足していた。

ところがiPadになってから、メールは簡単に受け取れ、即見ることができるが、iPadでは、ツルツルキーボードで、入力しにくく、どうしても返事は家に帰って、デスクトップで送るようになった。急ぎの場合のメールの返事も、iPadで送ると、簡単な文になってしまった。つまり、デスクトップで送るよりも文章が短く、場合には相手の名前すら書かないで返事をすることもあった。
ノートPCを持ち歩かないために、私の文章入力量が大きく減少してしまったのだ。

 

更に、iPadを頻繁に、きわめて頻繁に見ることで、本を読むすき間時間まで、iPadが占領していることも分かった。便利でありながら、iPadをいじるのに、時間をどんどんつぶしていた。これも問題だった。

同時に恐ろしい事実に気が付いた。それは、便利の推測変換のシステムだった。この便利極まりない予測変換の入力を使っていると、私の文章がどんどん形式化、形骸化してしまい、面白くなくなり、文章が私の文章でありながら、私の文章でないように感じだした。このまま行くと、私の文章力も滅びてしまうのではないだろうかと心配し始めた。

もともと、私はエッセイなどのタイトルや内容やストーリーは、まずノートに書き留める。パソコンの漢字変換ですら、それだけに頼っていると、漢字が書けなくなるおそれを感じているほどだ。

これは、実にまずい!しかし、いつでもメールを受け取れるタブレットの便利さは失いたくない。そこで、2年間iPadを使った後、私はiPadをキャンセルして、Wifi利用に限定し、ドコモのタブレットのMediasに切り替えた。軽くなった。そして、メールを受け取るが、返事は、デスクトップで送ることにした。

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(ドコモのMedias)

次回は、この状態に抜本的改革を加えたことを説明したい。

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