オルタナティブ・ブログ > 読むBizワクチン ~一読すれば身に付く体験、防げる危険~ >

商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その14 ホテル室内 直後の犯行

»

海外旅行・出張危険回避講座
(一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その14 ホテル室内 直後の犯行

ボーイが部屋に荷物を運びこんでくれて、チップを渡してお礼を言って、出ていった。
 ここの時点で、ホッとすると同時に、疲れが出るものだ。
 ここに「直後の犯行」というのがある。


 実際に起こった話である。ワシントンの有名ホテルに、日本人の年配夫婦がチェックインした。部屋まで荷物を運んでもらって、ボーイは出ていった。その直後、ドアがノックされた。
 その夫婦は、ボーイが戻ってきたと思った。何か言い忘れたのだろうと、奥さんは、ドアを大きく開けた。そこにいたのは見知らぬ男で、部屋に入るやいなや、ドアを閉め、懐からナイフを取り出して、
「静かにしろ」と脅した。強盗が入ってきたのだ。奥さんは、悲鳴を上げそこなった。そこにご主人が現れて、
「な、何だ、君は」と言った途端、その強盗は、ご主人をナイフで刺した。金を要求して、奪い取ると、男は茫然とご主人の横にいる奥さんを放置して、逃げていった。ご主人は亡くなってしまった。これを直後の犯行という。

 海外生活をしている時に、一戸建ての家に生活していたが、常に家族に言っていたのが、
「私が出勤していったら必ず、ダブルロックを掛けなさい。たとえ私だと思っても、必ず声で確かめてからでなければ、ドアは開けてはならない」と、妻にも子どもたちにも言っていた。私は頻繁に出勤時忘れ物症候群で、出かけた直後に忘れ物で戻る癖があったので、余計に注意しなければならなかった。時々、防犯訓練を子どもたちにやっていた。

 この直後の犯行を防ぐためには、部屋に入ったら、チェインのロックを掛けることと、部屋のドアに貼ってある火災時の逃げ口を確かめておくことだ。その後に、訪問してくる人は、必ず小さな覗き穴から見ることが必要だ。

 よくあるのは、
「エアコンの調整です」と言って、強盗が入ってくる可能性もある。

 

チェインを掛けて、ドアをちょっと開けて、相手を見て、
「Staff ID, please」と要求することだ。
 持っていなければ、絶対に開けてはいけない。チェインを開けたままにしないで、一端扉を閉めて、電話でホテルのフロント・カウンターやマネージャーに電話をして、
「エアコンの調整の技術者を送りましたか?」と問い合わせることである。

ホテルに、見知らぬ人が入ってくるのが、そもそもおかしいが、見知らぬ人にドアを開ければ、ホテルは、「なぜ開けたのですか。それが間違いです」ということになる。

ポイント 
①「直後の犯行」に注意。
② 部屋に入れば、安全性の確保。ドアのロック、非常口の場所、隣の部屋との(中間)ドアのロックをすること。
③ 見知らぬ人は、チェインなどを外さないで、ドアを開けること。身分証明を要求すること。フロントに確かめること。


アイデアマラソン一口メモ
アイデアマラソン研究所が提携したジョージア大学のトーランス創造性調査(TTCT)は、Dr Torranceが1950年に考案し、現在まで同じ図形を使ったもので継続している。年間に9万人の実施が続いている膨大な実績が残っている。アイデアマラソン研究所としては、その図形による創造性分析を、アイデアマラソンの研修の効果を研修前後で、分析することと組み合わせて、日本全国で拡げていこうと考えている。
 このTTCTは、幼稚園から大人まで、同じ図形を使うところが極めてユニークだ。

カバー-1.jpg

最新刊のアイデアマラソンの本
「仕事ができる人のノート術」(東洋経済新報社)
一読すればあなたも、毎日発想を残すことができる。それがあなたの財産だ。

Comment(0)