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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その5 飛行機の荷物のリスク

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海外旅行・出張危険回避講座
(一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ)その5 飛行機の荷物のリスク 

 エアーカナダで、関空からバンクーバー乗り換えで、ロスアンジェルスへ向かう便に、チェックインしようとしたら、質問を受けた。
「(預け入れる)スーツケースに貴重品は入れていませんね」
「入れていません」
「パソコンは、入れていませんね」
「はい」
「絶対に入れないでください。米国乗り換えだと、パソコンは、確実に、壊れるか、なくなります。TSAの鍵以外で、バッグには鍵を掛けられません。TSAの鍵が付いていても、カバンを壊された例もあります」

 25年前の頃の、ロンドン・ヒースロー空港は、カバンを壊されて中の貴重品を盗られる事件が頻発していた。空港の飛行機からターミナルまで運ぶトレーラーで、ドライバー一本で、すき間に差し込んで、カバンの鍵を壊し、中に手を突っ込む手口で、明らかに空港従業員の仕業だった。スーツケースのカギは、ドライバー一本で簡単に壊せる。
 これは犯人が逮捕されたか、飛行機の荷物が、コンテナーで運ばれるようになって消えていった。

 カバンの中に入れてはいけない貴重品には、
(1)パソコン、iPad、カメラ、置時計、携帯電話
(2)宝石・貴金属(海外には持っていかない方がよろしい)、高級骨董品(帰国時)、思い出の品
(3)会社の重要書類、契約書や入札など、国際ビジネスに関しての書類(現地に運ぶ膨大な書類や厚手のファイルカバーが多数ある場合、個人情報や銀行の保証書のオリジナル、機密の価格関係の書類は、すべて外して、機内持ち込みにすること)
 
 昔の同僚の中には、通常のスーツケースを信じないで、会社の書類保存箱(ダンボール)をスーツケース代わりに使っている人がいた。これも欠点は、ダンボールの箱は、税関で必ずチェックされるところが多いことだ。


 TSA鍵が付いていても、付いていなくても、スーツケースには、なるべく派手な(若い女性が好みそうな)布バンドを付けて、縛ってしまうのが正解だ。

 更に徹底するには、スーツケースの鍵側に(日本製の)布のガムテープを貼りつけることだ。ガムテープをはがすと、糊が残ったりするのは、避けよう。

 ガムテープで、スーツケースをぐるぐる巻きにすることも逆効果となるかもしれない。インドや中近東では、カバン全体をビニールフィルムでミイラ化するサービスがあるが、効果はあるとしても、やはりエコではない。


布バンドも、ガムテープも、空港検査官や犯罪者のスーツケース開錠や、壊錠の意欲を失くすためだ。派手な布バンドは、遠くからでも、自分の荷物の判別が付き、観光客のように見せて、中は私物しか入っていないことを示し、犯行意欲を失くすためだ。絶対に必要。

 新品のスーツケースより、古いスーツケースの方が安全だ。薄い布のはったスーツケースは、ドライバー一本で、簡単に布をL字型に破られて、中を手探りされる。

 私は米国向けだともともとカバンに鍵は掛けない。預け入れカバンの中には貴重品を入れないことにしている。

 荷物の中は、細かいものは、大きな日本のゴミ袋に入れてまとめて、カバンに整理していれると、更に抜き取られにくい。荷物の抜き取りに手間が掛かれば、犯行者は、意欲を失くし、忙しいので次に向かうはず。犯行者に与えられた犯行時間は限られている。

 

ポイント
1 預け入れ荷物には、貴重品は入れない。使い古しの下着などを表面に入れて、食欲を落とすこと。
2 布のガムテープを小巻きにして持っていくと便利。万一カバンを壊されても、ガムテープで応急処置できる。
3 布のバンドは必需品。
4 カバンにハンカチか、リボンを取りつけて、更に目立つようにすること。布バンドだけでは、すべての日本人が実行しているから判別しにくい。
5 スーツケースの外側に大きく名前を書いてはいけない(これは次のブログで書く)。必ずタグで自分の向かう先の住所と連絡先をスーツケースに付けておくこと。

(次は、空港シリーズの最終で、来週末に、空港内の危険を書く予定)

 

海外での犯罪被害・詐欺被害の体験例を、募集します。コメントに書き込んでください。

 

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