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地方都市のおじさんが思う「家族と仕事とお勉強のワークライフバランス」

社内ワークショップ・ビジネスゲーム 〜儲かるってどういうこと?〜

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 前回のブログでも触れた社内でのエンジニア向けの教育プログラムとしてのワークショップにて進めているビジネスゲームだが、進行は次のように進めた。

 まずは、ゲームの概要を説明した。あくまでも、概要としたところがある意味でミソである。メーカーから販売店契約を取り付けた店舗の(疑似)経営を行う訳だが、設定する価格や広告費により来店客数は変化する。他店の意思決定により、自店の客数は影響を受ける。また、隠れたパラメーターもあるとした程度で、まずは触ってもらった。商品の仕入れは、当期にて販売できない点など、U/Iに慣れてもらう面もある。

 ゲームを進行していくと、ゲームなのか驚くような意思決定も出てくる。現金を考慮しない膨大な量の発注や、他店の倍近い価格の設定などプレーヤーによって様々である。これが、本当のビジネスにて行われる訳はないと思うかもしれないが、程度の差こそあれ、エイッヤ!でやっている面もあるだろう。そう考えると、顕著に現れてるといってもいいいかもしれない。

 毎期、前期の売上高トップの店舗は、各プレーヤーの画面に表示されるようにしてある。ここもひとつミソである。売上が高いことと、利益を創出していることは同じことなのだろうか?という点にある。5〜6期過ぎたあたりで、一度中間発表をした。

 すると、なんとトップは、入社間もない今年の新入社員であった。

 冒険をせず、堅実な意思決定と言えるかもしれない。逆に、リーダークラスの中堅社員は冒険や無茶も目立ち、痛めにあっている様子も見られた。

 ゲームを進めて行くと、「○○は影響するのか?」との質問や、あまりにも無茶な価格/広告費などには、「お金をかけても小相応に効果があるとは限りませんよ・・・」と少しずつ、助言をしてみた。
 プレーヤーからすれば、「最初から言ってよ!」と思うかもしれない。が、実際のビジネスにおいて、企業間取引、競合他社の動向など、最初から知っている訳はない。むしろ、様子を見ながら、また、時に無茶をしながら得て行く面もあるだろう。

 ビジネスには、ルールがある。勝つためには、「ルールを知ること」の重要性に気がついてもらう点が一つある。さらに、全く逆のことを言うが、「ルールを知っていても、必ず勝てるかどうかは、また、別の話である」という点もあるだろう。このあたりは、2階目のゲームにて体感してもらおうと思っている。

 各プレーヤーに、2回目のゲームにあたり情報提供した資料は、次の通り。データは、まさに今回参加してくれた社員のパフォーマンスだ。

1.利益剰余金と売上高の関係
利益剰余金が多い D くん(新入社員)は、必ずしも毎期売上高がトップではない。むしろ売上高は他店と比較しても低い方かもしれない。されど、利益の積み重ねとしての利益剰余金は、中盤以降トップである。なぜだろうか?

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2.売上総利益と営業利益
終盤のある期の2つの利益を比べてみる。売上から売上原価を引いた売上総利益と、在庫管理費や広告費など営業活動に要した費用を差っ引いた営業利益を並べると、折角の利益の大半が消え去っているプレーヤー(会社)もある。そもそも利益とは何だろうか?

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3.繰越在庫
繰り越す在庫が多ければ、在庫の管理費がかかるようになっている。利益を圧迫する要因の一つだ。2社の繰り越す在庫の量を並べてみると、中盤あたりは繰り越す在庫がほとんどない。管理費はかかっていないと見ることもできるだろうが、一方、欠品を引き起こしている可能性もあるかもしれない。つまり、お客さんが来ているのに商品の在庫がないということだ。(コントローラー側の私は、欠品数も見えるのでわかるがそれを言ってしまうと面白くないので言わない)

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ビジネスにおいてルールを知ることは需要だろう。が、ルールが分かれば絶対に優良企業になれるのか、次回のゲームで見えてくると思う。ぜひとも、メンバーには次回も参加してもらいたいし、さらに加わってもらえるメンバーも増えるとより楽しくなるだろう。

 このビジネスゲームですが、新人のみならず中堅社員の方々への研修には面白いと思っています。
 ご興味がある方がいれば、貴社に伺っての実演も可能です。無論、研修費など頂こう等とは思っておりません。もし、ご興味があれば、まずは、コメントなどに書き込みなど頂けると幸いです。よろしくお願いします。

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