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ICT業界に進出する小売店

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仏大手小売業のAuchanがMVNOとして携帯電話市場に参入する。来週サービスを開始し、1年後の2007年末には仏最大のMVNOを目指すという。

13102006001Auchanの携帯電話サービス名は“Hyper Visor”。ウリはもちろん価格だ。通話料金は毎分0.4ユーロ(フランス国内+40カ国)、SMSは1通0.1ユーロ。既存オペレータの平均的な料金は、通話が毎分0.5ユーロ、SMSは1通0.2ユーロぐらいだと思う。

13102006003Auchanは食品、雑貨、日用品から衣料、電気製品まで取り扱う超大型スーパー。携帯電話も販売しており、既存オペレータ向けに100万以上のアカウントを販売したという。ターゲットユーザーは、大型スーパーで携帯電話も揃えてしまおうというユーザー。当初、端末とSIMカードのセットを39ユーロから提供する。既存オペレータではSIMだけで30ユーロすること、プリペイドの場合、端末の割引率が悪いことを考えると、かなりお得だ。フランスのMVNOが占める割合はまだ1~2%程度。庶民的なサービスが出てくると、多少動くかもしれない。

先日、すでにMVNOとして展開している英最大の小売業者Tescoが、独自ブランドで格安ソフトウェアを提供すると発表したが、小売店もICTプレイヤーになってきたと感じる。

ETREで、イー・アクセス/イー・モバイルの千本氏のスピーチを聞く機会があったのだが、日本の携帯電話ユーザーは世界でも最高レベルの料金を払っているのだそうだ。やはり市場に競争が少ないからだろうか? プリペイドという選択肢がほとんどないというのも影響していると思う。今月末にはじまるナンバーポータビリティがどこまで影響を与えるか。

*右側の写真は、Auchanにあるセルフサービスコーナー。自分でバーコードをかざし、クレジット決済する。一度バーコードを通した製品を台の上に置かないと、次の製品のバーコードを読み取ってくれない。

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