超薄型トレンドに走らないNokia、勝算はいかに?
世界の携帯電話メーカーのトレンドは、超薄型だ。米Motorolaの「RAZR」の大ヒットを受け、韓Samsungなども超薄型機種を発表している。
さて、最大手のNokiaはというと、あまり乗り気ではない。先に薄型をうたった端末「Nokia 6126」を出しているが、厚さは17ミリ。RAZRは14ミリだ。
Nokiaは4月25日、独ベルリンで最新のNseries3機種を発表しているが、この少し前、このイベント情報を入手した人の間で、Nokiaは超薄型を発表するんじゃないかといううわさがあった。だが、この日同社が発表した3機種はいずれもNokiaらしい形。数年前に折りたたみ式が流行したときと同様、流行を無視して独自路線をいくようだ(折りたたみ式のときは、同社幹部は「プライドを持って真似する」とコメントして、折りたたみ式ラインナップを強化するとした)。
携帯の多機能化が進む中、Nokiaは「すべての機能を一つに」と考えており、今回発表した3機種を、「マルチメディアコンピュータ(MC)」と呼んでいる。一方のMotorolaはそうではなく、ユーザーはいろいろな端末を持ち歩くと見ているようだ。
各社の考え方はさておき、ここ欧州でRAZRの人気はすごい。ある調査によると、今年第1四半期、欧州におけるRAZRの販売台数は530万台、シェアにして6.2%。ちなみに、前四半期(2005年第4四半期)のシェアは3.1%。文字通り倍増だ。日本と比べると携帯電話にトレンドを感じることが少ないフランスでも、RAZRは目に見えて増えている。
一方、昨年の発表から1年が経過したNseriesだが、Nokiaによるとすでに販売台数は500万台を上回り、中でも「N70」は今年第1四半期、最もよく売れたWCDMA端末という。