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iPadとtwitterとクラウドで加速する?「ノマド型社員」

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iPadが気になって気になって仕方がありません。先週触るチャンスが結構あったのに一度も触っていないので余計に気になります。弊社アイティメディア社員は既に何人も触っていることでしょう。悔しい。なにせ、弊社ではiPhone普及率がおよそ50%(約100人/220人)を誇るくらいですから(山岡調べ)。もういっそのこと支給してくれよって話もあります。そして、オルタナブロガーもそういう人種が多いのでしょう。皆さん早速iPadを入手したり、触ったり、時には妄想しながらブログを書かれていらっしゃいます。

話は変わりますが、私がいま関心があるテーマの1つに「ノマド(遊牧民)型社員」というワークスタイルがあります。2010/03/22発売の「日経ビジネス」で、「伸びる会社は全員力 成果主義エリートはいらない」という特集が組まれていました。そこで紹介されていたのが「ノマド型社員」です。特集では特定のITツールについては触れられていませんでしたが、私はこのワークスタイルが、iPadやtwitter、そしてクラウドによって、より加速されるのではないかと考えています。

■ノマド型社員とは?
上記の特集では、東京海上日動システムズ、J・フロントリテイリング、テルモ、おかしのまちおか、の4社が取り上げられていましたが、そのうち東京海上日動システムズについての話を以下に転載します。

 「これまで見てきた中では、ある県庁が最も縦割りの組織だったが、御社の方が上ですね。」ある企業のアセスメントを2004年に受けたところ、担当者はこう言い放ったという。
 特に深刻だったのは、「ノマド型」と呼ばれるタイプの社員の比率が極めて低かったことだ。
 ノマドは英語で「遊牧民」を意味する。その名の通り、ノマド型の社員はいろいろなところに出向いて人と対話する。そうして様々な人々と交流し、アイデアを引き出す。だから組織の運営にも向いている。
 当時の東京海上日動システムズには指示待ち体質の社員が多く、その裏返しとしてノマド型の社員が不足していた。アセスメントの結果を受け、同社は社員の自主性を促すようになる。幸いだったのは、社員の中から自主的に縦割りの弊害を打破しようとする動きが出てきたことだ。

このノマド型というキーワード、実は私が就職活動をしていた2005年あたりでも少し耳にした覚えがあるのですが、それっきり見かけていませんでした。しかし、個々の脳内を開放し、アイデアを共有するtwitterという新たなコミュニケーションツールの流行によって、いま再びこうした働き方や考え方が広がってきているように思います。少し調べてみて参考になったのは下記の資料でした。こちらも抜粋。

ワークスタイルは図4のように、いろいろなところに出向いて人と対話するノマド(遊牧民)型(29.8%)、1人で非常にクリエイティブな仕事をするアナリスト型(33.8%)、自分に課せられた仕事をいろいろな人のところを渡り歩きながら伝えていくエージェント型(19.8%)、ゴールキーパーのように飛んできた球だけに反応するキーパー型(16.6%)の4つに分類できます。

ノマド型は、本拠地以外の場所で仕事をする割合が高く、対話をしながら3、4人で業務を行なうことが多いという結果が出ています。調査企業において、高いパフォーマンスを上げている人は、ことごとくこのノマド型でした。この結果は、必ずしも営業分野に限ったことではなく、職種やポジションにかかわらず、仕事のできる人には、みな同様の傾向が見られました。

ナレッジ経営の次世代 「人とコミュニティ」 2003年2月
知識経営を支えるノマド(遊牧民)型人材

この「傾向」というのを「コンピテンシー(行動特性)」と呼ぶ場合もあります。先に紹介した東京海上日動システムズでも、ノマド型社員を増やすために人事評価制度を変え、レベルの高いSEに共通して見られる32項目のコンピテンシーを規定し、それらを実行できているかどうかを絶対評価で判定しているそうです。「少数のエースが全部を仕切るのは無理。同期が10人居たら10人とも優秀なSEになってもらう必要がある。10人中3人しか課長になれない制度は当社には合わない」(横塚社長)

■iPadへの期待
ここで話をiPadに戻します。オルタナブロガーの大木さんがiPadを入手されていまして、
「【続報】iPad到着で、僕の仕事に対する姿勢が変わる」というエントリを上げられています。ひょっとしたら働き方が変わるくらいのデバイスかもしれないな、と私も思うわけです。「持ち歩けるコミュニケーションツール」として、マルチタッチなどの機能を備えているiPadは非常に優秀で、以前私が書いた「Google本社のホワイトボードの使い方」で紹介した「持ち歩けるホワイトボード」のように使うことも出来れば、その場でプレゼンテーションツールにもなり得ます。もちろん、これまでもタッチパネルのPCやプレゼンツールとしてのPCはありました。しかし、それとは違う何かをiPadに感じるのです。それはインターフェイスなのかもしれませんし、アプリケーションなのかもしれません。

…という感じで、期待ばかりが膨らんでいますが、まーとりあえず使ってみないと実際のところは分かりません。いま言えることは、私はそのうちiPadを買うだろうということです。

●「ノマド」についての参考記事

●「営業マンのつくりかた」カテゴリ

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