伊集院光によるCGM的小説
きょうは、カミサンと花見に行ってきました。花見といっても、桜の名所に行くわけじゃなくて、京成本線お花茶屋駅周辺。花にまつわる土地を見に行こうという企画です。
というのも、カミサンと毎週聴いている伊集院光の深夜ラジオ、「伊集院光深夜の馬鹿力」の中の「ないないあるある」というコーナーで、「お花茶屋でありがちなこと」(2月12日放送)というのがあって、興味を引かれたからです。番組では、「甘い花の香りがする」とか「生きて帰った人はいない」とか「国防上の理由からGoogle Earthで拡大表示ができない」とか言われてましたが、桜くらいあるでしょうし、ブログのネタにもなるから、ということで。
Wikipediaによれば、
江戸時代、八代将軍の徳川吉宗が鷹狩りに興じていた際に、腹痛を起こした。その時、名をお花という茶屋の娘の看病により快気した。この出来事により、現在の地名を賜ったとされている。
花見した証拠写真がこれ。ちなみに、中学校の桜です。
ここには写真は掲載しませんが、その茶屋があった場所というのも見てきました。いまは民家となっていますが、きれいな椿の花が咲いていました。こういう情報はネット上にはなかったので、お花茶屋図書館の郷土史コーナーで調べてきたのです。いったい何のために……。カミサンが最近始めたブログ(これでわが家の5人は全員がブロガーになったw)で、詳しいところを紹介しています(→地図絵かき日記)。
同じ番組の別コーナーに、「1億人が泣いた!感動のつくり話」というのがあります。
赤ちゃんの頃、施設の前に捨てられていた男の子「陸王(リクオ)」。親のいない寂しさから、すさんだ生活を送った彼は少年院へ。院内で自動車整備工の資格を取ったリクオを引き取ったのは、一人で小さな整備工場を営むおじさんだった。
これは、伊集院光が旅先で見つけた1台のサイドカーにインスピレーションを受けて作られたストーリーです。そのサイドカーにはなぜか運転手がおらず、おばあさんがチョコンと座っているだけ。ちなみにライダーはキカイダーじゃあありません。
そこだけが本当の話で、あとはリスナーから寄せられた設定を組み合わせていって、ケータイ小説っぽい、小田和正の「ことばにならない」をBGMにするといかにも「号泣」しそうな物語ができるのではないか、という企画で、現在は上記ページに、これまで寄せられたものから構築したストーリーがまとめられています。
最後の、(なんだかんだあって)全員号泣、というところはぜったい外せないそうで。
もう、このまま映画化してもおかしくないレベルまで来ていると思うのですが、まだディテールの部分を募集していますので、ご興味の方は参加してみてはいかがでしょうか。
けっこう前から、よってたかって作る系の小説サイトや、BBSはあると思いますが、けっきょくはモデレーターの腕ひとつのような気がします。その意味で、伊集院光の手綱さばきは秀逸で、「あんまり人が死に過ぎるのはよくない」「回収しきれない伏線が多すぎるとダメ」とかいった基準で投稿されたストーリーをつなげていきます。伏線を張り過ぎて最終回でも回収できない某コミック作家を批判したりとかしているだけのことはありますね。
で、お花茶屋のエピソードですが、この茶屋の娘、お花が将軍吉宗の目にとまり、小石川養生所にて日本初の看護婦として育ち、和製ナイチンゲールとなっていくさまをビビッドに描き出した小説とかコミックとかでないものでしょうかね。このプロット、どなたでも自由に使っていいので勝手に発展させてみては。たぶん、誰もモデレートしないと思いますけど。