「VOCALOID互換プレーヤー」の登場とその可能性
非VOCALOIDテクノロジーながら、同様にMIDIから歌声への変換を行なうWebサービス、「ぼーか郎」がすごいことになっているのを、初音ミクみく経由で知りました。
・vsqファイル対応になった「ぼーか郎」に触ってみたよ
・SMF to MP3 with ぼーか郎
詳しい説明は、本家サイトや初音ミクみくに掲載されているのでそちらを参照していただくとして、.vsqファイルを読み込んで、WAV、AIFFやMP3に出力できるというのがすごい。
つまり、VOCALOID EditorやVSTiを使わずに、初音ミクや鏡音リン・レンのVOCALOIDファイルをプレビューできるということです。
実際に試してみましたが、ピッチずれがところどころあるものの、メロディーや歌詞をつかむには十分。出来の悪い鏡音レンなら、区別つかないかも(笑)
これがあれば、MacユーザーやLinuxユーザーが.vsqファイルを試すことができますし、VOCALOID Editorを起動できない非力なマシンでも、DominoなどのVOCALOID対応MIDIシーケンサーで入力・編集して、プレビューは「ぼーか郎」で、最終出力は本物のVOCALOID Editorで、というすみ分けが可能になります。
さらに、この「ぼーか郎」がスタンドアロンアプリケーション化されたらどうでしょう。VOCALOID Editorを使っているときに、手持ちのほかの.vsqファイルを参照したいとき、同時にほかのファイルを開けないので困るときがあります。そういうときに、別アプリで.vsqのブラウズができるととても便利。
Mac OS XのLeopard FinderのQuick Look機能で、この.vsqプレビューができれば、スマートフォルダでまとめた.vsqファイルを次々にブラウズし、目的のファイルを探していくこともできます。
クリプトンのSONICBROWSERに組み込む、というのもアリでしょう。
SONICBROWSERは、「クリプトンのSONICBROWSERがおもしろい」で書いたように、WAVやAIFFだけじゃなくて、.vsqファイルをブラウズできると便利なはずですが、ちゃんとしたプレビューのためには、すべてのVOCALOID音源を組み込まなくちゃいけない。でも、「ぼーか郎」のプレビュー程度ならば、比較的軽い、著作権的にも問題のない扱いができるのではないでしょうか。
「ぼーか郎」は、VOCALOIDの代替になるわけではありませんが、その補助的な役割としてはとても便利なものになる可能性があります。
初音ミク、鏡音リン・レンのWebサービス化もそろそろ本気で取り組むべき時期かもしれません。いや、用意周到なクリプトン/ヤマハのことだから、既に走っているかもしれないですね。VOCALOID公式ページがリニューアルされるときが、Webサービス開始のときだったりして……。