スティーブ・ジョブズは歌うように現実を歪曲する
Apple TVに入れたビデオポッドキャスト版ジョブズ祭りを観ていて、ちょっと気づいたことがあります。
それは、リズム。
彼のプレゼンテーションには一定のリズムがあるように感じます。Speed Feedの小川さんがリンクされていた、60秒でわかるstevenoteというのをみていると、さらによくわかります。
そこで、1月16日の基調講演のキーフレーズをいくつかピックアップして、それがどんなビートに乗っているかどうかを調べてみました。Appleのサイトでその基調講演すべてをQuickTimeで見ることができるので、こちらからどうぞ。ポッドキャストでも配信されています。
54:57
「3番目の種類のMacBookを紹介するよ」といって、その後に出した製品名、
“It's Called the Mac Book Air”
ここは126BPMくらい。
その後に続く説明の、
55:05付近
“What is the Mac Book Air”
ここも126BPMくらい。
その答えの部分、
「ひとことで言えば」
55:09付近
It's the World's Thinnest Notebook
ここは96BPMに落としています。最も重要な部分だからでしょうか。
本当に重要な部分は一定のゆっくりしたリズムに乗せて話し、さらに強調したいポイント(ここでは世界で最も薄いノートブック)は、さらにテンポを落とすという技を使っているのです。
それぞれのフレーズをVOCALOIDに置き換えてみると、さらに、メロディーらしきものができているのもわかります。
うたうように、つまり、「じょぶずカンタービレ」というわけですね(笑)
ジョブズのスピーチをサンプリングしたのとVOCALOID(鏡音レン・リン)をGarageBandに配置して遊んでいたらヘンなのができたので、バカバカしいとは思いますが、ニコニコ動画に「何に分類すべきかわからん」シリーズ第3弾として投稿してみることに。
前回のもネタなのに意外に再生回数いったのでちょっとびっくり。MacBook Airの注目度はそれだけ高いということなんですね。ASUSのまわしものか、というコメントには苦笑ですが。
基調講演のスピーチは改変ダメという但し書きが掲載されていたので、そこは自分で真似してみたんですがぜんぜんダメですね。ジョブズの声はレンジが上下に広いうえにブレス成分豊富で、なかなかコピーできるものではありません。
ジョブズは、リズム感のいい、広いダイナミックレンジを持った魅力ある声質のすばらしいシンガーで、自在にテンポをコントロールして聴衆を説得しているのです。優れたシンガーのライブってのは実に現実歪曲空間ですからね。